Re[2]: 法と条例 勝つのはどっち?


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Posted by 管理人 on 2002/08/20 19:41:04:

In Reply to: Re: 法と条例 勝つのはどっち? Posted by たまねぎで胸焼け on 2002/08/18 11:01:26:


    たまねぎで胸焼けさん、こんにちは。

    このたびは法律と条例の関係を分かりやすくご教示してくださり、ありがとうございました。
    「法律に上乗せするのは問題なし」という点から考えると、このたびの市の条例は明らかに問題ありです。ご存じの通り現在は児童福祉法が「措置から選択へ」と改正されており、保護者たちは(第1希望だったかどうかは別として)自分で選んだ保育所に子どもを通わせています。その証明として「入所承諾書」が市から発行されますが、そこにはハッキリと就学前までその保育所で保育を行うということが明記されています。その選択を無視し、「この保育所は条例で廃止し民営化することになったから、そのまま民間園に残るか(正確には新たに入所)、別の保育所に転園しろ、さもないと待機児にしてやるぞ」というのが今回の高石市の態度です。こんな暴挙に黙って引き下がっては後できっと後悔すると思った保護者2名と支援者が立ち上がってこの訴訟はスタートしました。

    正確に言うと、本サイトにもあるように、この訴訟は、平成13年6月21日の高石市議会で議決された「高石市立保育所設置条例の一部を改正する条例」(高石市条例第10号)が施行され、高石市立東羽衣保育所が廃止されるという処分の取り消しを求めるために、当該園の保護者2名が平成13年9月20日に起こしたものです。しかし、いくら訴えたところで、裁判の継続中に期限がきて対象物が廃止されてしまったら、守るべきものがなくなってしまうので、翌10月に「執行停止の申し立て」をしました。しかし、全国から寄せられた5万筆近い署名もむなしく「原告らはクルマを持っているし、転園したところで数百メートルしか距離は変わらない」などという市側のバカげた言い分が通って、この執行停止の申し立ては裁判所に却下されてしまったのです。

    残された本訴では法律違反であるこの条例の取り消しを求めています。あなたの言う「この条例は無効だ!」と訴えているわけです。しかし、裁判所がこの条例を取り消す判決を出すということは、日本中の保育所民営化問題に影響してきます。もっとも、下記に紹介する東京世田谷区の公共事業の認可処分の取り消しと同じで、この条例が違法だと認められたからといって、すでに廃止・民営化されてしまった東羽衣保育所が公立として戻ってくるわけではありませんが、これから予定されている民営化は実質的に取り組み方を根本的に変えなければならなくなるでしょう。はたして大阪地裁がそこまで踏み切った判決を出せるか? 「法」よりも「条例」を優先して「行政の裁量権である」なんて逃げ口上が出せないように、これからの裁判で訴え続けなければなりません。

    この8月には被告である高石市側のすべての資料提出が完了すると言われています。
    9月6日にいよいよ後半戦(?)がスタートします。これからも私たちの戦いに力強いご支援をお願いいたします。

    > 勝訴判決を勝ち取ることを期待しています。

    ありがとうございました。



    工事中の公共事業の認可処分の取り消しを求めた東京都世田谷区住民の訴訟

    http://www.decn.co.jp/trendbox/topics_a/topi_48.htm


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