1998/9/10(木)晴れ
 
日本人の闘牛士がいたんだぁ 〜ロンダ・セビリア〜
  
 
 8:30にホテルを出発してロンダに向かう。美しい渓谷の街というけれど「なんだ、普通の街じゃない」というのが第一印象だった。着いてからすぐにガイドのジーザスさんと合流した。ずっとサングラスをかけていたけど、イタリア人ぽいなと思った(イタリアにも行ったことありません)。AngelさんといいJesusさんといい、驚きの名前だ。こういう名前の人が多いのだろうか・・・。 
  
 まずはスペイン最古の闘牛場へ行った。割とこじんまりとしていて、かわいらしい感じの闘牛場だ。ここは座席数が少なくて、年に5・6回しか闘牛が行われないため、チケットがすごく高いらしい。たしか、12,000円くらいって言っていたような・・・。私がマドリッドで見た闘牛は2,000円くらいだから結構高い。ここは闘牛エリアに下りることが出来て、マタドールが隠れる立て板(って言わないだろうけど)のところにも行ける。ずいぶん狭くて、ぎりぎり通れるくらいの幅しかない。牛に終われながら、こんなに狭いところに「さっ」と逃げ込むのも大変だろうなぁと思った。立て板の下の方に1週間前の闘牛のときに付いた牛の血が、生々しくべったりと残っていた。けっちゃんには強烈だったみたい。裏の方に闘牛博物館があったので覗いてみる。昔の闘牛服がたくさん展示してあった。「芸術に国境はない」と書いてある、日本人初の闘牛士のりりしい写真も飾ってあった。1年半前に闘牛で牛に襲われてしまい、現在はリハビリ中らしいけど、もう闘牛は出来ないそうでとっても残念。ぜひその日本人闘牛士を見たかった。


左側が闘牛士。こうやって練習するのね・・・。


 街のはずれの方に行くと、この街が切立つ断崖絶壁にあるということがわかった。橋から下を見ると谷底はかなり深いし、公園は崖っぷちにあった。自由行動中のこの公園では、セビリアでフラメンコを見に行ったときに、ひとりで来ていた日本人の大学生くらいの男の子に再び会った。セビリアで話をしたわけでもないので、ただすれ違っただけだけど。旅行中にある街で出会い、それぞれ違う街に旅立って数日後に新たな街で再会することがよくある。それも旅行の楽しみのひとつ。セビリアとロンダですれ違っただけの男の子は自由旅行しているんだと思うんだけど、うらやましい・・・。

 この旅行中に友達にはがきを出すときは、ホテルのフロントにお願いしていたけど、郵便局を見つけたので切手を買ってみた。スペイン語はまったくわからないので「stamp,to Japan,10(言葉ではなく両手を広げて),please」と言ったらちゃんとエアメール用の155ペセタの切手を10枚くれた。私の英語力はこんなもの・・・情けない。言い訳するつもりはないけど、やっぱり英語を話せる人の前で私のつたない英語を口にするのは恥ずかしいから、なんだかこんなふうにしか話すことができなくなっちゃうのだ。そんなことを言っていたら、いつまでたっても英語は上達しないのに・・・。ここで買った切手はデザインもかわいく、シールになっていてとっても便利だった。


