宮崎弁若者用語講座 初級編

まず、よく使うことばを覚えよう
(品詞に間違いがある場合は教えて下さい。国語は苦手なもので…)

てげ 副詞
とても、の意味。「超」や「すっげー」なども使うが「てげ」もよく使う。
<例>てげ大きい(とても大きい)
こっせん 終助詞
文末につけ、相手に同意を求める。「〜じゃない?」「〜と思わない?」と同意。
<例>それ重いこっせん?(それ重いんじゃない?)
よだきい 形容詞
面倒だ、の意味。「だりー」(下を参照)もよく使われる。
<例>それをするのはよだきい(それをやるのは面倒だ)
だりー 形容詞
だるい、の意味。よだきい、とほぼ同意。
<例>今日は暑くて、体がだりー(今日は暑くて、体がだるい)
はよ 形容詞(変化形)
はやく、の意味。使わないひともいる。
<例>はよ言ってよ(はやく言ってよ)
なんか 副詞
なんだか、の意味。
<例>なんかいい感じ(なんだかいい感じ)

応用1 これらの言葉を使って、文章をつくる

てげよだきいこっせん?
とても面倒だと思わない?
なんかてげだりーこっせん?
なんだかとてもだるいと思わない?
はよ行きたいこっせん?
はやく行きたいと思わない?

言い換えの法則

宮崎弁には、特定の言葉だけでなく、文中の単語の形が変化するものが数多くあります。標準語対応表を見てもわかるように、言葉自体がちがうものは、意外と少ないのです。どれくらい宮崎弁に親しめるかは、この言い換えの法則をどれくらいマスターするかによります。代表的なものを例文を見ながら覚えていきましょう。

ちょっ(ちょる) 過去形は「ちょった」
「〜ている」の言い換え。あらゆる場合において使える。
<例>テレビ見ちょっ(テレビを見ている)
ちょく(ちょっ)
「〜ておく」の言い換え。「ちょっ」はお願いする場合に使う。
<例>これ洗っちょくね(これ洗っておくね)
かい(状態・理由)
状態・理由をあらわす「から」の言い換え。
<例>しばらくここにいるかい行っていいよ(しばらくここにいるから行っていいよ)
かい(起点)
起点をあらわる「から」の言い換え。
<例>朝かい出かける(朝からでかける)
よ(よね)
「ね」や「さ」といった、文の区切れ目につける
<例>今日手紙出しちょったかい。(今日手紙出しておいたからね。)
やかい
「だから」の言い換え。名詞の後ろにつき、理由を述べる。
<例>今日は雨やかい、傘がいるよ(今日は雨だから、傘が必要だよ)
かい
「から」の言い換え。動詞や形容詞の後ろにつき、理由を述べる。
<例>これ重いかい置いて行くわ(これは重いから置いて行くね)
(っ)ちゃ
「んだ」「だ」「だね」の言い換え。直前の動詞が変化する「ん」は「っ」になる。
<例>新しい靴かったっちゃ(新しい靴かったんだね)
わー
「ね」の言い換え。「ちゃ」と組み合わせると「だ」「だよ」の意味になる。
<例>私、明日出かけるっちゃわー(私、明日出かけるんだ)
(っ)ちゃわー(特殊)
「〜のに」など、事実が自分の意思・考えに伴っていない場合に使う。
<例>あんたが言ったっちゃわー(君が言ったのに〔不本意だ〕)
文末につけて、自分の意見を述べる。
<例>この服、高い(私、明日出かけるんだ)
(疑問)
疑問「の?」の言い換え。
<例>いっしょに行く?(いっしょに行くの?)
とや
文末につけ、疑問を表す。「と」よりも少し投げやり・憤慨した言い方。
<例>これ中身入っちょっとや?(これ中身入ってるの?)
(と)(っ)と(伝聞)
伝聞。直前には「と」がつく。過去形動詞の場合はまれに「っ」がつく。
<例>これいい匂いやとと(これはいい匂いらしいよ)
てー
「たい」の言い換え。希望・願望を表す。
<例>遊びに行きてー(遊びに行きたい)
かー(けー)
文末につけ、疑問を表す。
<例>今何時かー?(今何時?)
やろ(ちゃろ)
「だろ」の言い換え。疑問。「や」を「ちゃ」に変化できる場合は、変化させる。
<例>明日雨やろ?(明日雨だろ?)
けん
逆接・単純接続「けど」の言い換え。後ろには「よ」がくる場合が多い。
<例>私が言ったっちゃけんよ(私が言ったんだけどさ)

特殊形

宮崎弁には、文を構成する上で、省略されたり、形がかわったりする言葉・助詞などが数多くあります。ここではそれらを覚えましょう。

「を」の省略
目的語を明らかにする「を」は、基本的に省略する。
(例は省略します)
「が」の省略
主語以外につく「が」は、基本的に省略する。
<例>ラーメン食べたい(ラーメンが食べたい)
「は」の省略
文章の内容を明確にする場合につける「は」は、基本的に省略できる。
<例>今日暑いらしいよ(今日は暑いらしいよ)
「に」の省略
補語につく「に」は、基本的に省略する。まれに「ん」に変化する。
<例>いっしょ行く?(いっしょに行く?)
命令文における「さ」の省略
「しなさい」「見なさい」などにおいて、「さ」は基本的に省略する。
<例>こっち来ない(こっちに来なさい)
「の」で終わる名詞の「ん」への変化
「の」で終わる名詞は、その「の」は基本的に「ん」に変化する。
<例>飲みもん(飲みもの)、買いもん(買いもの)、馬鹿もん(馬鹿もの)
変化して語尾が「の」になった代名詞の「ん」への変化
具体的には、例にあげる4つ。
<例>こん(この)、そん(その)、あん(あの)、どん(どの)
所有・所在を表す「の」の「ん」への変化
所有・所在を表す「の」の次に何か言葉が来る場合、「の」は「ん」に変化する。
<例>おれん家(おれの家)
「かい」で終わる形容詞の「けー」への変化
「かい」で終わる形容詞は、その「かい」は基本的に「けー」に変化する。
<例>たけー(高い)、でけー(でかい)、あったけー(あったかい)
疑問詞「何」の不変
疑問詞「何」は、いかなる場合においても「なん」と読む。
<例>今日なん食べた?(今日何たべた?)

応用2 ここまでに出てきたことをフルに使って、文章をつくる

明日よね、何時集まればいいっちゃったっけー?
明日さぁ、何時に集まればいいんだったっけ?
はよ宿題しちょけばよかったっちゃわー。
はやく宿題をしておけばよかったのに。
なん言っちょっとや。
なにを言っているんだ。
なんかよね、今月てげ金使ってかいよ、まじ金ねーっちゃわー。
なんだかさ、今月すごくお金を使ったからさ、本当にお金がないんだよね。

初級編は以上で終わりです

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