フーテンをすすめるうた
(永島慎二詩)


まず 親をうらぎれ
つぎにきょうだいもあったら うらぎれ
いまきみが 中学生だったら 勉強を投げだせ
高校生なら 学校をやめてしまえ
話はそれからなんだ
もしきみが
本を持っていたら それをたたき売って旅にでよう
けっして働くな 勉強するな
努力なんかも おさおさするな
そこで きみは
自然が すでにわれわれを
けっして 楽しませてくれるものでないことを 知るだろう
そこで きみは
おのれが 自然の一部であることを はじるだろう
そこで きみは
いのることを知るだろう。
あそべ あそべ 力のかぎりあそぶのだ
金を盗め 友情を盗め 女を盗め
元気のないやつは ふんずけていけ
そして傷つけ 血を流せ
その血を 大地に吸わせることこそ
愛なのだ
ということを知ったとき
きみは ひとりのフーテンに進化する
フーテンばんざい
なんにもするな 気にするな
あそべ あそべ ただあそべ



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