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◆ 肉でファンタジー 共感呪術編


【 前回、お騒がせだったケビン達の一件がやっと片付きご苦労様なギルドの戦士達…?!でもでも…?
 またもや事件が起こりそうな気配が(笑)舞台はまたまた「名も無き国」から… 始まり、始まり〜♪ 】 




 ――ちなみに前編ラストからの続き…。
 ジェイド達は、帰って来たガゼルとクリオネを出迎えに、城の入り口へと向かう最中だ。
 
 此処の城なのだが、周りに堀があり城門をくぐった後、さらにお掘りに掛かっている跳ね橋を渡らないと城の玄関口に
 辿り着かないようになっている…そして夜の間は跳ね橋を上げ、朝方日の出と共に開門して橋を降ろす。
 いわゆる昔の侵入者避け。めんどくさい時もある…(急用とか)現在は城の使用人達が管理してくれてるんだけど…。
 そんな彼等と、にこやかに挨拶を交し合うジェイド達。
 
「おはよう御座います。ギルドの皆様方」×使用人S’
「うん、皆おはよう…今朝もご苦労様v」
 そしてまた、後光が差さんばかりのジェイドの笑顔で、使用人さん達の間にウットリとした空気が… 以下省略 (笑) 
 と、彼等の間からヒソヒソと話し声が聞こえて来る…。
(ジェイド様が俺に挨拶をv)
(バカね、私に挨拶したに決まってるでしょ!)
(…ジェイド様… … ハァハァ)
 そんな彼等を見て、思わず突っ込みを入れたくなるスカーだったり。
(コイツ等…分かってねぇなぁ、完璧に掌握されちゃってるよ。ま、でもジェイドを嫌う奴なんて居ねぇだろーけど)
 とか思ってるスカーへ振り向くジェイド。
「何、スカー…?今、俺の事考えただろ、顔色見たら分かるぞ」
「ぎくーっ!(怖っ)…いや、お前だったら笑顔1つでこの大陸も平定しちゃいそうかなーっと……」
「スケールのでっかい話だなー、俺もジェイドなら出来そうな気がするぜ」
「そうなったらこの大陸もさぞかし平和になるでしょうね。その場合、統一帝国にしますか、それとも共和国制に?」
「おっ!楽しい事言うじゃねーかチェック。そんときゃジェイドが皇帝、俺様が大将軍だな…グフフv」
「もう!チェックとキッドまで言うかな〜無理に決まってるだろ!」
 ――そんな、ビックスケールな話(笑)の最中。
 跳ね橋を吊り下げる鎖の音がガラガラと鳴り響き始めた…。
 
「そろそろか… 子豚の次に厄介な奴が待ってるぜ。好かれてて悪く無いケド、複雑だなぁジェイド…(ニヤリ)」
「面白がってるだろスカー…(泣)」 
 橋の向こうに見える城門の方も開け放たれ、帰って来た2人が城門をくぐる。
 まだ降りきらない跳ね橋のまん前で、話題の男が今か今かと橋が降りきるのを手を振りながら待っていた。
 そんな様子にジェイドは頭を抱え込み、皆も苦笑い…。
 と、跳ね橋が降り、奴が絶叫しながらダッシュして来る――!!
 
「シェイドちゃーーーんvv ラーーーヴ!!!」
 
 しかし、ジェイドに抱き付こうとする寸前、誰かが彼とジェイドの間に入り、目にも止まらぬ一撃を!!!
「キョカーーーッ!!!」
 
 刀を鞘に収めるチン!という金属音… 続いて、ザッバーーーン!!!と騒々しい水音…。 
「安心しろ、峰打ちだ…」
 そう、其の芸術的な一撃で見事、敵?!はぶっ飛ばされたのだった。
「オーッ!イッツ・ビューティフルですスカー!此れが遥か東方の大陸に伝わる剣技…居合抜き(燕返し)なのですね」
「此処までクリーンヒットしたのは始めて見たぜ… カッコいいなスカー!俺ももっと打撃系を鍛えてみよっかなー」
「んもー!幾らなんでもやり過ぎだよ!おーいクリオネ、大丈夫?」
 とか言いながら半分笑ってるジェイド。
 4人は堀に落ち、プカリと浮んだまま動かないクリオネを覗き込む… すると、背後から声が。
 
「返事が無い、只の屍のようだ… なーんてな」
 
 などと、寒〜いシャレを言いながら帰って来たのは――…。
「あっ、お帰りガゼルー!」
「ただいま皆、元気にしてたか?」 
「元気って言うか、ヘトヘトって言うか…まあ、とにかく昨夜の話を聞いてよガゼル…」
「ああ、何かあったみたいだな、朝から飛竜の所に居るなんて…?」
 立ち話も何なので、ギルドのある塔まで一旦戻る事にし、誰かさんを忘れ歩き始める5人。
(キョ〜…占いで水難の相が出たのはこの事か)←瀕死
「フン、この位避けれないなんて、身体鈍ってんじゃねーのかぁ」
 忘れ去られ、波間に浮ぶクリオネを覗きこみながら、そんな捨て台詞を残すスカー。
 
