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◆歪められた思い〜前編〜

 

ジェイドの住むマンションの前の道。
ジェイドは夕飯の買出しから帰ってくる。
「ふぅ…」
ジェイドは安堵した。



ストーカー―スカーフェイス―の存在を知って、四、五日がたった。
ジェイドは外出するたびに、誰かに見られている感じがしていた。
そして、次第に外にいる時間が不安になってきた。


だが、家に帰ってしまえば何の心配も要らない。
そう、ジェイドは考えた。

だが何より、キッドのことを信頼していた。


『…これから先、お前に何が起きても…俺が…きっと俺がお前のことを守ってみせる。
 だから…そんなに怖がるな。…な?』


その言葉は、ジェイドの心の大きなよりどころになった。
だから、少しずつ…外にいる時間も不安ではなくなってきた。


だが、それはふとした油断だった。


ジェイドがマンションの中に入ろうとする。

が。



バチバチバチバチッ!
「ぐわああああああああああああああっ!」


いきなり雷が落ちたかのような衝撃に襲われてしまう。
そして、ジェイドは…気を失った。


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気がついたら、見知らぬところにいた。

「…ここは…どこだ?」
ジェイドは辺りを見回す。
「どこかの…部屋?」
ごく普通の部屋、と言ったところか。
丸くて小さなテーブルに、イス。
そして、ジェイドが今寝ているベッド。
普通に住んでいればごく当たり前にあるようなものがある。

「えっと…俺は、どうしたんだっけ?」
ジェイドは何故自分がこんなところにいるかを考えてみる。
「確か、お米もソーセージも切れてたし、そろそろ夕飯時だったから買い物に行って、それで…
 そうそう。チェックに偶然会って変な相談持ちかけられたんだっけ。
 それで…帰ってから…どうしたんだっけ?」
一生懸命思い出そうとしてみる。
だが、やはりどうしても思い出すことができない。

ところが、ふと、自分の右腕に変な跡がついているのを見つける。
「…なんだ、これ?」
身に覚えのないその跡を見てきょとんとする。
「爪が食い込んだ…?ちょっと違うような気がするな。一体…?」

と。

ガチャ。

扉の開く音がした。
ジェイドはその音の聞こえた方向を見る。
「ようやく…お目覚めかい?」
ジェイドはその人物を見て驚愕した。
「お、お前は…スカーフェイス!?」
ふと、ジェイドの体が強張る。
それを察したかどうかは知らないが、スーカーフェイスは冷蔵庫からペットボトルを取り出して来て言った。
「そんなに怖がるこたぁねえ。…ま、これでも飲んで落ち着きな。」
そして、その中の液体をグラスに注ぎ、ジェイドに差し出す。
無色透明で無臭…水か?
何の疑いも持たずにそれを飲み干す。
すると…少しは落ち着いた感じがした…ような気がした。

その時、スカーフェイスは薄ら笑いを浮かべた。

「…どういうことだ?」
と、ジェイドは核心に迫る質問をした。
「何で…どうして俺はこんなところにいるんだ?ここは…どこなんだ?」
一瞬、スカーフェイスがフッと笑った。
「…いいだろう。教えてやるよ。」
そう言うと、ポケットから何かを取り出す。
ジェイドには、それが何かの機械のように見えた。
「それは…?」
「コイツは…スタンガンだよ。」
「す、スタン…ガン…?何だよ、それ…」
「…スタンガンも知らねえのか?…まあ、見てみな。」
そういうと、何かスイッチのようなものを押す。すると…


バチバチバチバチッ!
「わっ!」
いきなりのけたたましい音に驚いた。
「で、電気…?」
「そうさ。…このスイッチを押すと、電撃がでる。…まあ、この二つの電極の間だけだけどな。
 で、この電撃を…人間の体に流す。そういう道具だ。」
「そ、そんなもの…!に、人間の体に電気を流したら死んでしまうじゃないか!」
「何言ってんだ?…生きてるじゃねえか。ちゃんと。」
「?」
何を言っている?
『生きてるじゃねえか?』…どういうことだ?
ジェイドはまだスカーフェイスの言葉を理解できずにいた。
「まぁだ、思い出さねえか?」
思い出す?
俺が何を思い出すって言うんだ?
だが…ジェイドの頭の隅には、少しずつ…
『あの』情景が…形を取り戻しかけていた。
そして、それは遂に一つの形となる。
「お前は…こいつの電撃を受けたじゃねえか。」
「!!!」

その瞬間…ジェイドは全てを思い出した。

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バチバチバチバチッ!
「ぐわああああああああああああああっ!」

薄れゆく意識の中で…ジェイドは見ていた。
「お、お前…は…!」

そこには。

薄ら笑いを浮かべるスカーフェイスが立っていた。
そして、その手に持っているもの。
それはまさしく…!!!

