エピソード26 

立ったらアカン

「…飛行機が完全に停止するまでお席をお立ちにならないようお願い致します」

 数分後にはこのアナウンスが何の効果ももたらさなかったことが証明される。実に毎日のように繰り返される光景です。

 

 ある日、私は良い子ぶって目の前のスチュワーデスに、
「いやですよね。なんで、駐機前に席を立つんでしょうね」
 と言ってみたら、
「そうなんですよね。特に大阪方面の便は…」

 と本音を漏らしました。
「やっぱり…」と私もついつい本音。

 大阪の人だけが皆せっかち…、と言う気はさらさらありません。ただ、「大阪方面便」は「飛行機が止まる前から降りる準備のために立ちあがる人が多い」の十分条件であるのは間違いないようです。最近は余りのひどさに、『機長が急ブレーキかけてみればいいのに…』とさえ思うことがあります。先日、それに近い状態が起きたときに、方々でよろめくオジさんたちをみて「それ見たことか」とほくそえんでしまいました。

 私はよく“非常口座席”利用させていただきますが、この席の人間はいざというときに、緊急脱出の援助をしなければなりません。具体的には、先に滑り台を降りて、後から滑って来た人が立ちあがるところをサポートすることになると聞いたことがあります。ですから有事の際は、冷静に、献身的に行動しなければなあと自分に言い聞かせています。でも、正直言って利己主義者が多い便でのパニックは恐ろしいですね。

「お客様!順番に避難してくださいっ!!」「ボケ!おまえ俺を殺す権利あるんか!?」
「ハイヒールは脱いでください!」「このシャネルのヒール、ナンボしたと思ってるん?」

 今回のネタは中傷誹謗になるかなあ。機内の状況に暗くなった気持ちを表してみたんですけど。

 …まずいかなあと思いつつも、関西空港から帰宅する途中、混雑した関空快速の車内で、自分の隣のシートにヴィトンのバッグを座らせているお姉さん、そのお姉さんが降りたお陰でやっと座れたオバさんもまた荷物を隣の席に置く…この状況を見ながら、決心してHPにアップすることを決めたのでした。

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