「け、剣技では最速を誇る抜刀術を、避けろってのか… しかも私は戦士系と違うし… ガクッ」←倒れ
 
 
 今朝は珍しく、塔へ出入りする為の城からの1階側入り口(普段は3階を使用)から階段を上がってゆく。
 階段ばかりだと足が笑いそうだ(泣)だから普段は遠回りでも城から入るのだが、ジェイド達はとにかく疲れていた。
 早い事ガゼルに仕事を引き継いでもらって休みたかったのだ… でもやっぱ、応接室のある5階までは遠い…。
「ううう、足が…」
「ジェイド、俺がお姫様だっこしてやろうかv」
(ムカつくけど怒る元気も無い〜…)
「相当疲れたみたいだな。一体何があったんだジェイド?」
「うん…昨夜このギルドに敵が来てさ」
「ええっ!此処の結界を破ってか、何者だ?… んで、お前達は……?」
「ありがと、怪我人も無いし…(コゲたスカーは?)大丈夫だったよ…だけど…」
 ジェイドはやっと辿り着いた応接室のドアノブに手を掛けながら、溜め息を吐いた。
「見たら多分ショックだと思うよ、こんなになっちゃって… …」
 
 一気に扉を開ける、――!!と、其処はもう真っ黒々の消し炭の世界。
 
「うおっ!なんじゃこりゃー!!」
「キマイラの火炎のブレス…悲惨だろ!せっかく家具や小物もアンティーク調でイイ感じなのをレーラァが揃えてたのに
 あーもう!ケビン王子ってば、やる事手荒過ぎ!!直すの大変だよぅ(T_T)」
 其の敵の正体を知り、驚くガゼル。
「ゲッ、て、敵って… 召喚士のケビン王子?!」
「そー言う事…」
 言いつつ、スカーの方をチラリと見るとバツが悪そうな顔してたり。
「俺様の監督不行き届きだってか?!ケビンの面倒なんて全部見てらんね〜よ!」
「いや、何となくね〜(笑) 気にしないでイイよスカー」←酷っ
 そしてジェイドからの頼み事が続く。
「俺達、昨日から休み無しだから、もう限界な訳… だから、ガゼルに此処の片付けお願いしてもいいかな?」
 ガゼルは暫し室内を眺めていたが、こくりと頷いた。
「しょうがねーなぁ…ま、其の場に居なくてラッキーだったと思ってやらせてもらうさリーダー。にしてもこりゃ壁と床
 全面のタイルと壁紙の張代えだな… 後は、テーブルとその他諸々か… やれやれ…」
 そんな殊勝なガゼルに、皆の激励とも冷やかしとも付かない台詞が飛ぶ。
「ガゼルってば太っ腹ー!俺なんて片付け大っ嫌いなのにさ」
「それはいけませんねキッド。やはり身の回りの整理整頓はすべきです」
「って、オイ!チェック。お前こそ宝物庫を何とかしろや!」
「ははは…(苦笑)ありがとう皆。まあ、手が足らなかったらもう1人居るし、何とかなるだろう」
 
「万太郎達も居るしね… … ん、そういえばさぁ… 其のもう1人って… …」
 此処でようやく、ハタと気づくギルドのメンバー。思わず窓際に駆け寄り、下のお堀を覗き込むと、――其処には…。
 
「よっ!クリオネさん大陸一!!」
 掛け声と声援、パチパチと手の鳴る音が響く。
「お次は、氷芸でござーい!あ、塔から覗いてるのはジェイドちゃんvv見て見てー!」
 ――堀の中から手を振りながら、得意げに水芸を披露するクリオネ…其れを見学する使用人と、城に来るお客さん達。
「……あ、AHOがおる…」
「水生生物の奴、何であんなに楽しそうなんだ」
 思わず気の抜ける光景… が、其の時思い出したかのようにキッドが叫んだ!
「っーか、ヤバイって!!確か堀には、侵入者避けに肉食の魚が!!」
「ゲェーーッ!!」×4人
 既にクリオネの背後には、黒い魚群の影が… どう見ても鯉には見えない(笑)其の魚の群に気が付いたお客さん達が
 後ろ!後ろ!などとドリ○調に叫んでいるのにも関わらず、当の本人は絶好調…。
「あわわわっ 俺、知ーらないっ!」
「そうでしたか…たまに釣ってたあの魚は食用ではなかったのですね。とても美味しいですのに…」
「クリオネ、お前って奴は大陸一の漢(ナイスガイ)だったぜ… ププッ」←お悔み
 こんな皆の反応に、ガゼルも一言。
「お、お前等さぁ… ま、いっか クリオネだし。 さて…仕事に取り掛かるか」←心配ナッシング
 皆、其々に次の行動へ移るのであった…。
 
 其の後、クリオネの身に降り掛かった阿鼻叫喚の地獄絵図?!からの脱出劇を知る者は少ない…

 ――そんな冗談めいたざわめきの中、ジェイドはそっとスカーに耳打ちする。
「えっと… スカーの所で休んでもイイ…? ちょっと… 今は2人で居たくって… …」
「ん、うちに来る?… …ああ、いいぜ」
 
 
 暫らく後、スカーの家に来たジェイドは身繕いを済ますと、先に彼の寝台に潜り込み、深い眠りの縁に落ちていた。
「なんだ、もう寝ちまったのか…?」
 スカーは其の姿に思わず笑ってしまう。てっきり誘われたのだと思ったから。
 そして、滑り込むように隣に収まり、ジェイドの身体を抱き締め、ホッと息を吐く…。
 
「相当疲れてんな… 昨日は色々気を使わせちまったし、当然か… おやすみ…ジェイド… …――」

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