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◆ 肉でファンタジー お探し物編


【 ――昔々ある所に…何て古くもないけど、ちょっとだけ物語チックなお話‘肉でファンタジー’
 其の世界の一つである此処「名も無き国」の良くある朝の風景から… 始まり、始まり〜♪♪ 】



「こら!スカーっ起きろってば!!こんな街中まで迎えに来させやがって、今日は非番じゃねぇ!!」
「…グフフ…まだ欲しいのかジェイド…?しょうがねぇなぁ、こっちゃこい…」
「寝ボケてんじゃねぇーーっ!!」
「ううっ、ひ、姫さん、あと五分…(眠)」
「ああ〜〜ん?!その呼ばれ方、俺が嫌いなの知ってるだろ!」
 言うが早いが、少年のコブシが寝ボケ頭にクリティカルヒット!…朝っぱらから実に賑やかである。
「…グフッ!ほ、星が見える… もーダメ…寝る」
「アホな事言ってないで起きんかい!今日もお客さんが来てんだよー!」

 ――この口喧しいが、実に可愛らしい少年の名はジェイド。
 タヌキを決め込んで眠ろうとしてるのがスカーと呼ばれてる奴で、眠そうに後ろに流した長髪をかきむしっていた。
 この物語の中核に居るメンバーの内の二人だったりするのだが、とある重要な仕事を任される身である…。


 という訳で、此処は建国して30年程になる「名も無き国」現在、国を治めているのは、魔導士にして国王であらせられる
 ブロッケンJr様。30年程前、この大陸で起きた大戦で名を馳せた伝説戦士の1人で、今もその名は広く知られている。
 現在この大陸には、3つの王国と多数の小国があり、小競り合い程度の戦はあれどやや平穏といった所だ。
(この国に名が無い事に関しては、また語られる時が来るだろう…)
 元々この地は、剣技や魔法を修行研究する為の施設や、建国前から続いた歴史のある、王立魔法学院などが立ち並ぶ
 とても古くからある街で、大戦後新しく国を建国するに当たり、王として民衆から選ばれたのがブロッケンJrだった。
 この街出身の貴族の出で、それはそれは立派な人である。
 旧魔法学院を主席で卒業し、文武両道才色兼備、尚且つ美人の ←(?!) お声も高かったりして…v 

 そして、この物語の舞台の一つでもあるこの国の城の中には、困り事や無理難題、お隣同士の苦情や?モンスター退治
 までを引き受ける為に、国民の苦情を陰ながらサポートしようという黄門様的解釈で、王様が個人的にコッソリ設立した
「請け負いギルド」(肉的何でも屋組合…笑)があり、王様には其処のボスという顔があったり無かったりもする…。 
(つまりはシークレット…?)
 彼等の仕事は上に述べた通りと、その他色々。国務クラスの依頼も多く、かなり忙しく方々を周ったりする事もあってか
 メンバーは皆、並々ならぬ実力の持ち主ばかりで構成されており、その表の顔や過去職業等は様々で、任務のある時は 
 お城内方「請け負いギルド」に集まって来るのだ。 ←何だかサークルの住所みたいな気が…。

 言ってみれば、表向きには存在せず、かなり特殊な任務もこなす、国王陛下直属の裏方集団… かな?(笑)
 ――さて、今日は何の依頼で、どんな活躍を見せてくれるだろうか…。


「一応、応接室に通してもらってるから、早く城に来いよ!スカー」
「分かってるってジェイド!其処で待ってろ。一緒に行こうぜ」
(1人遅刻で遅く出勤すんのも忍びないし…王様も結構口喧しいんだよなぁ、コイツにそっくりで)
「んも〜今日のお客さんビックネームなんだからな!粗相すんなよ」
「ハイハイ… ったく 誰だ、俺様の高貴なる眠りを邪魔しやがった奴は…」
「…スカー!そんな口を、お客様に利きやがったら…(怒)」
「お、おう!わかってらい!!」 ←内心ビクビク

 スカーが身支度を済ますと急いで家を飛び出た。――ジェイドが真っ白なローブを翻しながら先を急ぐ。
 首に付けてる翡翠の付いた皮のチョーカーと、肩に掛けたグリーンのケープが、彼の可愛いさを益々強調させているが
 そんな事、面と向かって言ったりすると「カワイイなんて言うな!」と怒られる。 
(でも可愛いモンは仕方ねーだろ!) ←スカー談
 自分からの贈り物である其れを大事につけている辺りがなんとも… 愛情を再確認なスカーだったりしてv
「ったく、人手が少ないんだからキリキリ働けっての!」
「へーい…」
(この口喧しさが無きゃ最高なんだけどな…凹)
 
 まず、この2人から説明せねばなるまい。ジェイドはこの国の王立魔法学院出身… いや、在学中なのだが優秀な事に
 現在主席で、ブロッケン王の教え子の一人だ。忙しくも、ギルドとの2足のワラジ状態で頑張っている。
 王妃を娶らなかった王が幼い時より手元に置いて、とっても←(強調)可愛がっている為に、事実上は王子様状態。
 時期国王と目されているが、その愛らしい容姿の為に翡翠の姫と呼ばれ、親しまれちゃったりして (苦笑)
 だが、若くとも攻撃系の魔法をいとも容易く操る天才魔導士だ… 世間で語られる通り名は「白の導士」と…。

