ナースの周りによくある話。 <ナースのイメージ> 大体どこに行っても職業を明かすとみなさんは特別な職業だと感じる人が多いらしい。 きたろうは17歳の頃から病院実習と云う現場に入り、下の世話から手術まで 見たり触ったりしている訳だからちーともそんなん感じないが、その辺が苦痛でなければ ちっとも特別な仕事ではないと自分は思っている。『白衣の天使』とよくいうけど、 奉仕の心のみでは胃や十二指腸に穴が開いて出血多量で死ぬのがオチだろうし、看護婦の 悪い評判や合コンでのイケイケぶりなんかも女性誌なぞに書かれる事もないだろう。 もちろん作業としてやらなきゃ行けない事の他に、今この人が1番苦しんでいる事を なるべくやわらげたり取り除いてあげたいとはいつも思ってる。 それがきたろうの仕事のポリシーの1つだから。
<スペシャルナースを目指す為に> 全くの他人の病気を看るには、病気になるまでに至った病歴を知らなくてはならないが、 それにはその人の歩んで来た人生を客観的に看て行く事になる。『おおげさな』と思う だろうけどホントの話。これが出来ないやつ程『使えない看護婦』になって行く。 会話の中で相手の1部ずつを繋ぎ合わせて人間像を作り上げて行ってるんだよ実は! 1人の人にのめり込み過ぎると、最終的にはその人の人生を背負う訳ではないので後でどっと 疲れる事になる。学生の時の受け持ち患者なんかは1人対1人なので24時間受け持ち患者の 事ばっかり考えてる。でも、社会に出たらそうは行かない。看護婦1人に患者30人て事も ある。全部を完璧に把握してられないけど、それでも毎日がどんどん過ぎて行く。 ま、患者さんとの距離の近い看護婦になりたいなというのが永遠の目標。
<健康診断大会> 仕事場以外の場所で看護婦だと解ると大体みんな自分の身体の不調を訴える。 最近腰が痛いとか膝がおかしいとか言うならまだいいとして、会社の検診で尿に糖が出た とか言われても困るんだよねー。『まづは病院へ行け!』っての。病院へ行っても治らないの がほとんどの病気だけど、みんなすっきり治るもんだと思ってるから尚困る。風邪だって バカに出来ないんだから、ひどくなってからじゃ治るものも治らないよ。 頼むから『交通事故したんだけどどうしたらいい?』とか電話して来ないでくれ!! 
<時間外救急> 病院にいる時以外にも患者さんに出くわす事が有る。例えば『鼻血』。こいつは結構バカに 出来ない。一般人はなぜか鼻血の止め方を間違って認識している人が多い。仰向けに寝かせて みたり、ひどいのになると後頭部をバシバシチョップするやつもいる。鼻血の場合椅子に 座ってもらって、臭い時鼻をつまむ容量で鼻をつまみ、うなだれた形で下を向いて血を飲ま ないようにするだけでたいがい止まる。止りが悪ければ首を少し冷やしても良い。 きたろうはたまに鼻血が止まらずに困っている人に出くわす。今まで3人くらい出くわして (やあっぱりチョップしたりしているのを見て)、見兼ねて止めてあげた事が有る。 それから、去年の11月にフロリダ旅行があたって飛行機に乗っていた時の事。 きたろうは英語はさっぱりなので良く解らないが、どうもアナウンスでドクターを捜して いるらしい。その日合ったばかりの他のメンバーの人で、隣に座っている竹田君にちらっと 聞いてみるとやっぱりそのようだ。周りを見てもどうも立ち上がる人はいないし どうしようかなあ〜、英語わかんないけどーなんて思っていると、男のスチュワーデスさんが 通り掛かったので思い切って『I am Nurse.May I help you?』と聞いてみた。 そしたら英語でこちらへどうぞ見たいな感じだったのでうわーどうしよう〜!とか思いつつも 行ってみた。患者は日本人で(助かった!)、どうも朝早くからバスで空港まで来たけど、 バスに酔って寝不足のうえ食欲もなくてばてているらしかった。脈拍をとると非常に弱くて 遅い。多分血圧が下がっているだろうなと思って、少し酸素を吸わせて最終的には あったかくして横にさせて落ち着いた。ジェスチャーで酸素と血圧計を頼んだり、英語が しゃべれたらなあとつくづく実感した。席に戻ってくると同行者が冷やかすわなんだわで ちょっと照れた。その後のスチュワーデスさんの態度が面白かった!綺麗な女の人だねとか 言ってたら、廻って来た時に隣の竹田君にはジュースをバーンて置いてつーんとしてて、 私にはにっこりしておかわりはいかが?みたいな感じで優しいの。竹田君はそれでぶーぶー! 竹田君いわく、英語をしゃべれない日本人をバカにしたようなところがあるんだけど、 外国でのナースの地位が高いからなんだろうって。なるほどね、ちょっと得した。
 <とんだ勘違い?> 入院患者さんに優しくしたり世話をしたりするのはナースの仕事な訳だが、まれに これを『自分の事が好きだからやってくれている』と勘違いする奴がいるもんだ。 大体今まで女性に優しくされるどころか接した事もないような環境の人が多く、女性が 自分に毎日笑顔で話し掛けるような事はなかった人が起こしやすい大間違いなのだ。 電話番号を聞いたり、退院したら飲みに誘うなどがナースを口説くセオリー(笑)であるが、 成功する例もあるがもちろん失敗すると二度とそこのナースステーションには顔をだせない 事は間違いない。退院してから黄色のバラの花束をもって参上し、うなだれて帰った 可哀相な人を見た事が有る…。あの人、良い人だったけどねえ。