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2010年 NY国連・カーネギー公演日記
2010年2月16日(火)〜24日(水)
2月18日(木) 国連高座搬入
今日も3時間ぐらいで目が覚め、4時過ぎから眠れず悶々とした時間を過ごす。
完全に時差ボケ。
いつも海外公演で眠れないときは、起き出してPCに向かって公演日記など書いて作業する。
またカーネギー横のカフェでブランチして地下鉄でブルックリンへ。
ブルックリンから対岸のマンハッタン、ブルックリンブリッジやマンハッタンブリッジなどを写真に撮る。
ホームページの表紙にも使っているボードウォークに行ってみると、雪がたくさん残ってて一面真っ白。
「ワンス・アポンナ・タイム・イン・アメリカ」のポスターでおなじみの古い建物の間から
マンハッタンブリッジの橋桁が見えるスポットを探し出し、そこでも一枚。
その後またマンハッタンに戻ってウォール街のトリニティー教会へ。
毎週木曜は1時からコンサートがあるとガイドブックに書いてあったので行ってみた。
行くと確かにコンサートの案内は出てるが、料金が違う。
ガイドブックには$2と書かれていたが、表示は$5。
3年前のNY滞在時に買ったガイドブックなのでその後値上げしてたよう。
美術館の料金も地下鉄の1日券もみんな値上げになってる。
3年の間にこんなに軒並み値上げされてるとは・・・
ピアノとフルートの伴奏でソプラノ歌手が小一時間ほど歌ってコンサート終了。
献金箱に$5入れて、近所のグランド・ゼロへ。
同時多発テロで崩壊したワールドトレードセンターの跡地。
3年前は何もなかったが、今は新しい建物の建設がやっと始まったよう。
向かいの「センチュリー21」と言う不動産屋みたいな名前の安売りショップで少し買い物して
ホテルに戻って、字幕班のカーンと娘の沙里奈ちゃんとで僕の部屋でリハ。
テーブルが小さいのでベッドの上にパソコン2台並べて二人が落語に合わせて字幕を送ってく。
細かなタイミングを確認し一通り終わったところで、僕は武部さんと国連へ。
明日使う第3会議室は僕らのために一日空けてくれたようで、
今夜の内に高座などが設営できるようになった。
現地スタッフの高橋さんと、国連代表部のスタッフが待っていてくれて国連の本部ビルへ。
12月の下見の時にも来たが国連の金属探知器は感度が高い。
テロの目標であるアメリカの航空会社は保安検査の金属探知器のレベルが高く設定されてるが、
ベルトまで引っかかったことがない。ところがここはいつもベルトをはずさないとピーピー鳴る。
第3会議室に入ると会議が終わったところのようで、まだ何人かが話してる。
少し待ってチェアマン席の前あたりで設営の段取り。
待ってると国連イベント担当スタッフのフェルナンドさんもやってきた。
12月の下見の時にフェルナンドさんと古い方の会議室で、
高座設営の段取りとかを打ち合わせていた。
実は国連ビルはアスベスト問題で大改修に入っていて、
今回別棟に建てられた新しい会議室での公演となってた。
下見の12月はまだ新しい会議室ができてなくて見ることができなかった。
古い会議室は議長席を中心に半円形に机が配置されていたが、
新しい会議室はまっすぐ一列に机がレイアウトされている。
そしてニュースなどでおなじみの、机にそれぞれ通訳用のヘッドフォンとマイクがセットされている。
鳴り物を隠す舞台袖を作るためのパーテーションが運ばれ、舞台業者が高座を運び込む。
国連は会議の場なので公演に必要な物はほとんど持ち込まないといけない。
高座は鉄骨のやぐらを組んでその上に天板を乗せて階段を付けると言うもの。
ところが業者が天板の寸法を間違えて別の物を持ってきてしまった。
これからマンハッタンから川を渡ってロングアイランドまで取りに戻るという。
他のメンバーは先に夕食に行ってて、設営終わりで合流する予定だった。
待っていると遅くなりそうなので、電話をかけ食事の後ミュージカルを見に行くという喬若らを行かせて、
高橋さんを残して武部さんと他のメンバーと合流した。
わざわざ国連まで行って高座設営を立ち会ってたのに、行った意味がない。
舞台業者には30数万円払ってるらしい。
日本では高座は折りたたみの会議机やビールケースなどでも組めるが、
こちらで机を並べて高座をと言うと、安全面が確保できないから
セキュリティー担当が許さないと言う。
現に高座にも保険がかけられていて、落ちて怪我したりすると最大100万ドル出るらしい。
初めの打ち合わせでは1.5mの高さの高座に座ってと言うと、
国連からも落ちると危険だから高座に手すりを付けろと言われた。
手すりで囲われた高座なんて聞いたことがない。
絶対に落ちないし、もしも落ちて怪我しても一切の責任はこちらで負うからと交渉した。
人件費に運搬費、保険で30数万にもなってるよう。
こんなに値段の高い高座なんて初めて。30万あったら高座どころか、
ちょっとしたホールごと借りられる。
夕食の後、また近所のデリでビールを買って部屋で仕上げ。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のポスターと同じ構図で
マンハッタンブリッジを撮る。
ウォール街のトリニティー教会と墓地。
道は除雪されているが、本当はこれぐらい積もってる。
国連第3会議室に運び込まれた高座のフレーム。
こんな鉄骨組んだだけの高座に30数万円かかった。
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