June 6 wed. 雨 〜 サミーの憂鬱  〜
    
 6:50起床。またもや寝坊。じゅんちゃんと私は、めちゃくちゃ朝に弱いのだ〜。あわてて7:00すぎに、じいさんの家を出る。ハリファックスへ向かおうと思っていたけど、シャーロットタウンのバスディーポから、今日、しかも週1便しかないバンゴー行きのバスがあることを発見し、急きょ行き先を変更した。バンゴーで乗り換えれば、バーハーバーに行くことが出来るのだ。
 
 7:45発のバスでモンクトンへ行き、モンクトンでバンゴー行きのバスに乗り換えた。モンクトンからセントジョンまではバスパスが使えたが、セントジョンからバンゴーまでは別料金がかかった。バンゴー行きのバスの運転手はの〜んびり運転していて、時刻表より到着時間がどんどん遅くなっていた。
 
 途中、アメリカへの入国審査があった。乗客はバスに乗ったままで、アメリカ入国審査官がバスに乗り込み入国審査をした。私の番のとき、なんだかんだと聞かれたけど、何を聞かれているのか解からなくて、にこにこしながらうなずいたら“realy?”と言われ、再びなんじゃかんじゃと質問攻撃されてしまった。こうなったらお手上げで、少し離れた席に座っていたじゅんちゃんに助けを求めて、私は無事に入国することが出来た。どうやら「なにかいけない物を持っているか?」と質問されて、私はにこにこうなずいていたらしい・・・。「ノーと言えない日本人」になってしまった。
 
 やれやれ・・・と反省していたら、後ろの方に座っていた中東系の男性が、入国審査官ふたりに腕を組まれて連れられて行った。あの人はアメリカへは入国できないんだ・・・と、バスは出発するのかと思っていたけど、出発しない。1時間以上待たされ、さっき連れられて行った人が戻ってきてから、ようやくバスが出発した。自分のせいで出発が遅れたという、申し訳なさそうな顔なんて1mmもしていなくて「なんなのよーっ!」と私は腹が立った。
 
 やっと出発したバスは、運転手が変わったのかと思うくらい、猛スピードでバンゴーに向かった。だったら最初からスピードを出せばいいのに。。。17:50にバンゴーに着く予定が、19:30になってしまった。乗り換えるはずのバーハーバー行きのバスは、とっくに出てしまって、じゅんちゃんはものすごい怒った顔になっていた。フェリーは明日の朝8:00出港なので、今日のうちにバーハーバーへ行かないと、1日無駄になってしまう。しかたなくタクシーで行くことにした。じゅんちゃんが公衆電話でタクシーを呼んだら、10秒後にはサムエルソン(元バレーボールアメリカナショナルチームの人で、Vリーグでもサントリーでプレーしてたアメリカ人)に似たがっちりにいさんがやってきた。
 
 重〜い空気の私たちがバーハーバーへ行きたいことを告げると、サミーは「バーハーバーへの行き方を知っているか?」と聞いてきた・・・。大丈夫なのだろうか・・・。タクシーに乗っても、じゅんちゃんの怒りはおさまらず、私はちょっと怖かったので黙って窓の外を眺めつつ、どんどん加算されていくメーターをちらちら見ていた。しばらくして、ようやく私たちが会話を始めたら、サミーもほっとしたようで「むこうに鹿がいるよ!」と教えてくれた。サミーは「とんだ日本人を乗せてしまった・・・」と思っていたに違いない。スムーズにバーハーバーのフェリー乗り場に到着し、58USドル払った。痛い出費だ。
 
 フェリー乗り場のおねえさんに安い宿を教えてもらったけど、5kmも離れているので諦めた。目の前のDAYS INに値段を聞きに行ったら49USドルとのことなので、泊まることにした。
  

この旅で一番いい部屋。
だってテレビがついているんだよ!
     
