ホントにあったこんな話。その1 今年できたろう早くもナース9年目となり、ああもうそんな?って位 ナースやってます。最近はドラマやマンガで医療関係のものをやってるので 結構この業界も知られて来ていますが、ホントにそんな事が?と言う話が あるもんです。きたろうの数少ないそんな話を思い出しつつ書いて行きます。
<坐薬> 坐薬って知ってますか?お尻から入れて吸収させる、解熱沈痛剤の事です。子供の頃は よく使っただろうと思いますが、ロケットのような形のアレです。 これは、字を見ると坐ると言う文字があります。 おじいちゃんおばあちゃんなどは、先生の話等に返事をしたり相づちを打っていても 聞いているかどうか(または聞こえているかどうか)は怪しい事が大半です。 高齢で無くても、先生の前だと緊張して聞いた事を忘れてしまう人も居ます。 そんなこんなで私が坐薬を渡した患者さんは40代の主婦でしたが、 年令も年令だし、先生からの説明も受けたと言う事だったので 『御自分で出来ますか?』と聞くと『はい。』とにっこり答えたので何の疑いもなく その人に坐薬を渡したのです。そしてラウンドに向かい、その患者さんの病室の前を なにげなーく通り掛かった時に、見てしまいました…。丁寧にパッケージから出して 坐薬を『座って飲んでいる』のを。(T-T)
<患者ナース> たまーに看護婦さんも入院してくる事があるもんです。(きたろうも例外に非ず。) ナース相手だとちょっと緊張してやりづらい所も有りますが、忙しさを理解してくれる うれしい患者さんだったりします。ナースの癖に下らない事にすごいこだわる人も居ました。 点滴にほんのちょっとエアーが入っていただけで『あっ、エアーが!エアーが!』とか 大騒ぎしちゃってたり、『フェログラは便が黒くなるからやだ!』とか我がまま言ったり。 点滴の細かいエアーは心臓で吸収されるから死にゃあせん!25ccの注射器でどばっと 入れられりゃあそりゃ死ぬだろうがな!フェログラとは、フェログラドゥメットと言う 内服薬で鉄剤の事。鉄がすくねえから飲めって出されたんだろ!副作用で気持ち悪い ってんならともかく、黙って飲みやがれ!!ぐらいに思っていますが、そこは営業用 スマイルなきたろうなのでした。(-"-)
<パーツのおもいで> きたろうが某大学病院に勤めていた時の事。研修であちこちに1ヶ月間づつ修行の旅に 出される訳で、Ope室に行く事になりました。その日の手術は事故でぐちゃぐちゃになった 足を何回も手術したけど結局切断する事になった例でした。手術は、執刀医と介助の医者が 数名(この人は切った皮膚を広げる鈎と言う器具を持っていたり、血液や生理食塩水と言って 血液や体液に近い水で洗った後の液体を吸引したりする医者です。)と、痲酔をかける医者、 手術器具を医者に渡すナースが一番患者さんに近い所にいて、その周りにガーゼの枚数や 重さをカウントしたり、尿量や血圧を計ったり記録したりするナースで大体構成されます。 大学病院の場合、その周りに新米の医者がいて、さらに医者の卵や今回のきたろうのような 修業中の者や看護学生などがいたりするわけです。 さて、手術は順調に進み、きたろうはガーゼ拾いや尿量チェックを手伝って外回りを していると、切断された足を『ほれ、お前ら量れ。』と介助の医者が新米ドクターにドスッと 手渡したと思ったら、渡されたドクターが足を持ったままバッタリ後ろに倒れてしまった のです!目の前で突然倒れられたのでびっくりして駆け寄ると、そのドクターは 見事に白目を向いて真っ青でした…。みんな呆れるやらドクター片付けるのに大変だわ 余計な仕事が増えてブーイングの嵐。仲間のドクターが慌てて引きずって行ったのでした。 足は仕方なく、一番そばに居たきたろうが重さを量ったのでした…。
<二日酔いの悲劇> Ope室の話題をもう1つ。大学病院のOpe室には無菌ルームと言って、感染症 (B型肝炎とか梅毒とかエイズなんかのこと)のある患者さんや、抵抗力が弱い患者さんの 手術で使用する部屋が有ります。その手術に携わる上記の患者さんに一番近くにいる人達は 宇宙服のような滅菌服を来て、頭には全面だけ透明なFRPが付いたヘルメットの様な物を すっぽりかぶって作業する訳です。ある日の無菌ルームで、前の晩から朝方近くまで 先輩に付き合わされた哀れなMドクターは、介助に付きながらもふらふらしていました。 『大丈夫かよー』なんて言われながらも、外科医は体育会系。逆らえないので、見るからに ヤバそうですが、『大丈夫です!』とか言っちゃって…。手術も後半となり、後は閉じて 終わりと言う所でMドクター、すうっと後ろに下がったと思ったらゲロゲロゲー! 何とヘルメットの中は…。みんな一瞬絶句したと思ったら、『うえー、まじかよー』状態。 脱がせるのを手伝うナースも大迷惑と言うもの。語り種になったのは言う間でも有りません。
