2006 フランス公演日記 |
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5月15日(月) パリ公演 やっと時差ぼけも治ってきたようで、5時間ほど眠れた。 5時半頃に起き出して、メールを書いたり公演日記を書く。 それから地階で朝食をとってまた部屋に戻りシャワーの後身支度。 10時に大使館から迎えの車が来て荷物を積み込み、 今日の公演会場の日本大使館広報文化部のホールへ。 大使館の広報文化部は凱旋門に面した一等地に建っていて、 会場はこぢんまりしているがベルサイユ宮殿かと思うような見事な内装が施されている。 ナポレオン3世様式で建てられ、文化財に指定されているらしい。 設営の前に山田公使の部屋で談笑。 山田公使は落語が好きで、東京にいたときには寄席にもよく行ったそうで、 今日の公演をすごく楽しみにしてたそう。 30分ほど話をして設営にかかる。 高座やスクリーンなどの舞台設営はおおよそ済んでいたが、 屏風やいすを動かすのも、壁や床を傷つけないよう気を遣う。 大きなシャンデリアが下がっているため高座の位置が限られ、その分客席が狭くなってしまった。 このシャンデリアは大きさこそ違うが同じ物がルーブル美術館にもあるそう。 80人ほどしか入れないので、今日は17:30と20:00の2回公演。 2時間ほどで設営完了、近所のカフェで昼食の後少し自由時間をもうける。 それぞれホテルに戻って休んだり買い物したりして過ごす。 3時にまたホールに戻り簡単に段取りをチェックして本番。 おおよそ8割がフランス人。 パリもすごく熱心に聞いてくれるし、ツボでちゃんと笑いが返ってくる。 少しネタをとばしてしまって字幕があわてるところもあったけど、 後で聞くとお客さんはたいしたことはなかったと皆言ってくるのでそれほど影響はなかったよう。 2席目の「皿屋敷」が終わって袖に引っ込むが拍手が鳴りやまない。 演劇と同じようにカーテンコールがあると思っているよう。 どうしようかと迷っているうちに字幕が次に移り、拍手が収まったので結局出ずじまい。 ライトが近いのでひじょうに暑く、2席とも汗びっしょり。 2回目まで30分しか時間がないがいったん衣装を脱いで汗を引かす。 2回目も反応がよく「皿屋敷」の怪談部分の後もちゃんと笑いが返ってくる。 さすがに4席やると疲れた。 ふつうに4席やるのではなく、字幕とのタイミングも考えながらなので 通常の高座より神経を使い、疲労度も増す。 しかし終演後公使の部屋で招待客らとレセプションがあるので休憩してられない。 黒紋付き袴のままレセプション会場に向かい、シャンパンを飲みながらお客さんらと談笑。 フランスの方からの熱心な質問を日本人のお客さんが通訳してくれる。 そうかと思うとびっくりするぐらい流ちょうな日本語で話しかけてくるフランス人もいる。 昨日一緒に観光した徂徠君も来てくれて、レセプションに参加。 勉強したてのフランス語でフランス人と話すが、この人はしゃべれると ブワーッとフランス語でしゃべられ、たじたじとなっていた。 レセプションの後、別室でスタッフの皆さんも交えお寿司で打ち上げ。 山田公使から落語のみならず構成からフランス語の訳まで含めてすばらしかったと、 大絶賛を受ける。 6年間、延べ12カ国で公演してきた経験が確実に財産となってるよう。 話が弾んで気がつくと12時を回っていた。 宿まで荷物を運んでもらい、また福矢の部屋でサンブッカで仕上げして1時頃ベッドに潜り込んだ。 明日はリヨンへ移動する。 パリ公演会場。凱旋門に面した立派な作りの日本大使館広報文化部。 パリの文化財での落語公演。 終演後のレセプション。質問の嵐と写真責め。
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