2002秋 欧州公演日記
本文へジャンプ 9月24日〜10月3日 



9月25日(水) 欧州公演スタート


朝4:30頃目が覚める。
いつも海外公演では時差ぼけか睡眠時間が極端に短くなる。
おかげでメールを書いたりHPの更新の作業が出来ていいけど・・・。
9:15、荻野さんが迎えに来て、今日の公演会場のソフィア第18高校へ。
この高校はブルガリアで唯一日本学科がある高校で、
今日のお客さんはほとんどが高校生。
高校の職員、大使館の応援の人達と設営をする。
講堂の舞台にスクリーンを張り、字幕用のプロジェクターをセットし、
舞台袖に鳴り物スペースを作り、
机を二つ並べて毛せんを敷き高座を作る。
お馴染みの作業をてきぱき進める。
ブルガリアのテレビ局が取材に来たので開演30分前に着物に着替え、
取材クルー用にリハーサルがてら、さわりの部分を演じる。
11時半過ぎ、校長先生らの挨拶のあと開演。
小さな講堂で約120人ほどの生徒でほぼ満席。
すごくよくウケる。
高校生なのに浮気ネタの考えオチまでいい反応。
日本では中・高生向けに古典芸能鑑賞会として
よく学校寄席として行くが、こんなによくウケる学校はなかった。
海外公演でいつもやる「お玉牛」を終えて
楽屋代わりの教室で色紋付きから黒紋付き袴に着替えて2席目は「皿屋敷」。
こちらも前半の怪談部分も静かによく聞いてくれて、
ギャグも日本と同じ所でよく笑う。
終演後またテレビのインタビューを受け、茶道部の部屋を見学。
校長室で校長と談笑して遅い昼食をとりに市の中心部、
スヴェタ・ネデリャ広場近くのファミレスへ。
ファミレスと言っても、真っ赤なボディコン超ミニのウェートレスが
うじゃうじゃいるうれしいお店。
昼食後ホテルに荷物を置きに帰り、PCショップへ。
実は僕のデジカメは旧式でカードリーダーがないとPCに写真を取り込めない。
ところがその肝心のカードリーダーを日本に忘れてきてしまった。
荻野さんからバトンタッチした大使館の登さんに、
最近できたソフィア最大の家電ショップに連れて行ってもらう。
ブルガリアのヨドバシカメラのようなその店でも、
PCコーナーはそれほど広くなく、それらしい物はない。
店員に聞くとデジカメコーナーは別の場所だと教えてくれて、
そこにあるかも知れないと言う。
行くと10台ほどショーケースにデジカメが並び、
その下にスマートメディアはあるもののリーダーがない。
別の店員に聞くと来週入荷予定だという。
ブルガリアではデジカメはそれほど普及していないよう。
それに今のデジカメは直接PCに取り込めるし、リーダーを使うことも少ない。
仕方がない、リーダーは次のベルギーで探すことにする。
とりあえず当座の画像を撮りためるため、64メガのメディアだけ購入。
それから少し観光。
バルカン半島最大でもっとも美しいと言われるアレクサンダル・ネフスキー寺院へ。
中に入ると内部と大屋根は改修中だった。
外に出ると雨が激しく降り出し、散策できないので隣のイコン博物館に。
宗教画を集めた美術館みたいなもので、解説やタイトルが書かれていてもよくわからないので、
勝手に「坂田利夫」とか「3人レツゴー長作」などとタイトルを付けていたら、
福矢も同じように「清水一家」などとタイトル付けしていたらしい。
いったんホテルに帰りそれぞれ身支度。
今夜は大使公邸で大使主催の夕食会。
皆それぞれジャケット着たり、ネクタイ締めたり、こましな服装に着替えてロビー集合。
マルコは着物姿。
渋滞で少し到着が遅れ7時過ぎ公邸到着。
市橋大使と奥様が出迎えてくれる。
今日の夕食会の出席者は我々5人の他に、ブルガリアの人形劇団の主宰者エンチョさんと
夫人、友人2名。
テレビの子供番組の人気者エンチョさんは、親日家で日本語もかなり喋る。
大使公邸は想像してたとおり立派な公邸だった。
まず広いホールでソファーに座って水割りなど好きな飲み物を飲みながら談笑。
そしてダイニングへ移動。
給仕から座席表を見せられる。
僕は大使の右隣で、向かいの大使夫人の右隣がエンチョさん。
燭台にローソクが灯りゴージャスな雰囲気。
今日は日本食らしい。
大使に聞くと和食は珍しいとのこと。
夕食会は肩章付きの金ボタンの給仕が供する、本物のディナーだった。
食事しながらエンチョさんと僕がいろいろ話す。
エンチョさんは日本語がペラペラだけど難しい言葉はわからないし、
エンチョさんの友人は日本語が分からないので、通訳がブルガリア語になおしてくれる。
大使の左隣に座った荻野さんがブルガリア語を日本語に、
大使夫人の左隣に座った大使館のニコリーナさんが日本語をブルガリア語に訳す。
完全分業制。
国家元首同士の会談でよく見るスタイル。
料理はブルガリアで食べているとは思えないほど完璧な日本食だった。
聞くとブルガリアでは和食にあった食材が手に入らないので、
ウィーンから取り寄せているそう。
エンチョさんはとても陽気でよく喋る。
話は大いに盛り上がった。
大使に手拭いをプレゼントし、エンチョさんと友人には僕の写真入りのうちわと
大入り袋に入った千社札をプレゼント。
エンチョさんからはオカリナを頂いた。
福矢達は緊張でとても疲れたようだったけど、一生の思い出となる夕食会だった。



ソフィア第18高校講堂での公演。



大使公邸での夕食会。



中央が市橋大使夫妻、右側がエンチョさん夫妻、左端はエリザベットさん。



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