2002秋 欧州公演日記
本文へジャンプ 9月24日〜10月3日 



10月1日(火) 欧州公演最終日 〜自然の贈り物〜


朝9時前にホテル1階のレストランでひとり朝食をとっていたら、
ノルウェー女性が近づいてきて流暢な日本語で「小春団治さんですか」と聞く。
「そうです」と答えると、アンネ・ランデ・ペータースというその女性は、
落語の公演をやってるとは知らなかった。
今日はもうこれから東京に帰らないといけないので、聞けなくてとても残念だと言う。
アンネさんはこの「JAPAN 2002」に三島由紀夫の芝居の翻訳者として同行してるらしいが、
早稲田大学で落語を研究しているという。
すごく残念そうだったので11月29日の東京独演会の前に字幕公演をするので是非と勧めた。
ノルウェーのホテルで落語好きのノルウェー人に偶然出会うとは、なんたる偶然だろう。
10時半、ホテルのロビー集合。
今日は昼間民族博物館のペッター館長が町を案内してくれる事になっていた。
ロビーに行くと僕のことが写真2枚で新聞に大きく取り上げられていてびっくり。
ペッターさんの案内で劇場、図書館、美術館、教会などを見て回る。
3時頃町の中心部で解散し、僕はマルコと買い物できそうな店を見て回る。
4時過ぎ、いつもの大使館の車でホテルを出て博物館へ。
今日で最後なので開演前に博物館も見学させてもらうことにする。
オフ・シーズンなので3時に閉館するが僕らのためにガイドが一人残ってくれていた。
ここは広い敷地に古い家を移築した民族博物館で、ガイドの説明をマイケルが訳してくれる。
6時に会場に戻り準備。
今日は一般のお客さん。
狭い会場にいっぱいの70人ほどが座っている。
昨日よりいい反応。
終演後、欧州打ち上げとしてノルウェー料理を食べることにしていた。
大使館の長尾さんが民族博物館の隣にいいところがあるというので、そこを予約してもらっていた。
みんなで荷物を担いでゾロゾロ100m離れた隣のレストランへ移動する。
空を見上げると星がきれい。
天気がよかったし、ここは丘の上だからよけい星がきれいよう。
奥まった個室に通されトナカイのローストビーフ、ニシンなどを食べる。
トナカイは結構いける。
食事も終わり頃、表で待っていた運転手さんが寒いので中に入ってきた。
聞くと外は0℃ぐらいらしい。
デザートやコーヒーを飲み出すと運転手さんは車を暖めてくると言って出ていった。
しばらくして携帯がなり、すぐに外に出ておいでと言う。
精算を済ませて外に出て空を見上げると、
オーロラが出ていた。
青白いカーテンのような物が夜空でたなびいている。
大感激。
みんな空を見上げて笑ってる。
オーロラを見ると何故か笑ってしまうようだ。
もっと北の方で、もっと寒くないとオーロラなんて観られないと思っていた。
ノルウェーに3年も住む大使館の人もこんなオーロラ初めて観たという。
我々はなんてラッキーなんだろう。
欧州公演の最終日に、打ち上げが終わって店を出たとたんにこんな光景を観られるなんて。
一生心に残る最高の打ち上げ、最高の自然からの贈り物だ。
ホテルの戻ってまたまた福矢の部屋でサンブッカを飲み、
オーロラの余韻に浸った。
明日はいよいよ帰国。



地元紙に大きく掲載される。



博物館の中庭。



昔の倉庫が川辺に並ぶトロンハイムの街並み。



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