前作「USBシリアルコンバータ」は、FTDI社のUSB-シリアル変換IC、FT232RLを用いてパソコンとポケコンを接続しました。
しかし、FT232RLの負論理(H=0V L=5V)とポケコンの正論理(H=5V L=0V)を合わせるためにNOT理論素子(インバータIC)を使用したため、回路が複雑になりジャンパを大量に飛ばす事になりました。
ところがFT232RLはプログラミング可能なICで、論理反転を内部処理できる事がわかりました。これにより、インバータICを廃し、単純にピン配列の組み替えのみでパソコンとポケコンを接続できる事になります。
FT232RLの設定についてはKazuchi Softwareの「ポケコン資料室 ポケコン用USBシリアルインターフェイス制作1-5」を参考にさせて頂きました。同サイトの管理人Rupis氏に、この場を借りてお礼申し上げます。
ここで使用しているストロベリー・リナックス社のFT232RXは、細かな部品はハンダ付けされた状態で出荷されるので、高度なハンダ付け技術は要求されません。
| USBシリアル変換モジュール | ストロベリー・リナックス社 FT232RL USBシリアル変換モジュールキット「FT232RX」 注文番号#50025 |
1,580円 |
|---|---|---|
| ピンヘッダ | 2.54mmピッチ、1x11ピン、L型 | 50円 |
| ピンソケット | 2.54mmピッチ、2x10ピン | 50円 |
| ユニバーサル基板 | 2.54mmピッチ サンハヤトICB-288など | 70円 |
| すずメッキ線 | その気になれば部品の足切れでも代用できます |
価格は参考程度にとどめてください。場所によって大きく異なります。(2006年通販サイトで調査)
組み立てる前に必ず、基板のやすりがけをしてください。ガラス繊維が手に刺さります。外周すべてに丁寧にやすりがけしてください。
やすりがけが終わったら、まずVCCIOの設定を行います。基板上の5V側のランドをハンダでショートさせます。画像は旧型のため、ジャンパを飛ばしています。
ピンヘッダはUSBコネクタ側に取り付けます。
このキットはICとチップ部品は予めハンダづけされているため、ピンヘッダとUSBコネクタの取り付けのみで完成します。
組み立てが終わったら、パソコンと接続してドライバをインストールします。
FT232RLはWHQL認証を受けているため、ドライバは自動的にダウンロードできます。
パソコンにFT232RXを接続します。しばらくするとウィザードが始まるので、「はい、今回のみ接続します」を選んで「次へ」をクリック。
次の画面では「ソフトウェアを自動的にインストールする(推奨)」を選んで「次へ」をクリックします。
「完了しました」となりますが、もう一度ウィザードが始まります。異常ではないので、再度「はい、今回のみ接続します」「ソフトウエアを自動的にインストールする」の順に選びます。2度目のウイザードが終了すれば、ドライバのインストールは完了です。
バソコンにFT232RXを接続すると、下の画面が表示されます。「ドライバソフトウエアを検索してインストールします(推奨)」をクリックします。
少し時間が掛かりますが、数分以内にインストールが完了します。
ドライバがインストールできたら、いよいよ基板を作成します。
回路図というよりは、単なる配線図ですね。部品面から見た配線です。
赤い部分はジャンパ、オレンジのピンは1番ピンです。
以下に製作例を掲載します。
画像の基板は再利用品のため、ジャンパが斜めに飛んでいる場所もありますが、気にしないで下さい。
ハンダ付けが終わったら、回路図と実物を付き合わせて間違いがないことを確認してください。
間違いがなければ、完成した基板にFT232RXを接続して完成です。
パソコンに改良型USBシリアルコンバータを接続して、デバイスマネージャを表示させます。
Windows XPでは、マイコンピュータを右クリックし、プロパティをクリックします。「システムのプロパティ」ウインドウが開くので、「ハードウエア」タブをクリックします。画面が切り替わったら、「デバイスマネージャボタン」をクリックしてください。
Vistaでは、マイコンピュータを右クリックし「プロパティ」をクリック。「システム」ウインドウが開くので、「デバイスマネージャ」をクリックします。
デバイスマネージャが開いたら、「ポート(COMとLPT)」の中にある「USB Serial Port(COMx)」をダブルクリックします。
