限定解除しちゃったのよね。 <キチガイな日々> 中免をきたろうは取得して2年半きたろうは、運動音痴なのを自覚していたので 鮫津の講習会に行ってみたり、箱根の七曲がりにワインディングの練習に行ってみたり、 駒沢公園や砧公園などに超〜〜上手い男の子に無理矢理ついてって、8の字やUターンの 練習をした。身体が覚えるには他人の倍時間が掛かる事が分かってたので 他人の倍乗れば良いと思ってガンガン走りにも行った。それだけバイクが好きだったし、 男の子達にもキチガイと言われた。   <きっかけとなったスカした奴> 井坂ときたろうはよく昼夜問わず西湘バイパスの国府津PAに走りに行って帰ってくる コースがお気に入りだった。もちろん信号がある度に04になった。 そのうち22:00頃よく来る連中でチームが出来た。みんな走る事が大好きな奴等 ばっかりで、集まると芦ノ湖まで連なって行ってはラーメンのコースだった。   そのうち周りの自慢したがり〜のスカした連中が限定解除風(どんなんや)吹かせて 一緒に集まるようになった。最初から一緒に居た連中は大型も多かったけど 何も言わずにきたろうにバイク貸してくれたり、交換して乗ってみたりしたもんだ。 女の子が免許なくても大きいのを乗り回して喜ぶのが珍しかったのかも知れないが、 大型がないからってバカにされた事は1度たりとも無かった。それが、後から来た 連中は、いかにも限定解除出来たのが偉いかのような口振りで、集まる度にトークに 花を咲かせている。それが悪いとは言わないし、勝手に喋ってりゃあ良いものを、 きたろうがデカイの乗り回すのにケチ付けて来た。『はあ?そんなに限定解除すりゃ ヒトに説教たれてオッケーになるワケ?んじゃあ、採ってやろうじゃん!!』 峠走りゃあタイヤ変えたばっかで滑るだの、エンジンがデカイからカバー擦るだの言って ろくにバンクさせる事もできないお前に一言でも意見されたくないね!!   <教習開始> きたろうはそれから2ヶ月で限定解除した。 とりあえず三ツ境の教習所に申し込みをした。10時間コースと女性向け15時間コースが あって、迷ったが15時間にしておいた。そのころ車の免許がまだ無かったので、学科も 少し時間を取られた。教習所は面白かった。倒しても大丈夫なでっかいバイクがいっぱいで わくわくした。いつも(寒かった事もあって)革パンに革ジャンで行って、気合い入ってるね と教官に言われた。もちろん気合いは入っていた。スカした連中に負けたく無いからだ。 初めの1ヶ月は自分で走ってる時も教習状態だった。 確認と減り張り、右足は地面に付けない練習。ミラーと後方黙視、発信の時にサイドスタンド を払ってから乗る。ウインカーは黙視確認後30m手前で出して、もちろん確認後にブレーキ して超ースローリーなカービング(笑)。キープレフトは1m以内に。車がいない時は 白い線は一本橋の練習。夜はもちろんパイロン相手に8の字。休みの日は玉川の土手に CB750FB借りて重さに慣れる練習。センタースタンドと引き起こしの練習もした。 家に帰ったらペットボトルに水を入れた奴で上半身の筋トレ。   <事前審査> 1ヶ月経った頃に二俣川に事前審査に行く。 引き起こしと(腰にバイクを当てないで)8の字の取り回し、最後にセンタースタンドが 無事出来れば合格。そして、追って試験日の予約をする。コースは三ツ境で説明されているが 初めてその時目にしてコースの紙をもらってくる。8の字は微かな傾斜になってて 半分が辛い。押すスピードが落ちて『ほらそこ、どうした〜』と教官から活が飛んで、 『はい!』とガッツで返事はしたもののしんどいわー!それでもかろうじて合格…。   <はぢめての本番> いよいよ本番1回目。朝早くから気合いの入った連中がいっぱい並んで受付の窓が開くのを 待っている。緊張で胃が痛くなる。受付で今日自分が走るコースが決まる。1コースだ。 1コースは完璧…だと思う。とりあえずコースに出られるので紙を見て自分の行動を 確認しながら何度も歩く。待ち合い室に入ると緊張に輪が架かり、トイレに何度も行った。 そのうちお腹は下して来るし(爆)手は汗ばんで冷た〜くなってくるし、友達としゃべってる 人を見て、1人でじっと待つのは辛いなと思った。 集合で並ぶと、80人位の中女の子は2人しかいなかった。教官は免許証と名前とを 確認しながら1人ずつの前をゆっくり歩く。きたろうの前に来て突然 『コースきちんと覚えなさいね。』と声をかけた。それがさらに緊張度を倍増させた。 4つのグループに分けられて順番に走って行くが、完走出来るものはあまりいない。 