 そして、スカーフェイス 通称スカー。元傭兵で昔は「軍神(マルス)」と呼ばれ恐れられるほど腕の立つ戦士だった。
 過去の戦場での活躍ぶりの為か今もって「きっと何処かの国で、刺客でもしてたのだろう」と陰で言われているのにも 
 関わらず本人はいたってのん気に構えている。特殊な体質らしく、魔法の類が効き辛い事も、強さの秘密のようだ。
 どうやら、2年程前に王様とジェイドに出会い、この国に骨を埋める覚悟で傭兵稼業にピリオドを打ったらしい…。
 その昔、とある方と身分違いの恋の噂もあったのだが、現在はジェイドの恋のボディガード?!…の、つもり (笑)

 
 そんな導士様と軍神様が、スーパーダッシュ○ボタン↑って感じで(笑) お城に向かって爆走する様子を、街の人達は
 何時ものように暖かく見守ってたりする訳で… にしてもこの親しみやすさ、国民の人気は絶大なモノがあるようだ。
 ――だから2人の通り道には、必然と人達が集まってくる…。

「ジェイドちゃんおはよう。今朝もご苦労様v」
「あ、肉屋のおかみさん、おはよう御座いま〜す!」
「これ、お城に持っていっておくれ。王様の好物だよ」
 渡されたのは街の人達が用意してくれた篭いっぱいの食材や雑貨。其れをにこやかに受け取って礼を言うジェイド。
「うわ、何時もありがとう御座います…だから、おかみさんも、この街の人も大好きv」
 後光が差さんばかりのジェイドの笑顔が振り撒かれ、街の人、老若男女問わずウットリとした空気が流れる…。
(て、天然だ、天然で人心を掌握してやがるよ…) ←スカー心の声
 彼等の傍に居たお年寄りの1人が、ジェイドに向かってしきりに有り難がってたり。
「ブロッケン王のお姫さまかい?随分と綺麗になられたもんじゃのぅ…」
「いやだなぁ、おばあちゃん…俺は男ですよ……」 ←(怒)
 何時もの事と苦笑いしながら、その一部始終を見てたスカーに、微笑みつつも押し付けるように篭を渡すジェイド。
「持てよ…!」
「ああ…」(俺は荷物持ちかい!)
 そしてまた2人は、城への道を急ぎ足で去ってゆくのだった…。

「あれで未来の国王様と将軍様なんだから、笑っちゃうよねぇアンタ」
「これ、滅多な事を言うんじゃない。でもま、確かになぁ…(苦笑)」


 城下町とは言え、お城までは結構な道のりだ。ジェイドはブロッケン王の傍で育ったので城住まいなのだが、スカーは
 街中に居を構えている。其のせいで時折(頻繁に?)こんな感じで連れに行くのも日常茶飯事になってしまっていた。

「あ〜あ、俺も城から街中に引っ越そうかな……」 
(お前と一緒に居たいから…)
「んぁ?何か言ったかジェイド〜」
「ううん、何でもなーい。もう少し早起きして俺の負担を減らしてくれよな、スカー」
「何とか頑張るわ… 姫さん」
「ああ〜〜ん!また言いやがったなこのヤロー!」
 走りながら後頭部へのハイキック!!魔導士とは思えない程の手腕である (笑)
「痛ってー!ジェイド、てめ!武道家に転職しやがれっ!…… …いえ… 是非して下さい…」 ←へりくだり
 とまあ、こんな2人だが本心は…。

(ホントは別に呼び方なんてどうだっていい。スカーに構われるのが好き
 ううん、そうじゃなくて、スカーが自身が… 好きだから)

(蜂蜜色の髪が風でフワフワしてて可愛いな… いや… 綺麗になった。
 出会った時は、まだ子供だと思ってたのに、ジェイド…)

 ――其々の思い。一緒にギルドで任務に就いているから別々に行動する事だって多々ある。 
 だから、一緒に居れるのがやっぱり嬉しい2人なのだ。

 
 ――街中を突っ切り、肩で息を切らしながら城門をくぐり、お堀に掛かった跳ね橋を渡って…。
「ふぃ〜セーフ!セーフ!!」 
 と、玄関先では一人の仲間が待ち構えていた。
「アウトだっての… 思いっきし遅刻やん!でもま、おはよ!スカー、ジェイド」
「おはよーキッド!ゴメン、コイツの寝坊の所為でお客様の世話させちゃってさ」
「何時もの事じゃん…(笑)もう諦めてるって」
「いゃ〜悪ぃなキッド。夢の中で金髪可愛こちゃんな夢魔に襲われちゃってさ〜 いいトコだったのよ!」
「…誰が、サッキュバス(夢魔)だったって……スカー?」
「ヒッ…(怖っ)だ、誰だったかなぁ…?」
 にこやかに凄みを利かすジェイドと、慌てて言い直すスカーのやり取り。何時見ても楽しいから待ち時間の長さとかも
 苦にならない?不思議だ。やっぱ2人は、このギルドのムードメーカーなんだなって思うキッド。

「相変らず仲イイな、お前等… さ、お客さんが待ってるぜ!」
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