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「お、お前…!」
「やっと、思い出したか?」
ようやくジェイドは、全てを理解した。
自分が、ここにいる理由を…全て。
「まさか、お前が…!!!」
「その通りだ。」
「な、なぜ…お前がなぜこんなことを!」
湧き上がってくる怒りを、全てスカーにぶつけるつもりで言い放った。
「お前なんだろう!?無言電話やら盗聴やら奇怪文章やら、ストーカーまがいのことばばかり…!
 …そして、今だってこんなところに俺を連れ込んで!」
ジェイドの怒りは収まらない。
だが。
その怒りは…少しずつ恐怖へと姿を変えて行った。
「一体何が目的な…………!?」
いきなり、ジェイドの言葉が遮られる。
スカーフェイスの…唇によって!
「んっ…!」
スカーは舌を絡めようとした。
無論ジェイドも抵抗したが、スカーフェイスの怪力によって無理やり押さえつけられ…ベッドの上に押し倒された。
そして、今度は唇をようやく離したかと思うと…
ジェイドの服を、破り始めた。
「なっや、やめ…っ!!!」
勿論抵抗はしたが、スカーフェイスの前にはそれは無意味な行為であった。
そして、とうとうジェイドは、全裸にされてしまった。
すると今度は、スカーフェイスが口を開く。
「言っておくがな。…お前が悪いんだぜ?お前が…お前が俺のものになろうとしねェから…」
「…!?」
「けど…もう、逃がさねえ。」
ジェイドの中にもう、先ほどまでの怒りは、残っていなかった。
あるのは、ただ…恐怖のみであった。
「ククク…そしてお前も、じきに俺に犯されたくなってくるさ。…嫌でもな。」
「な、なんだと…!それは一体………っ!?」
ふと、ジェイドは自分の体の変調に気づく。
(何だ…この…感じはっ………!?か、体が…体中が…熱い…)
そして、自分の中に、” ある欲望 ”が芽生え始めたのが、分かった。
「…!!」
それを見計らったかのように、スカーはこう言った。
「グフフ…そろそろ効いてきたみてェだな。」
「な、何の…事だッ…!」
「お前がさっき飲んだ水…あれ、実は水じゃあねェんだよ。」
「そ、それじゃ…い、一体ッ…?」
すると、今まで以上にニヤけてこう言った。
「…媚薬、だ。しかも…かなり強力なヤツだ。」
「!!!び、びやく…!」
そして、ジェイドの中の欲望が…一気に膨れ上がる!
「…ジェイド……」
今までにない薄ら笑みを浮かべて、スカーは言い放った。
「……俺のモノになれ。ジェイド…」
そう言うと、スカーフェイスはジェイドの前髪を掴み、自らの股間で既に固くなっているものを近づける。
ジェイドは欲望を抑えきることができず、眼前のものに喰らいついた。
「…正直だなァ、ジェイド…」
そして、ジェイドは激しく舌を動かし、奉仕し始める。
「ん、ああ…なかなか…いいじゃねェか…くっ…!」
そして、あまりの激しさに、すぐに達して…ジェイドの口の中に放った。
「…!」
それを、ジェイドは飲み干す。
「グフフ…今度は、お前を気持ちよくしてやるよ…最高にな。」
スカーフェイスはなにやら液体…のようなものの入った小瓶を手に取った。
その中の物を指につけると…ジェイドの『下の口』の中に挿入する。
「あっ…な、何を…っ!」
すると…ジェイドのそこが、今でも十分に熱いのに更に熱くなった。
「い、一体…何…を…」
「潤滑油、だ。…たァ〜っぷりの媚薬のオマケ付だがな。」
「そ、そんな…っ!」
先ほどよりも、もっと欲望が膨らんでいく。
そして、体も更に…敏感になっていった。
と、今度はそこへスカー自身を挿入する。
「あ、いや…っんあああっ!」
下から突き上げてくる耐え難い快感がジェイドを襲う。
ジェイドの『下の口』が、スカー自身をしっかりとくわえ込んでいる。
そしてスカーも…激しく腰を動かす!
「スゲエ…気持ちいいぜェ?ジェイド…」
更に激しく腰を動かし始める…!
「も、もういや…んああっん!!」





二人は同時に絶頂に達し…そして、果てた。
二人とも、息が荒い。…しばらくはまともにしゃべることさえできなかった。
だが、これほどの快感でさえも…ジェイドの欲望を満たしはできなかった。
まだ、ジェイドの中には欲望が…根強く残っていた。
(もう、こんなの…嫌…だっ…)
そして思わず口にした。




         『………キッド…先輩……』


                                 続く