『わたしのだいすきな...』
 
 
 
 
 
「朝〜、朝だよ〜」
「朝ご飯食べて、学校行くよ〜」
 
うにゅ……
 
微かに聞こえてくる
優しい声。
 
「朝〜、朝だよ〜」
「朝ご飯食べて、学校行くよ〜」
 
そっか…
朝なんだ……
もう起きなきゃ………
 
「朝〜、朝だよ〜」
「朝ご飯食べて、学校行くよ〜」
 
あれ?
この声………
 
「朝〜、朝だよ〜。朝ご飯食べ…………」
「うーっ、もう起きたよー。わたしの真似しな
 いでよー」
 
にっこり笑う
優しい祐一の顔。
 
「朝は、おはようございます、だよ! 名雪っ」
「おはようございますー。真似っこは、だめだ
 よー」
 
ちょっとだけ
いじわるっぽく
わらってる祐一に
 
ちょっとだけ
膨れっ面で応えて…。
 
「あははは、ごめんなー。ちょっと名雪と同じ
 こと、したくってさ」
 
そんな祐一の言葉が
なんだか妙に
照れくさい気分で…。
 
ちょっと
照れ笑いして…
 
頭から
お布団を被った…。
 
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
 
「おはようございます」
「おはようございまーす」
 
キッチンには
お母さんが
コーヒーを淹れながら…
 
「おはようございます、二人とも」
 
にっこりと微笑んで
わたしたちを
迎え入れてくれる。
 
わたしの大好きな
朝の時間…。
 
「あら…今日は名雪も、早起きなのね」
 
大好きなイチゴジャム。
大好きなコーヒーの香り。
 
大好きなお母さんの声。
大好きなお母さんの笑顔。
 
それから…
 
大好きな
大好きな祐一の
にっこり横顔。
 
だからちょっとだけ
さっきのおかえし……。
 
「祐一がね、『名雪が起きてくれなきゃ、寂し
 くてしょうがない』って言うから、起きたん
 だよ」
「な………」
 
目を丸くしながら
顔をポッと赤らめながら
口をパクパクさせながら……
 
「あらあら、そうなんですか? 祐一さん」
「ち、ち、ち、違いますよっ!」
 
窓辺に降り注ぐ
きらきらお日様。
 
ふわっと包み込む
やわらかな空気。
 
優しく入ってくる
気持ちいい風。
 
可愛くささやく
小鳥たちの合唱。
 
わたしの大好きな
なつやすみの
朝の時間………。
 
 
 
 
〜おしまい〜
 
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
 
 
 
 
《あとがき》
 
らぶらぶショートショート・リターンズです。
『冬の夜の色彩』は、以前KFCに掲載させ
て頂いたものと同じなので、もう一本書き下
ろしということで…。
 
夏コミ行ってる間に、とっくに5000ヒット、
越えちゃってますねえ(激汗)。お約束に間
に合わなくてごめんなさい m(. .)m
 
--
1999/08/15
猫蹴ぱと 拝
 

 
【お礼の言葉】
猫蹴ぱとさん、ありがとうございます。
本当にうれしいですよ。
まさか、SSをいただけるとは思ってませんでしたので。
結局、名雪に反撃されてる祐一がかわいい(?)ですね。
ぱとさんのSSを読んでいると、幸せな日々がいつまでも続くんじゃないかと思えてしまうから不思議です。
 
それにしても、「らぶらぶショートショート・リターンズ」ですか(笑)
 
HID
(1999/8/16)




コメントをつける(掲示板へ)


戻る