<耳の中に虫が!> 救急外来に救急車で耳に虫が入ってしまった30代の女性が運ばれて来た。 耳に虫が入ったら部屋を暗くして懐中電灯で照らせばでて来るって、小学校で習ったろう? と正直言って思ったが、まあ仕方が無い。大抵救急車はしょぼい事で呼ばれるのが八割を 超えるものだ。到着するな否や、女性はもう狂ったように大騒ぎ!「きゃぁああっ、虫が、 虫が!寝ていたら耳の中に!!ああっ〜中でガサガサ動いてる!!」まったく精神科か? 夜はそして精神科の患者もそれらしい人も多い。先生はいたって冷静に 「では見てみましょう」と言って患者を座らせてペンライトでのぞきながら、「いたいた」と 摂子で『それ』の一部を取り出した。1つ、また1つ…。それらは小指の爪の 半分くらいの物で、それぞれが茶色くて……ん?このテカテカした感じ…、どこかで見た ような………も・し・や…?救急隊も私達もかたずを飲んで見守っていた。3つ程それらが 取り出されたと思ったら、すでにみんなが予想できていた正体の同体と思われる部分の 下半分だけが出て来て、「ほれ!」と先生がポイとばかりにそいつを膿盆に出した!! 「ひいいいいい〜〜!」みんながごぉっと息を吸い込んで声にならなかった!思わず 腰を抜かすかと思う程であった(大汗)明らかに『足』と思われるものが取り出された 物体には4本付いており、微妙に動いている。必死に残りを捕ろうとしたが、耳鼻科の 診察台で特殊な機具を使わないと捕れないと先生は説明し、患者に捕れた物体を見せて (見せない方が良かったのでは?と思ったけど)今日の所は引き上げてもらった…。 貞子よりも恐ろしかった…。
<腐った身体は何より臭い> 車椅子に乗った若者が家族と共に救急外来にやって来て、足が痛いと言う。 何やら右足に茶色い布をぐるぐる巻にしてある様子。左足は足先が切断されていて 糖尿病があるらしい。若いのに管理が悪かったのね。カルテを見ると左足は労災扱いに なっている。仕事場でやった怪我が糖尿病のせいで治らなくて切断までする事に なったみたい。でもそれって途中からは労災じゃ無いんじゃん?と思いつつ救急外来の中が 異臭で包まれているのに鼻の悪い私でも気付くのにそう時間は掛からなかった。 それじゃあ見てみましょうとズボンを脱いでもらい、痛い所は茶色い布の下らしい。 手袋をして布に手をかけると…?これは包帯??もしや茶色いのは浸出液?ぐるぐると それを外して行くと、中から激臭を放ったぐちゃぐちゃに腐った膝から下が現れた!! あまりの匂いに周り中が「ぐぁ〜!」と叫んで誰もが大急ぎでマスクとガーゼを何枚も マスクの下に重ねて防備し、窓を全開で空けに行った。婦長ですらあまりの匂いにトイレに 駆け込んで吐いていた。先生も一瞬絶句して顔を歪め『こ…これは……』と言葉をなくした。 「足は切らなきゃダメだね」今すぐにでも早く処置しなくては命が無いのは目に見えている。 とりあえず消毒をしてみようと足の下に紙おむつを敷こうと足を持ち上げると、 ごっそり足の肉が崩れ落ち、どろどろの激臭を放つ肉片の下から所々骨が覗いた。 ぎぇええええ〜!心の声は絶叫していたが、「先生、消毒は無駄です…」とつぶやいていた。 『こんなになるまでなんで放っといたんですか!?』その問いに家族は、「言う事全然 聞かないんですよね〜」とへらへら笑っている!何ですか?そりゃ!? 本人は左足の事で仕事も失業し、最近やっと仕事が見つかったので病院になかなか来れなくて 右足もやばそうなのはわかっていたけど仕事のチャンスを逃したく無かったらしい。 そりゃあ初めは不慮の事故からの不幸だったかもしれないけど、糖尿病だけは本人の管理が 100%悪いものだからちょっと同情する気にはなれなかった。そしてここまで来ても 右足まで切りたく無い等と言っている本人にスタッフ全員が呆れつつも、無理矢理にでも 承諾してもらって太股の上の方からの切断が決まった。患者がOpe室に運ばれた後の 片づけが終わっても異臭は鼻から離れず、夜勤の私達は交替で白衣を着替えに行った。 診察台のシーツから何から全部変えたが匂いは取れないし、階段を昇ってすぐの病棟などは 『この匂いは何だ?』と電話をかけて来る始末。この後仮眠などできるはずも無かった…。 生半可なスプラッター映画より本物は迫力ありすぎ。何しろ五感に訴えるからね。