いざ、きたろうの番になる!一方通行の無線で名前と番号を呼ばれて手を挙げて監視塔に 合図をし、走り出す。だが、自分でも解る程まるっきりダメだった。 左に寄る事が出来ない。スロットルが開けられない。それでも女の子だからだろう、 課題走行を半分までやらせてくれた。そして『はい、帰っていいよー。』…情けなかった。 最後に今度受ける時も使う(何度受けたか解る)わら半紙を受け取る時に、 『減り張りが足りなかったね、今度は頑張って。課題は良かったよ。』と教官に言われた。   <根性の2回目> 緊張し過ぎたから、何がどうだかさっぱりでどうしようもないなと思い直し、 ホントは1回落ちたら三ツ境で2時間くらい教習に来なさいと言われていたのだが、 悔しくてすぐに次を受けに行く。 何とラッキーな事に今回も1コース♪『いえー』なんて一人でほくそ笑んでいた。 一応コースもまた歩いておく。待ち合い室に黙って立って待っていたら、背丈もそんなに 高く無い男の人が(多分年上か?)話し掛けて来た。『何回目ですか?』そんなに 悪い人でもなさそうかな。『2回目ですー』などと話ながら、緊張もすこしほぐれてくる。 その人は初めてで緊張しているらしかった。前回は手も冷たくて失敗したので丸ッこいカイロ を持って来た事など話していると、背のたかーい兄ちゃんも話に参加して来た。 その人も1回目らしいのだが、アメリカで大型に乗っていたと言う。ほほー、じゃあ重さにも 慣れてるし有利なんだろうなあ、足付きもよさそうだし。などと思って聞いていた。 背の高く無い人の方は完走出来なかったらしく、きたろうの出番より先に帰って来て、 『いやあ、ダメでした〜。頑張って下さいよー!』と笑顔で言ってくれた。なんとなくそれで 緊張がすっかり取れた気がして試験に望む事が出来た。今度は肩に力も入って無い感じ? 加速も減速も思う通りに。そして難関の一本橋は、落ちて失格よりも減点を選んで 早めに通り過ぎる。良い感じ!あとはここのカーブを曲がれば外周で完走!! 周りは誰もいなくなってた。きたろうは最後の方だったけど、多分完走者がいなくて最後に なったらしい。最後のカーブを曲がると、2種免許の試験が始まってて、止まれの所で ちゃんと確認して無かったタクシーが出て来ようとしてるぞ!こりゃあ無理せず止まるのだ! 左側に一時停止して待ってタクシーを行かせてから(多分この人落ちたろうなあ)後方確認 ちゃんとして外周を走り終わる。スタンド掛けてエンジン切って、監視塔に深々と頭を 下げるとさっきの兄ちゃんが待っていて、『すごい!完走ですよ!!』と言ってくれた。 そこで初めて『あ、完走出来たんだ!』って実感が涌いた。ところが喜んでいる所に 監視塔から教官が走って来て、『おーい、お前なんであそこで最後止まったんだあ?』 と息を切らして聞かれ、事情を説明した。どうやらそこは監視塔から死角になっているらしく、 減点対象になるかどうかと言う事らしい。それでも、受かったらもうけもんぐらいな感じ だったし、何より完走出来た事が嬉しかった。 ちなみにアメリカで乗ってたと言う背の高い兄ちゃんは、みごと1本橋で落ちてたそうな。 発表までずっとどきどきしながら待っていてくれた兄ちゃんとバイク談義に花を咲かせて いた。いよいよ発表。やっぱり今回も70人近くの人が受けていた。 しーんとして合格発表が始まった。そしてきたろうの名前が呼ばれた!『あ、はい!』 わっと周囲が拍手してくれた。あの兄ちゃんもにこにこしていた。思わず周りの皆にも ぺこぺこと頭を下げる。背の高く無い兄ちゃんと握手した。こんなにみんなに拍手されると 思わなかったので嬉しくて涙が出た。その兄ちゃんのおかげかも?それっきり連絡先も 名前も聞かなかったけど、あの人免許取ったかな。。。    結局三ツ境では7時間しか乗らなかった。それでもお金は帰って来ないので、10時間の コースでも良かったなあ。ま、たまたま運が良かったっつー事もあるしね。 意外にみんな一発試験って簡単なのに行きもしないで、ネコも杓子も教習所ってのが多い。 女の子はまあ、じっくりと練習したいってのは解るけどね。今日びのお兄ちゃんや おっさん(笑)達には、是非一発で狙って欲しいなあ。男だろ!気合いだぞ!! 女の子はゆっくり取ろうね〜♪そんでゆっくり走ろうぜ〜。 それでもきたろうだって20回は二俣川通うつもりだったんだからね。 免許だけじゃないけど、取りたい人いたら一般道でみっちり普段もやって見て! そしたらだいじぶよん。あとは気合いで(笑)   ここまで読んでくれた方、スペシャルサンクスです♪