2007 ニューヨーク日記 |
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3月5日(月) ウッディー・アレン 今日も午前中はなんやかや作業して昼からフリー・ペーパー「アメリカン・ドリーム」のインタビュー。 先日のギリシャ料理屋さんでの食事会でお目にかかった板越ジョージさんのオフィス兼自宅へ。 オフィスは別にあるらしいが僕のアパートに近いしこっちの方がゆっくり話できるからと、 地下鉄で2駅の68丁目へ。 ドアマンが二人もいるような大きな立派なアパート。 そこで1時間ちょっとインタビューを受け、掲載する写真は昨日撮った NYでの紋付き姿を使うことになった。 デジタル一眼で撮ってもらったが、データはまだもらってない。 後日メールで送ることにする。 帰ってきてまた家で作業して、夜はカフェ・カーライルへ。 ウッディー・アレンが毎週月曜カフェ・カーライルに出演してるとネットで見つけた。 でもNY在住のジャズファンも、アレンはもう出てないでしょうと言う。 カフェ・カーライルのサイトを見つけて見てみるとやはり1月から6月まで毎週月曜出演と書かれている。 古い情報が放置されてるのかも知れない。 でも本当に出演しているのなら是非見てみたい。 9日にはNYを発って帰国するので、この日が最後のチャンス。 先週の土曜日カフェに電話を入れて聞いてみた。 「ウッディー・アレン氏は毎週月曜出演していますか?」 と聞くと「イエス」と言う答え。 「来週月曜日予約できますか」と聞くと、どうやら無理なよう。 レストラン席とバーカウンターの席とあると誰かが言っていたので、 バーの方は?と聞くと何やら言って「6:30」という。 「6:30」以外はよくわからなかったので、「6:30に行けばいいのですか?」と聞くと そうだという。 本当にアレンが出演しているのか、そうだとしても6:30に行けばちゃんと入れるのか、 半信半疑のままカフェへ。 カフェ・カーライルはホテル・カーライルの一角にある。 このホテルは故ジョン・F・ケネディー大統領もプライベートで利用し、 マリリン・モンローとの密会もここだったらしい。 うちのアパートから1駅地下鉄に乗って76丁目のカフェへ。 6:25ぐらいに行くとすでに先客が6人ほど並んでる。 6:30、時間通り開場。 コートをクロークに預けて店内へ。 支配人らしいタキシードのおやじに予約してない旨を伝えるとバーカウンターへ案内された。 先客が奥から順番にカウンターに座っていく。 並んでた客は全員カウンター席の客で、テーブル席はまだ誰もいない。 メニューが配られ見てみると、確かに毎月曜ウッディー・アレンと書かれている。 しかし僕の席の前に大きな柱があってステージがほとんど見えない。 ライブが始まったら席を立ってどこかに陣取らないといけない。 ライブは8:30から。 それまでビールを飲みながらチキン料理を食べ、 サラダを食し、ジン・トニックを注文し・・・・と 2時間ねばる。 7時半過ぎになるとテーブル席の客もボチボチ来だして席が埋まり、 8時頃になると立ち見の客等も増え出す。 バーテンがカウンターの客にもっとこっちに寄ってと促し、 僕の席からも柱の影からステージが半分ぐらい見えるようになった。 そして8:30。 ウッディー・アレンが現れた。 本物や! そして僕のすぐ前のテーブルに座ってクラリネットを組み立てだした。 そこのテーブルだけ空いてたので、まだ客が来てないのだと思っていたら、 アレンの席だった。 ほんの1mちょっとの距離に本物のウッディー・アレンがいる。 ちゃんと動いてる。(当たり前や!) お馴染みの度の強い黒縁の眼鏡を掛け、 知り合いのおやじと何やら話しながらクラリネットを組み立てる。 そしてステージへ。 ステージと言っても別に壇があるわけでもなく、客席と同じフロアのスツールに座って演奏する。 他のメンバーはピアノ・ベース・ドラム・トランペット・トロンボーン・バンジョーの6人。 柱の影から何とかアレンは見えるものの、2人ほどメンバーが見えない。 隣の人にもたれるように寄って何とかアレンだけでも見えるようにする。 バンドはデキシーランド・ジャズ。 でもアレンはへたくそだった。 枯れた味と言えば味なのだが、へたくそなのにびっくり。 昔、自身のアカデミー賞の授賞式に、この日はクラリネットを吹きに行く日だからと休み、 何十年もマンハッタンのクラブで演奏してきたアレンがこんなにヘタだったとは・・・。 まぁほかのメンバーもたいしてうまくないけど、みんな楽しんで演奏してるよう。 100人も入るといっぱいのこのクラブで、マイクなど使わずまったくの生音での演奏。 アレンは自分のパートが終わって演奏しない時は床を見つめて、 まったく観客と目を合わそうとしない。 とても神経質でシャイな人のよう。 約1時間でライブは終了。 最後はステージでクラリネットを片付けながら、子供みたいな歌をぼそぼそ歌う。 これもご愛敬。彼なりのサービスなのだろう。 そしてテーブルの間を縫って、客に愛想もふらず、何事もなかったかのように消えていった。 料金を払いクロークへ。 クロークでチップがいるのかと回りを見渡すと後ろのおばちゃんが紙幣を握りしめてる。 慌ててチップの用意。 いくら渡せばいいのか?コートの引き替え券を渡して係がコートを持ってくる間に中を見ると $1札がたくさん置かれてた。 では$1。 トイレはホテル内にある。 そこに行って用を足すと、白衣のボーイが蛇口をひねり、ハンドソープをかけ、 タオルを渡してくれる。 ここもやはりチップがいるようで、$1渡して外へ出る。 おしっこするのにも120円ほどかかる。 帰りは一駅なので地下鉄に乗らず、寒いけど余韻を楽しみながら歩いて帰った。 カフェ・カーライルで演奏するウッディー・アレン。 演奏しない時も観客と目を合わせず、ずっと床を見つめている。 もどる |
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