エピソード21 

エネルギー充電!!

(往きの便)
 先日(2001/6)の海外出張は行き先はヨーロッパだったんです。フライトはなんと11時間!!映画も見たいやつではなく、ついつい手は機内持込したパソコンへ…。

 一応、電池は大きいやつをつけてきたんです。でも、パソコンが古いこともあって持続しても3時間。おそるおそる使っては電源OFF(極力ハードディスクを回さないようにレジュームモード)。でもでも、タスクトレイの電池アイコンはどんどん空電池になっていく。

 今回は行きだけビジネスクラスだったんですね。ANAの場合、北米便だと「CHICAGO」とか言ってビジネスマン向けのエリアがあったりするんですが、欧州便はそんな気の利いたの無いんですね。むかし、ベテランスチュワーデスに尋ねたら…

「申し訳ございません。この機は古くてノートPCが世に出る前に出来たものですから…」

 だって…。

 で、今回も半ばあきらめかけていたんですが、念のため聞いてみることにしました。すると…、

「専用のバッテリを積んでいるはずです。探してまいります。お使いになられている機種は?」

「SONYのVAIOです」

「かしこまりました」
 しばらくすると、本当にやってきました。真っ黒でようかんを一回り大きくしたようなやつ。6種類のコードが付属していてどのメーカーのどの機種でも行けそう…。

「私、パソコンが苦手なんですが、お客様おわかりになりますか?」
「ええまあ、大丈夫でしょう」

 

 コード群の中から1本選び出し、つないでみると…、おおっ!アイコンがコンセントのマークに変わっている!!こいつ(VAIO)、コンセントにつながっていると思い込んで、カワイイやつ。おまけに、「残り60%(充電中)」だって。相手もバッテリなのに…、充電できるわけないジャン。ぷぷっー。

 今、考えてみると、パソコン相手に何をいい気になっていたんでしょう。


 さっきまでの倹約家精神はどこへやら。半分ウトウトしながら音楽聴いたりして、贅沢に使う使う。…で、ふとタスクトレイのアイコンを確認すると、なんと「残り92%(充電中)」になっているではありませんか。

「充電しとる…、コイツ(このバッテリ)予想以上のつわもの…出来るッ!!」

 と、今度は電池相手に感服していたのでした。そして、飛行機を降りるときは電気満タンのパソコンを持ってご満悦の私でした。


(帰りの便)
 帰りは私の定位置、エコノミークラス。でも、PEXとはいえツアーのお客さんよりは航空会社に余計にお金を払っているおかげで、足元が広くて少しだけ快適な席なんか予約しちゃっていたのでした。仕事の合間にもそこそこ土産話もできたし、あとで一段落したらホームページねたのエピソードとか書いとこうっと…そうそう!

「あの、スチュワーデスさん?」
「はい?」
「ビジネスクラスにバッテリ貸してくれるサービスあるじゃないですか?あれ、1個貸してもらえないでしょうか?ねっ?多分、帰りの便ってみんなお休みになるだろうし…。多分使う人いないんじゃないかなーっと…。適当に時間経った頃に余ってたらでいいですから…ね?」「う〜ん、そうですねえ。わかりました。聞いてみます」


 味をしめた私は、快い返事に期待感大。
 それから夕食が始まって、

(いつ電池貸してもらえるかなあ…)









・・





「あっ!!」
 気がつくと、日本に着く直前の朝食の配膳が始まろうとしていました。私はいつのまにか“ガー寝”していたのです。しばらくすると、スチュワーデスさんが近づいてきて、
「あの、お客様。例のバッテリなんですが…」「あぁ、ダメなんですね」
「ええ。やっぱり、ビジネスクラス向けのサービスと決められているので…」

「ええ、ええ。しょうがないですよ…っていうか、パソコン使うも何も、私、沈没してましたもんね」

 そのとき、スチュワーデスさんの目、笑ってました。
 ということで、帰りは自分のエネルギーを充電した私でした。

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