18世紀に造られたヌエボ橋
 

こんなに崖ぎりぎりに家を建てるなんて・・・楽しそう♪

 昼食は、楽しみにしていたガスパチョ。野菜の冷たいスープということはミネストローネの冷たい版だと、私は勝手に思い込んでいた。出てきたものは一見トマトジュースみたい。ガスパチョとはトマトとにんにくとアーモンドのどろどろスープだった。食べたことのない不思議な味で、結構おいしかった。
 夕方、フェルナンドの住んでいるセビリアへ移動。フェルナンドの運転はこの街まで。マドリッドからセビリアまで6日間も一緒に行動していたから、もうお別れだなんてさみしい。でも、フェルナンドは「自分のベットで眠れる!」と大喜びだった。セビリアについてすぐに、フェルナンドのサービスで行程外のスペイン広場に連れて行ってくれた。建物や橋の一部にタイルがはめ込まれていて、とても美しかった。途中でセビリアのガイドさん(名前は忘れてしまった。)と合流してカテドラルへ。このカテドラルはヨーロッパで3番目の規模だそうでステンドグラスがとってもきれいだった。中にはコロンブスのお墓がある。4人の男性像に棺を担がれていて、中に骨が入っているらしい。イタリアにもコロンブスのお墓があるそうで、どちらが本物かはわかっていない。ガイドさんとの別れ際に恒例の写真を撮ってもらったとき、私とけっちゃんを見て「Are you twins?no?sister?」と聞かれた。高校のときも友達に「うり双子」って言われてたけど、どう見ても似てないのに。外人から見ると、なんだか似てるらしい。

 とうとう、フェルナンドとお別れのときが来た。直接話をしたことはなかったけど、バスを降りるときに車が来ないか見張っていてくれたり、安全でスピーディーな運転で私たちの旅行を快適にしてくれたり、表情としぐさで笑わせてくれたり、とってもいい人だった。しかも、よく見てみればハンサムだ。ホテルに着いてバスを降りるときに私が“Nice driver!”と言ったら、ふふ〜んって鼻で笑ってた。 
  
スペイン広場。タイルの色が黄色と青でかわいー!
 

 今日のホテルはアル・アンダラス・パレス。ホテルに到着したとき、「どれがホテル?これは体育館じゃないの?」と思ったくらいホテルに見えない。まるで地方の立派な体育館みたい。中はきれいでモダンな感じ。部屋に入るとツインのベットの他にエキストラベットがあり、邪魔なので部屋を変えてもらおうとしたけど、荷物を広げるのにちょうどいいってことになり変えなかった。

今日のお部屋。壁に掛かってるカーテンの方が多いよ〜。

 夕食までの時間、散歩がてら、ひとりでスーパーに行ってみることにした。私は旅行中、必ずスーパーに行く。その国の人がどんな食生活を送っているかよくわかるし、見ているだけでも楽しい。安くておいしいお菓子も充実してるし。地図を頭の中に叩き込んで、なんとなく歩いて行った。途中で暗記していた地図がよくわからなくなり、適当に目印の噴水を目指して歩いていたけど、噴水が見つかる前にスーパーらしきものを発見したので、「ここか」と入ってみた。コンビニサイズのスーパーで、同じツアーの人も2組いたから一緒に買い物をした。ここではファンタレモン、ファンタオレンジ、アクエリアス(以上弟のお土産。ずいぶん質が下がってしまった・・・が、別にお金がなくなったわけではない!念のため。)、水、お菓子等を買いこむ。「お茶でもしますか」とぷらぷら歩いていると、さっき探していた噴水を発見。みんなで、もしかして・・・と地図を思い出しながら歩いて行くと、大きなスーパーがあった。中に入ると同じツアーの人が何人かいた。こっちの方が種類が豊富だったけど、もう買うものがない私たちはのどが渇いたので、冷たいジュースを買って表で乾杯をした。このとき飲んだセブンアップは、めちゃくちゃおいしかった。 
   
 夕食はホテルのレストランでビュッフェ。料理はなかなかおいしかったけど、デザートはいまいち。生のプルーンは最高においしかった。外国へ行くと日本で食べなれていないフルーツが、とってもおいしかったりする。でも、私は誰かが「これおいしい」と言わないと手を出せないのだ。いつまでたってもチャレンジャーにはなれない。 
   
 旅が始まってから毎日洗濯をしていたけど、あと3日で旅行が終わるから、今日からシャツ類は洗わなくてよくなった。うれしい反面、旅が終わってしまうんだ・・・と複雑な気持ち。