「USB Serial Port(COMx)のプロパティ」が開くので、「ポートの設定」タブをクリックし、「詳細設定...」ボタンをクリックしてください。
「COMxの詳細設定」ウインドウが開きます。COMポート番号を「COM1からCOM4の間で(使用中)になっていない番号」を選択してください。 COMポート番号は後で使うので覚えておいてください。
COM1からCOM4まですべて(使用中)になっている場合の対処法は後述します。
すでにUSBシリアル変換機や携帯電話ケーブルを使っていると、COM1からCOM4まで空きがない場合があります。
COMポートとは何ら関係なさそうなものでも、内部的に仮想的なCOMポートを介して接続しているものがあるので、それらのポート番号を変更するか、不可能であればそれらのドライバを削除します。
詳しくはこのページを見て下さい。
FT232RLは標準では負論理のため、これを正論理に変更します。内蔵EEPROMに動作条件を書き込むだけで正論理になります。
FTDI社のwebサイトから、EEPROM書き換えツール「MProg」をダウンロードします。
webサイトの左にあるナビゲーションをResources --> Utilitiesの順にクリックしてページを下に辿っていけば「MProg」が見つかるはずです。
ダウンロードしたプログラムはzipで圧縮されているので解凍し、インストーラを実行してインストールして下さい。
MProgの使用方法はRupisさんの「Kazuchi Software」の「ポケコン用USBシリアルインターフェース製作4」に親切な説明がありますので、そちらを参照して下さい。
FT232RLへの書き込みとCOMポート番号の再割当が終わったら、改良型USBシリアルコンバータは一度パソコンから取り外し、再度接続して下さい。これをやらないと不具合が発生する場合があります。MProgの「ドライバのアンロード」ボタンでも回避できません。物理的に取り外す必要があります。
ポケコンの[TEXT]ボタンを押して、テキストエディタを呼び出します。
この画面になったら、S、F、リターンと押してください。通信条件の設定になります。以下のように設定してください。上下キーで項目移動、左右キーで選択しリターンで決定です。選択したあと上下キーで移動すると元の値に戻ってしまいます。選択したら必ずリターンを押してください。
ただし、end of fileのみ、キーボードで「いち エー」と入力してリターンを押してください。
設定できたら、最後にリターンを押してからONを押して設定から抜け、電源を切っておきましょう。次はパソコンの設定です。
ここまでくれば、HyperTerminalやTera Termなどのターミナルソフトでパソコンとポケコンで通信できます。しかしターミナルソフトでは扱いづらい面もあるので、シャープ株式会社が提供している専用ソフトを利用しましょう。
あらかじめ断っておきます。くりこうのホームページはシャープ株式会社より許諾を受け、PC-Gリンクを掲載しています。PC-Gリンクを同社の許可無く転載することは禁止されています。Readme.txtには「転載の際に許可を取る必要は無い」と言う旨の記述がありますが、これは誤記との事です。
PC-Gリンクをダウンロードする(LHA形式1120kB)
ダウンロードしたらインストールも行ってください。スタートメニューからPC-Gリンクを起動します。
起動したら、PC-Gリンクの通信設定をします。通信メニューから「COMポートの設定」をクリックしてください。
ポートの設定は、デバイスマネージャで設定したCOMポート番号を選択します。
以下、通信速度は9600、ワード長は8、ストップビットは1、パリティはnone、区切りコードはCR LF、フロー制御はRS/CS、テキスト終了コードは1A(いち エー)に設定し、OKをクリックします。
このソフトはわかりやすいのでこれ以上の説明はいらないと思いますが、ポケコンからパソコンへ送る場合はPC-Gリンクの受信ボタンをクリックし、ポケコンのテキストエディタのトップメニューからS、Sと押します。
パソコンからポケコンへ送る場合はポケコンのテキストエディタのトップメニューからS、Lと押しておいてから、PC-Gリンクの送信ボタンをクリックします。
ポケコンのテキストエディタで送受信できるのは、テキストエリアのデータのみです。BASICプログラムを送受信する場合は、テキストデータとBASICプログラムを相互に変換する必要があります。
BASICからTEXTへの変換
TEXTからBASICへの変換
詳しくは、取扱説明書をご覧ください。