2001 英仏公演日記
本文へジャンプ 8月17日〜9月16日 



9月5日(水)シェフィールドの休日


朝7時前、B&Bで目覚める。
この部屋はダブルベッドの部屋とシングルベッドの部屋の二間あって、
僕がダブルで福矢がシングル。
8月17日のロンドンから今までずっと福矢と同室だったけど、やっと個室で眠れた。
ここは角部屋で2方のカーテンを開けると、両方の窓から広々した田園風景が見える。
シャワーを浴び身支度をして8時半朝食。
B&Bの朝食メニューはどこも決まってシリアルにトースト、
ベーコン、ソーセージ、たまご、焼きトマト、コーヒー、オレンジジュース。
ここはハッシュド・ポテト、マッシュルーム、豆が付く。
こっちの朝食は量が多いのでいつも朝から食べ過ぎてしまう。
10時頃300mほど離れたマイケルの家に。
午前中は洗濯したり、PCに向かって滞っているHPの更新、メールなどを送受信。
マイケルはPCと電話など仕事をこなし、福矢、マルコらは本を読んだり、のんびりしていた。
昼食後、ママに庭を案内してもらう。
家の裏には昔の馬屋や、納屋、ガレージに温室などがあり、
温室内にはトマトやブドウがなっていた。
マイケル宅は丘の斜面に建つ家で裏はずっと登りになっている。
柵の向こうは低い草が生え放題になった自然の土地で、ここも敷地内らしい。
その上に人の背より高いローデ・デンロンと言う木が植えられている。
ヒマラヤからイギリスに持ってこられた木らしく、きれいな花が咲き
イギリスではたくさん植えられているらしい。
その木をかき分けて進むとまた自然のままの土地に出る。
斜面の頂上の石垣までがマイケル宅の敷地で、石垣の向こうは畑だった。
ここからの眺めは、なだらかな丘陵を一目で見渡せる。
自然のままの敷地は至る所に穴がぽっかり空いていて、聞くと狸の巣だと言う。
昔は狐も住んでいたけど今はいないから、裏庭は狸の天下になってるそう。
自然の木イチゴがなり、とって食べるとほんのり甘くてうまい。
家の前の庭は芝生が敷き詰められ、花が植えられリンゴの木には実がなっている。
家の前は人の手を加えた庭で、そこから裏庭へは自然のままの庭になる。
これがイングリッシュ・ガーデンらしい。
夕方、みんなでマイケルの両親が入会しているスポーツクラブで泳ごうとなった。
僕たちは親父さんの海水パンツを借りることになったが、マルコはママの水着では合わない。
ママとマルコは水着を買いに出かけていった。
1時間ほどで帰って来たマルコに聞くと、町のひなびた洋装品店みたいな所で水着を買ったが、
選択肢が極端になく、仕方がないのでひじょうに布の少ない水着
(マルコに厳しく口止めされているので詳しく書けない)を買って来たらしい。
夕方スポーツクラブに行くとマイケルのパパはすでに仕事先から直行していて合流。
みんなでのんびり泳いだり、サウナやジャグジーに入ったりしてすごした。
8時からサッカーW杯予選、イングランド対アルバニアの試合があるので、
そそくさと着替えてレストランのスクリーンの前に席を陣取る。
大画面でサッカー観戦しながら食事をとる。
先日ドイツに勝ったし、格下のアルバニア相手なのでのんびり観戦。
なかなか点が入らずやきもきしたが、前半と後半終了間際に1点ずつ得点、
レストラン内に拍手が起こる。
家に戻って軽くビールを飲みながら、イギリスの有名コメディアン、
ビリー・コネリーのビデオを見る。
実は去年のエジンバラ・フェスの時、いろんな新聞に僕の記事が載ったが、
ヘラルド紙の見出しが「日本のビリー・コネリー」と言う見出しだった。
ひげを生やした長髪の親父だけど、英国で一番成功したコメディアンだという。
11時半頃宿に戻ってテレビをつけると、スタンリー・キューブリックの
ドキュメンタリーをやっていた。昨夜もやっていたがその後編らしい。
映画を制作順に振り返り、関係者の証言でその映画の苦労話、
当時のキューブリックの行動などが語られ、映画の一場面や撮影現場のキューブリックの
写真などがふんだんに使われている。
おまけに証言している人物がスタッフだけではなく、ジャック・ニコルソン、トム・クルーズ、
などのスターのほか、スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、ウッディー・アレンなど、
監督達も大物揃い。
実に見応えのあるドキュメンタリーでついつい見てしまった。


シェフィールドのマイケルの実家。


リビングルームから丘陵地帯が一望できる。



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