2006 フランス公演日記
本文へジャンプ 5月12日 


5月12日(金) コルマール公演


1時半頃に寝たのに3時過ぎに目が覚めた。
いつものように時差ぼけで早朝に目が覚める。
ベッドの中で眠ろうとするが、寝付けず起き出してPCに向かう。
回線をみると、古い小さなホテルなのでLANには対応していなくて、
電話のジャックだけがデスクの横にある。
5年前の英仏公演の時に買った旧式のフランス用電話ジャックを差し込んで、
メールを書いて送るが、うまく届くところと届かないところがある。
原因不明。
ホームページの公演日記を書き保存したが、ソフトの不具合でうまく保存できず、
2時間の労力は無駄となった。
あきらめてシャワーを浴び朝食をとりに2階へ。
朝食後部屋に戻って荷物を詰め、ロビーへ。
10時前に中村さんが迎えに来てコルマールへと向かう。
会場のキーネル城はお城と名が付いてるが昔の大豪邸といった感じ。
そこの別館にホールがある。
今回の公演でお世話になっている笹川日仏財団の伊藤朋子さんも
東京から駆けつけて来てくださっていた。
行くとすでにいすが並べられ、舞台も高座も照明もセッティングされていた。
事前にメールと電話で中村さんとやりとりしていたので舞台設営は完璧だった。
高座に毛せんを掛け、プロジェクターをセットしPCをつなぎ照明を調節する。
客席の照明やカーテンコールについて主催者側から質問が来る。
しかしカーテンコールは日本の古典芸能ではしないのでこれはなし。
客席照明もフランスの演劇公演にならって暗くした方がいいと言われたが、
噺家は客の顔が見えないとできないと、折衷案で薄暗くする程度になった。
11時頃から始めた設営は2時間ほどで終わった。
サンドイッチの昼食のあと、コルマールを少し観光。
コルマールはお菓子の家のような可愛らしい家が集まった、おとぎの国のような町だった。
町を歩いているとギャラリーのショーウインドウに僕の公演のチラシを発見。
よく見ると方々に貼ってある。
中村さんに聞くと予約でほぼ満席らしい。
観光の後また会場に戻って段取りを確認し字幕のタイミングなどもあるので、
一度通してリハをする。
落語の公演の場合、音響や照明のチェックはするが、
リハーサルなどと言うことはいっさいしないが、字幕のタイミングやしゃべる速度を確認するため
一度通してやってみた。
2時間ほどかけてリハと開演時の照明のタイミングを打ち合わせ、楽屋でスタンバイ。
開演時間は8:30。8時前にはお客さんがぞろぞろやってくる。
開演10分前には並べられた150席が満席になり、追加の補助席を出した。
10分ほど押していよいよ開演。
コルマール近辺には日本企業がたくさんあるらしく、
日本人もたくさんいると聞いていたので、客席は2割ぐらい日本人が埋めると思っていたが、
日本人率は非常に低く95%がフランス人。
アルザス地方の人はパリとは違ってシャイな人が多いので、
反応が心配と主催者は言っていたが、子供も行儀がいいしケラケラよく笑ってくれた。
満席の人と照明の熱で汗だくになりながら約2時間の公演は無事終了。
片づけをして車で打ち上げ会場へ移動。
アルザス料理とワインで初日を祝った。
今日の宿は主催者のアルザス欧州日本学研究所が持つ施設で、旧成城学園の女子寮。
成城学園は当地で全寮制の日本学校を開いていたそうだが、昨年廃校になったらしい。
寮の部屋へそれぞれ荷物を運ぶ。
福矢や風喬の部屋には寮らしく二段ベッドが置かれていたが、
僕の部屋は広くて一人部屋。衣装を持ってきた衣紋掛けに掛け、ベッドに潜り込んだ。
明日はパリへ移動する。



お菓子の家のような町並みのコルマール。
左から笹川日仏財団の伊藤さん、風喬、マイケル、
福矢、僕、マルコ。


アルザス欧州日本学研究所キーネル城。会場はここの別館。


客席は95%がフランス人。



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