3日目 2003/2/3 * 追いかけるオーロラ 空港での手続きが終わってホテルに戻ると、カメラマンと編集者ふたり組がこれからヘリテージセンターに行くというので、一緒に連れて行ってもらうことにした。タクシー代は経費ということでタダにしてくれた。すみませんね〜。先日やっと読んだ新田二郎のアラスカ物語に出てくるフランク安田に関して何かあるかなぁ〜と探してみた。話によく出てくるチャールズ・ブローワー氏の写真はあったから、その辺にいたおじちゃんにフランク安田のものは何かないのか尋ねてみたら、そのおじちゃんはチャールズ・ブローワー氏のお孫さんだった。ひー!パッと見た感じまるで日本人みたいなんだけど、言われてみればイヌイットと白人が混ざったお顔立ち。その孫おじさんがわたしたちを裏の事務所に連れて行って、アラスカの歴史家のおばさんを紹介してくれた。その歴史家おばさんのコレクションしている写真の中にフランク安田のものがあるという。探してくれたんだけどすぐには見当たらず・・明日までには見つけておくわ、ということになった。わたしたちは今日の夕方ここを発ってしまうので、その件に関してはカメラマンと編集者ふたり組に託した。 *フランク安田についてはこちらへ* ふたり組はこれから歩いて街を撮影しながらホテルに戻るという。この寒空の下(気温マイナス30度)わたしたちはそこまで根性ないんで、タクシーでホテルに戻った。 夕方までなにしよう・・とりあえずはホテル周辺をお散歩。お散歩なんてしているひとはもちろんいない。わたしたちの今日の装備は移動バージョンで、レンタル防寒着は荷造りして預けてしまったし、日本の冬と同じ格好をしていた。ダウンジャケットを羽織っているももの、下半身はジーンズ1枚という無防備さ。そんなんでマイナス30度の中ふらふらしていたもんだから、途中から太ももが「寒い」から「痛い」に変わり、しまいには感覚がなくなってきてしまい、慌ててホテルに退散した。 工事中でカーペットは剥がされ、ソファも端っこに追いやられているロビーで本を読んだり、昼寝したりしているうちに夕方になり、最後だから夕焼けの海の方に写真を撮りに行った。わかってはいたけれどやっぱり極寒で10分としないうちにまつ毛と鼻毛と顔付近の髪の毛が凍ってバリバリになった。 隣のPepe'sで夕食を取って、タクシーで空港へ。タクシーの運ちゃんは韓国人で車内は韓国語の曲をガンガンかけていた。ヘリテージセンターからホテルまでは5ドルだったタクシー代が、ホテルから空港までは6ドルもした。3倍くらい距離が違うのに。ボッタクリもいいとこだ! 空港に着くと、午前便がキャンセルになった分、とても混んでいた。飛行機に搭乗する前にバローの寒さを最後にもう一度体験しておこうと外に出て、なんとなく空を見上げると薄いけどオーロラが出ていた。よしよし、これで3日連続だ。手荷物チェックではめちゃくちゃ強面のおじさんに「このカメラにはISO800のフィルムが入っている」と告げるとカメラごとハンドチェックしてくれた。フィルムもISO100のポジからISO400のネガまですべてハンドチェック。良かったー。 飛行機に乗り込むとき空を見るとさっきのオーロラが強くなってきていた。こうなったら飛行機には乗りたくないけどしょうがない。飛行機の左側の窓にへばりついて毛布をかぶって機内の光を遮断して写真を撮っていた怪しいわたしたち。他のお客さんは窓の外なんてこれっぽっちも見やしない。頭上の電気点けて本読んでるし。ちょっとちょっとすみませーん、その電気消してくださーい!って言いたいけど言えるはずはない。飛行機の中から見たオーロラはまるでわたし達を追いかけているみたいに、どんどん横に延びていっていた。そんなに強い光ではないけど、裾のひだも少し見えた。右側の窓をチェックしてみるとオーロラは出ていないけど、地平線が夕焼けでとってもきれい。 そんなこんなで配られた機内食は食べてるヒマもなかったんでお持ち帰りにし、再び窓の外に目をやっていると「サンドウィッチのおかわりはいかが?」と言われた。カメラを窓へ向けファインダーをのぞいたら目がぼやけていることに気が付いた。やばい、コンタクトが外れた!ファインダーをのぞくときによく取れちゃうんだよね・・。慌てて服や顔に付いていないかチェックしたけど見当たらない。がーん。下に落ちていたら探すの大変だよぅ!(>o<)と半べそ状態。ふとカメラを見たら・・ファインダーのところにくっついていた。よ、よかった・・。気を取り直してまたオーロラの写真を撮りつづけていた。 フェアバンクスに着いて空を見上げると、まだオーロラは出ていた。出口ではA&Pの女性スタッフがお出迎えしてくれていたのに、挨拶もそこそこにトイレに駆け込むわたしたち。機内ではオーロラに夢中だったもんでね・・(^-^;) この女性ガイドさんに去年と同じくスーパーマーケット経由でクリアリーサミットB&Bに連れて行ってもらった。女性ガイドさんはとーってもにこやかで親切で優しくていいひとオーラが体の芯からにじみ出ていた。車内から外を見るとまだオーロラは出ていた。今日はすごいな〜。(^^) クリアリーサミットB&Bに到着すると、先客にカメラマンの卵SくんとKさんご夫婦がいらっしゃった。今日もすてきな出会いがたくさんあってとってもうれしい。女性ガイドさんが宿主チャックさんにわたしたちは去年もお世話になったということを告げると、チャックさんは"I remember you"と言った。これはバローで言われたのとはちょっと違って、かなり社交辞令が入っていると思われる。 さっきまで出ていたオーロラは落ち着いてしまっているので、まずは持って帰ってきた機内食で夜食をしながら待つ。空は曇ってきてしまって、その分、みんなでおしゃべりを楽しんでいた。オーロラチェックしに行ったら雲に透けてオーロラが見える。そんなに厚い雲ではないようだ。「この雲さえなければ・・」そう思うといろんなところに幻のオーロラが見えてくるからおかしい。結局4:30まで粘ったけど、曇っている天気は変わりそうにないので、お風呂に入って寝る準備をした。5:30頃もう一度空を見上げると、やっぱり雲の上にうすーくオーロラが見えた。 4日目以降はしばらくお待ちください・・ alaska top bbs contents home |