エピソード5 

刃渡り…

 こういうの載せるのはまずいのかなぁ…

 いわゆる「十徳ナイフ」というやつでしょうか?あの赤い色で長さが8cmくらい。細長い形をしていて、ナイフとか、はさみとか、栓抜きとかいろいろ出てくるやつ。5種類くらいしかでないシンプルなモデルですが私は1本持っています。親戚が海外のお土産といってくれたものです。もらったすぐの頃、うれしがって毎日持ち歩く仕事かばんの中に入れていました。

 

 とある東京出張からの帰り、羽田空港でいつものように手荷物検査場を抜けてX線検査を終えたかばんを受け取ろうとしたとき係員に声をかけられました。

「失礼ですが、この中に刃物とか入ってますか?」
(あっ、しまった。)

 私は例のナイフを入れっぱなしにしていたことをすぐ思い出しました。

(忘れてるふりをしようか?でもかばんをチェックされればばれるし…、正直に言うか。)

「あっ。そういえば…。忘れてましたぁ」といって、私はかばんを開け、ナイフを係員に差し出しました。
(やばっ。没収か?それに、こっぴどくしかられるのか?)
 そして、ナイフを手に取った係員は、
「ちょっと失礼します」
 といって、ポケットからメジャーを取り出し、刃の長さを計りはじめました。で、その後、
「はい、結構です。機内ではかばんから出さないようにしてくださいね」
といってあっさり返してくれたんです。

「は?……あ、はい。わかりました…」

 一応、平静を装って、ナイフをしまいつつ、実は相当拍子抜けしてしまいました。
 どうも、機内持込できない長さの基準があるらしいんですが、私のナイフだってその気になれば…、いやいや、それはいいとして、こんなナイフでも機内持込容認するのはまずいのでは(説得力無いですが…)?私の顔を見て信用してくれたと思えば悪い気はしませんが、やはり、飛行機関係のセキュリティーは厳しくして欲しいですよね(だから、説得力が無いって)。

(追記) 最近では大きさ、種類に関係なく刃物は機内持込できないようになりました(下図)。飛び道具と刃物だけがハイジャック道具というわけではありませんが、このように取締りを厳しくしていただけるのは安心して旅をエンジョイできる点ではありがたいことです。

ページのトップ


Copyright(C)2003-2004 Tsucchy. All right reserved.

メールをTsucchyに送る。