シンポジウム 「魚のすみやすい川をめざして」

『発表』

漁業協同組合の取り組み

組合長川崎河川漁業協同組合組合長


 私は漁業協同組合員としての年数は28歳からですので44年になります。その中で役員の経験は6年です。組合長は未だ3年で何事も初めてのなので皆様方のご理解と御協力をお願いします。本日の話題は、漁業協同組合の取り組みと、現場の立場から川崎河川漁業組合の活動について報告をさせていただきます。
 先程、パネルで多摩川の紹介がされていて非常にきれいに映っておりました。多摩川は神奈川県と東京都の両都県の中を流れている川です。全長は138 キロと言われております。水源地は山梨県で塩山市の一ノ瀬 笠取山となっております。私もまだ行ったことがないのですが、「多摩川を語る」写真集に書いてあります。この多摩川の全長138キロのうち、河口より30キロが川崎河川漁業協同組合の漁場でございます。そして東京都の漁業協同組合と共同漁場となっているのです。川崎市もこの多摩川のことを「母なる川」と呼んでいます。川崎市をここまで育ててこられた大切な川です。私達漁業協同組合が大切に守っていきたいと思ってるところでございます。
また、「多摩川は語る」の本の中に「」偉大なる川多摩川・清き流れの多摩川そして漁師は経験と工夫を積み重ねた、悲しみと喜びの思い出をいま時の流れを超えて多摩川は自ら語りかける」と、残されております。私はこの詩を読んで多摩川という川はよい環境の中を流れている川で流域の人たちに知恵を与えてくれた川と思います。しかし、急流のため時には洪水をおこし尊い生命を奪われることもありました。今では時の流れを超えて江湖の人々に多摩川は自分から語りかけていると思います。
 次に多摩川のアユについて報告させていただきます。多摩川のアユと喜ばれた時もありました。しかし、数年前までは天然のアユはいませんでした。今は違います。水も綺麗になって来て、稚アユも東京湾から遡上していると東京都の水産課では言っています。今年も3月16日より調布堰の下流に小型の定置網を設置して調査を行う予定です。アユが遡上してくる間行います。採捕したアユは数と大きさを確認して上流に放流します。
 それと、マルタウグイという魚は皆さんもご存じの方がおられると思いますが、昔は多摩川にたくさんいて、非常に賑わったという話がありました。川崎市ではマルタ会という会を作って8年間、マルタウグイを放流し続けてきました。3年ぐらい前から結果が出てきて、今はマルタウグイが非常に多く遡上してまいります。数はわかりませんが魚道のところではコイの滝登りみたいで、船の中にも飛び込んできます、そんな勢いで遡上しています。これは本当に見事なもので、多摩川はマルタウグイだけは昔の川に返ったなと喜んでおります。
 次に放流事業についてお話しします。川崎河川漁協ではコイ、フナ、ウグイ、ウナギ、アユの放流をしております。これらの魚の多くは稚魚で放流します。この中で、コイ、フナ、ウナギはできる限り子供たちに参加してもらい一緒に放流することにしております。そのためには、学校の先生方、またPTAの役員さんにもいろいろご協力をいただいて、体験学習としてやっております。その結果、魚と多摩川をよく知ってもらえました。このようなことを通じて昨年は中学生が、地元の中学校でございますけど、6回も多摩川の清掃をしてくれました。今年も各関係の皆さんに連絡をとって、大勢の力で多摩川を守っていきたいと願っています。
 昨年の多摩川宿河原の工事についてですが堰の上流の所を魚類の生息に適した工事が出来上がりました。水辺には大きな石を組み、魚達が隠れるようになっています。まだ工事中の所もありますが一度見学に来て欲しいと思います。工事は行った建設省、工事関係者も喜んでくれると思います。
 昔は湧き水の出ているところがたくさんありました。特に山の麓によく見られ、そこがメダカのすみかでした。残念なことに今はそのようなところがなくなってしまいました。
多摩にも私達の子供の頃はカジカ、シマドジョウ、ギバチ、ヤツメウナギなどがたくさんいました。現在では私達の漁場では見たことはありません。しかし、多摩川の支流の三沢川の上にはアブラハヤ、ドジョウもいると報告があります。一日でも早く昔のような水のきれいな多摩川になるよう私達組合員も願っております。
 本日は多摩川の話を聞いていただきまことにありがとうございました。終わりといたします。現状の報告にさせていただきます。どうもご清聴大変ありがとうございました。

 

    (神奈川県個人保護条例第10条第2項の手続きをとっていないので個人名は表記していません)


シンポジウム「魚のすみやすい川をめざして」より