     
June 7 sat. 晴れ 〜 出会い  〜
    
 6:20起床。7:30頃、フェリー乗り場へ行った。「予約してないんだけど、大丈夫か?」と聞いたら、な、なんと!今日はフェリーは欠航!!唖然としていたら、じゅんちゃんがものすごい勢いで、カウンターのおねえさんに文句を言い始めた。私はなにも出来ず、あっけにとられてじゅんちゃんを見ていた。どうにもならないと分かったとき、ハデなメガネをかけた日本人のおばさんが話しかけてきた。
 
 そのおばさんはアメリカ人と結婚し、今はアメリカに住んでいて、だんなさんの兄弟夫婦と旅行中とのことだった。私たちの旅のことと、昨日58USドルも払ってここまで来たことなど話したら、同情してくれて、車でYWCAに連れて行ってくれることになった。私たちは少しでも安い宿に移りたかったのだ。YWCAに着くと、まだ受付時間外だったので、とりあえず荷物を置かせてもらった。向かいに教会があって、おばさんのだんなさんは、私たちのことを泊めてもらえないか聞きに行ってくださった。YWCAからフェリー乗り場までは遠いので、明日迎えに来てくださるという。「歩いて行くから大丈夫です。」と言っても、じゅんちゃんのバックパックを指差して「こんなに重いのに大変よ!」と言って、結局、お言葉に甘えることにした。 
 栄えた通りまで車で送ってもらい、まずはおなかが空いたので朝食を食べた。皮付きポテトと玉ねぎ入りのスクランブルエッグがおいしい!今度作ってみよう。食べ終わって、そのレストランの横で写真を撮っていたら、さっきのおばさんが「あーっ!いたいたっ!」と近づいてきた。何事だろう・・・と思ったら、おばさんたちも今日は、私たちが昨日泊まったDAYS INに泊まるから、お金は出してあげるから私たちもそこに泊まりなさい、ということだった。な、な、なんて親切な人たちなんだろう!!そんなに甘えちゃっていいのだろうか、とふたりでさんざん悩んだけど、私たちのことを探してまで言ってくださっているので、ありがたくお世話になることにした。
 
 一度、YWCAに荷物を取りに行って、荷物をおばさんたちの車に預かってもらい、再び朝食を食べた通りまで送っていただいた。おばさんは、「私も24年前に世界一周の旅をしていて、旅の終わりの頃にお金がなくて、知らない人に助けてもらったことがあるから、あなたたちのことはほってはおけない。私にお礼を言うのもいいけど、将来こまっている人がいたら助けてあげなさい。」と言っていた。どこまで出来た人なんだろう・・・。私はおばさんの生き方、考え方に感動してしまった。私もおばさんみたいな人になりたい・・・。
 
 バーハーバーは日本では無名だけど、こっちのほうではリゾート地として割と有名みたい。日本人は私たち以外、ひとりも見かけなかったけど「ようこそ」なんて日本語の張り紙があったりした。朝はレストランで食べてしまって予想外の出費だったから、昼食は抜きにしようと思っていたのに、11:00頃おなかがすいてしまって、海の見える芝生の上でブルーベリーパイを食べた。ブルーベリーがいーっぱい入っていて、すごくおいしい!じゅんちゃんが食べたパンケーキにもブルーベリーソースがたーっぷりかかっていて、これまたおいしい!バーハーバーはロブスターとブルーベリーが名物らしく、お土産用Tシャツの柄になっていた。食べ終わって、そのまま芝生の上でのんびりくつろいだり、手紙を書いたり、ちいさな砂浜で、波打ち際をひたすら往復して走っている男の子がいて、かわいくてずーっと見ていたりした。
 

この子が海岸をずーーーっと走っていた。
 

ここはアメリカ
  
 
左:ホットケーキのブルーベリーソースどっさりがけ
右:ブルーベリーもりだくさんパイ
 
 再び通りに出て、いろんなお店をぷらぷらした。帰り道に「チャウダーハウス」というクラムチャウダーのレストランがあり、お持ち帰りにしてチップをケチった。スーパーで99セントの大袋入りの食パンを買ってDAYS INに戻り、部屋で夕食にした。クラムチャウダーはジャガイモがたくさん入っていて、どろどろクリーミーで最高においしい!夜10:00前、明日フェリーが動くと分かり、ホッとして眠りについた。
  

フェリー乗り場の夕日
     
       

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