1998/9/11(金)バルセロナ くもり、シッチェス くもり時々雨
 
サグラダファミリアとご対面 〜バルセロナ〜

 朝食はビュッフェ形式で、毎日ほとんど同じ物が並んでる。必ず、2・3種類のハムとスライスチーズが銀のおぼんの上に、きれいに並べられている。それと、パン、フルーツ、ジュース、コーヒー、紅茶。たまに卵があったりもした。この朝食も、もう飽きちゃった。 
   
 9:00にホテルを出発して、ヘレスの空港へ。最初の街マドリッドからバスでどんどん南下して地中海まで来たけど、今日はこの旅の最後の街バルセロナへ飛行機で向かう。1時間ちょっとのフライトで、もうバルセロナについてしまった。バルセロナの空港ではガイドのグンジさんが待っていてくれた。私のグンジさんの第一印象は「頼りない感じ」だったけど、空港からバルセロナへ向かうバスの中でのお話を聞いていて、印象ががらっと変わった。相川さんが「バルセロナで評判の良いガイドさんのうちのひとり」と紹介していた通り、話がおもしろくて説明が簡潔でとても上手。私は手のひらを返したように、グンジさんのファンになってしまった。

 バルセロナの街に着いて、まずは昼食。タパスといって、小皿料理を食べる。サラダ、コロッケ、ムール貝、イカのフライ、ポテトサラダ、生ハム、etc・・・。ムール貝と生ハムとイカのフライはおいしかった。お店の雰囲気は豪華なんだけど、食べているものがスーパーで買ってきたお惣菜を並べているみたいで、んー・・・って感じだった。 

ガウディ建築のカサ・ミラ

 バルセロナでの観光はとっても楽しみにしていた。スペインといえばバルセロナと思うのは、オリンピックの影響か・・・。まずはグエル公園へ行った。何度かテレビで見たことがあって期待していたが、想像とはまったく違っていた。もっと、あらゆるところにタイルがはめ込まれているのかと思っていたのに、ベンチのところと、トカゲ(イモリ?)のオブジェの付近の階段のところなど、有名なところにしかなかった。ベンチは座り心地が良くて、ちょうど腰のところの背もたれが出っ張っていて気持ち良かった。後日、会社の人が「私が行ったときは、このベンチは座ってはいけなかった」と言っていた。


かわいいグエル公園のベンチ


グエル公園。ここはなんだろう・・・。

 次に最大に楽しみにしていたサグラダファミリアへ行った。新しい方と古い方があって、よくテレビや雑誌なんかで見るのは古い方。バスを降りて最初に見たのは新しい方で、かわいい感じだった。古い方を全体から見る前に、塔に登ってみることにした。階段はすごく狭くて、すれ違うことができない。降りてくる人と譲り合いながら上の方まで行ってみた。途中で隣の塔に行く橋があり、移ってさらに昇りつづけると、同じツアーの人が降りてきた。上は別にどうって事はなく、ただ階段が終わっているだけとのことなので、その地点で昇るのを止めて降りることにした。下りはらくらくで、あっという間に降りてしまった。下は博物館になっていて、建築を始めた頃の写真が展示してある。ちょうど100年前の写真は、まだ1/5くらいしか出来てなかった。完成するのにあと200年かかるという話は有名だけど、最近は檀家さんたちが完成したのを早く見たいとのことでコンクリートを使い始めたとグンジさんは言っていた。コンクリートを使うともろくて、150年しかもたないそうだ。だったら何年かかっても、今までどおりの工法で立派なものを作った方がいいと思うのは、私が信者ではないからかしら?古い方を正面から見たときは感動的だった。これはすごかった。日本で写真なんかを見ていたときはぜんぜん気がつかなかったけど、正面には水色のステンドグラスがあり、とってもきれいだった。その周りに人物の彫刻があって、これは日本人の彫刻家の作品らしい。昔あったガウディの彫刻は取り外されてしまったそうだ。サグラダファミリアでは新しい発見があり、迫力のある建築物で、これだけでもスペインに来てよかったと思った。旅の最後に見れたことも、この旅行を一層印象深いものにしてくれた。


サグラダファミリアの隣の塔に移る橋から見たバルセロナの街


サグラダファミリアの階段

 次はモンジュイックの丘へ。丘の麓にある港には18階建ての豪華客船が停泊していた。タイタニックとは趣がぜんぜん違って、大きなビルをそのまま船にしましたって感じで、あれで船旅をしたいとは思わなかった。モンジュイックの丘にはバルセロナオリンピックの競技場がある。中に入ってみたら、そんなに大きさは感じなかった。それよりも、ここで買ったファンタレモンが300ペセタ(300円くらい)もして驚いた。注文したときにその場になくて、わざわざ倉庫の方まで取りに行ってくれた手前、やっぱりいりませんとは言えず買ったけど。スーパーで買えば40ペセタくらいなのに。でも、のどが渇いていたから、冷たくてすごくおいしかった。 
   
 バルセロナの街は海があり、山もありとてもいいところだ。ただ、私の勝手な想像では、もっと街中にガウディの建物があるのかと思ったら、そうではなかった。ガウディ、ガウディと言うのは日本人だけらしい。スペインは第2次世界大戦に参戦してなかったため古い建物が残っていて、他のヨーロッパの国の人達は昔のゴシック調の建物が目当てでスペインに来るらしい。日本でいうと京都のようなものかしら。 
  
 今日の宿泊地はシッチェスというバルセロナから車で30分くらいのところにあるリゾート地。バルセロナで国際糖尿病学会が開催されているため、ホテルが取れなかったのだ。スペインの首都はマドリッドだけれども、バルセロナの方が立地条件が良いため、大きな催し物はバルセロナで行われるらしい。日本を発つ3日くらい前に旅行会社から、宿泊はシッチェスになりますとの連絡を受けたとき、「えーーーっ!やだ!」って思ったけど、行ってみたらとってもいいところで、ツアーの人たちも喜んでいた。夕食まで30分くらいあったので、ひとりで海岸に行ってみた。やっぱり、海が大好き!天気が曇っていたのが残念だけど、海を見ていると心が安らぐ。ぼけーっとしていたら、相川さんが後ろから「うわぁー!」って来てびっくり!ここのビーチはヌーディストビーチらしい・・・。少しお話して、ホテルに戻って夕食。今まで毎日昼食と夕食をツアーの人たちと共にしてきたけど、明日は1日自由行動なので、みんなで一緒に食べるのは今日が最後。なんだか、さみしい。大勢の人たちと食べるごはんはとってもおいしいと、この旅行で改めて感じた。


シッチェスのビーチ


今日のホテル

 夕食後、街の中心へ散歩に行った。お土産屋さんはなく、オープンエアのレストランがずらっと並んでいた。それぞれのお店で雰囲気が違い、どこもかわいらしい。パエリアやシーフードを食べている人がほとんどで、すごくおいしそうだった。こういうレストランで食事をしたいな。途中でイタリアンジェラート屋さんを発見して、食べずにはいられなく思わず買ってしまった。アイスを食べながら、海沿いを歩いてホテルに戻る。「相手がけっちゃんじゃなければねぇ・・・」「りょーこじゃなければねぇ・・・」とお互い言い合いながら歩いていると小さな公園があり、そこで立ち乗りシーソーで遊んだ。めちゃくちゃ楽しい!はしゃぐだけはしゃいで再び歩き始めると、同じツアーの3人組の女性に会い、一緒にホテルに戻った。私はシッチェスが大好きになり、またいつか来たいなと思った。