エピソード27 

3・2・1・ダァ〜ッ

 関西空港発、ロンドン・ヒースロー空港行きのその日系航空会社の機材は、無事十二時間の仕事を終え、最終の着陸態勢に入っていました。機内のスクリーンには田園風景とその中に縦に延びる1本の線。その線が徐々に大きくなってきて、さあ滑走路に着陸です。
「んっ?」(何か、滑走路が迫ってくるスピードが速いぞ?…国際線の飛行機って、離陸時は燃料たくさん積んで重いから離陸が遅いっていうのは聞いてたけど、着陸のスピードが速いなんて聞いたこと無いぞ…)

と思い、私はスクリーンを凝視していました。

(これ、速い!速い!速いよっ…わ、わ、わ、3、2、1、…)

 

 (ダァーッっとアントニオ猪木っぽく、こぶしを振り上げることなど無いわけですが…)ガーンッという今まで聞いたことも無いくらいの衝撃を感じたかと思うと、3列くらい前で、天井に埋め込まれている手元用ライトがユニットごと落ちてきました。ライトのケーブルが『命綱』になって、乗客の頭の直撃は回避できましたが…。

 

 飛行機が滑走路を走っている間にこっそり証拠写真とってしまおうとカメラを探していたら、スチュワーデスやってきて、外れたライトをさっさと天井に埋めなおしてガムテープで貼り付けてしまいました。さすがすばやい。あとで、飛行機を降りるとき、前の方でもどこから外れたのかわからないプラスチックの板とか床に転がってました。


=>今回、往復の日程が詰まっていたせいで、往路で見かけたクルーの方が帰りの飛行機にも乗務してました。着陸の時の話を聞いてみたら、天候が悪くて降りられるかどうか50:50くらいの状況だったのこと。ちなみに復路の操縦も同じキャプテンだったらしいのですが、スムーズな着陸でした。

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