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◆ アクア☆ラブ 〜イルカのような君なりき〜


あの凄まじいバレンタインデーが過ぎ去り、いよいよ今月はホワイトデー!!
愛しのジェイドをいかに喜ばせるか・・・で、二人の男(スカー&ケビン)は毎日頭を抱えて悩んでいた。
ちなみに、ブロッケンは用事が長引いてまだ帰ってきていない。
あの奇妙な共同生活はまだ続いていたのである。

ある日の事、ジェイドはソファーに寛いでテレビを観ていた。
その隣でスカーは天井を睨みつけながら何やら思案中の様子。
ケビンは一人ベランダでこちらもまた、何やら考え込んでいるようだ。
そう、今スカーとケビンはそれぞれホワイトデーの事で頭がいっぱいだったのだ。

『もうすぐホワイトデーだ・・・。一体何をしてやればジェイドは喜ぶんだ!?甘い物をプレゼントすりゃいいのか?(笑)
 い、いや!そんな単純な事ではダメだ!スカーの事なんか、一瞬にして忘れ去るような凄い事でなきゃな・・・・』
狭いベランダでデカイ図体で悩むケビンであった。(笑)

『クソ〜〜〜・・・オレ様は今すぐにでもジェイドをモノにしたいんだがな。(オイ)しかし・・・イキナリ力づくで
・・ってワケにもいかねえし・・・。お返しするっつった手前、何かしてやんなきゃいけねえよな。
アイツの喜ぶ事って・・・・なんだ〜〜〜ッ!?』
小さいソファーでデカイ図体で悩むスカーであった。(笑)

「あ〜〜〜〜〜ッ!!!」

突然大声を出して、テレビの画面を指差すジェイド。
考えに耽っていたスカーとケビンも、現実に引き戻された。
「何事だっ!?」
ケビンがベランダから室内に飛び込んできた。
「なんか変なモンでも映ってんのか?」
スカーもまた、テレビ画面を凝視する。
そこに映っていたのは・・・・今話題のオープンしたばかりの水族館であった。
その映像を見るジェイドの瞳は、まるで子どものようにキラキラと輝いていた。
「オレ、ここに行ってみたいんだよ!イルカショーも人気あるんだって」
その言葉を聞いたスカーとケビンは、二人同時にジェイドに詰め寄った。
「オレが連れてってやるぜ!ホワイトデーにな」
「なにィ〜〜!?オレ様だっっ!!なっ?ジェイド!!オレと一緒に行こうぜ!!」
「お前はツバメだろ〜?(笑)水とは相性が悪ィよ。(そうなのか?)ここは紳士のオレに任せろ!」
「鬼公子のくせにふざけんなッ!イルカが怯えて逃げ出しちまうだろがっっ!!」
余りの二人の剣幕に、ジェイドはしばし呆気にとられていたが、なんとか我に返り二人を止めた。
「二人とも止めろ!じゃあ、三人で行こうよ。いいだろ?オレは三人で行きたいな♪」
と、ニコッと二人に微笑みかける。
その笑顔に、ついつい二人も
「あ・・・ああ、そうだな・・・」
「お前がそう言うなら・・・」
と、不承不承ながらも納得してしまった。
・・・・が、内心では色々と考えを巡らせているのであった。(笑)
『まあ・・・いいさ。アフターはジェイドと二人の時間だぜ』
『水族館から出る前にジェイドをオレ様のモノにしてやるぜッ!!』
                                     
  ★柊 コウ

そして、ホワイトデー当日。
3月の晴天で、正しく春の日和の暖かな日であった。
が、平日という事もあって水族館の前もそれ程ひどい混雑はない。
「早く!早く早く入ろう!!」
よほど今日という日を楽しみにしていたのか、ジェイドは自分の両側を歩くスカーと
ケビンの腕をグイグイと引き、その足取りは弾むようだ。(笑)
「コラコラ・・・(笑)そんなに手を引っ張るなよ、ジェイド。水族館は逃げやしないさ」
ジェイドに手を引かれて、すごく嬉しい(笑)ケビンは台詞とは反対に自分も足を早める。
反対にスカーは
「相変わらずお子チャマだな、ジェイドは。ホラ、あんましはしゃぎすぎて転ぶなよ?」
と、自分のデカイ手にかけられたジェイドの小さい(?)手をここぞとばかりにギュッと握った。
「だって・・・だって・・・オレ、イルカも見たいし、セイウチ(笑)も見たいし、それから・・・それから・・・
クリオネ(爆)も見たいんだ〜〜〜〜ッ!!」
はしゃぎすぎて、最早半狂乱(オイ)のジェイド。
 
今日はホワイトデーという事で、水族館の入り口では女性客にバラの花一輪とイルカのヌイグルミをプレゼントしていた。
さすがに自分達には関係ないので、3人がそのまま通り過ぎようとすると・・・・
「そこのカワイイお嬢さん。ホワイトデーのプレゼントですよ」
プレゼントを配っている、着ぐるみの巨大ペンギン2匹の内の1匹が言った。
が、どこかに「カワイイお嬢さん」がいるのだろう・・・と3人は気にもとめずに入館しようとした。
「お嬢さんてば!プレゼントを受け取らない女性の方は今日は入館出来ませんよ」(オイ)
まだペンギン男が言っている。
さすがに、プレゼントを拒否しているらしい美女に興味を感じて3人は足を止めて辺りをキョロキョロと見渡した。
・・・・・が、おかしな事に今水族館の入り口にはジェイド、スカー、ケビンの3人と巨大ペンギン2匹しかいなかった。
「??????」
ワケがわからず、3人が訝しげにペンギン男の方を見ると・・・
「ハイ、お嬢さん。プレゼントをお受け取り下さい♪」
巨大ペンギンは、ジェイドにプレゼントを差し出した。(笑)
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
あろう事か、女の子(しかもカワイイ・笑)と間違えられたジェイドは、怒りと動揺でブルブルと身体を震わせて
立ち尽くすのみで、言葉を発する事も出来ないようだ。
スカーとケビンは可笑しくて仕方なかったが(笑)、ここで笑ってはジェイドの機嫌を損ねるので(もう損ねてる)
笑いを噛み殺して
「オイ、ペンギンさんよォ、この子は“お嬢さん”じゃないのよ。こう見えても(?)れっきとした男の子なのよ〜?」
「そうだ。切り裂かれたくなかったら、そのバラを引っ込めな」
と、ジェイドを擁護(?)する。
「ええ!?この人は男なんですか??・・・・嘘でしょう?こんなカワイイのに・・・・」
ペンギン男は、信じられない様子。
「男だっつうの!ちゃ〜んと、ナニもついてんだぜ?」
「・・・・相変わらず下品だな、スカーは。・・・・それより・・お前・・・・み、見たのか!?」(笑)
スカーとケビンの会話を聞いても、まだペンギン男は信じられないようで
「イヤだな〜、からかわないで下さいよ、お客さん!(笑)こんなカワイイ子、滅多にいませんよ。絶対女の子に決まってる!!」
「そうだよな〜?・・・本当にカワイイな♪バイト、もうじき終わるんで、その後デートしてくれませんか?」(オイ)
2匹目(笑)のペンギン男も、ジェイドを女の子だと決め付けている。
「・・・・あのな〜・・・お前ら・・・」
と、スカーが言いかけたその瞬間・・・・

「オレもカワイイ〜?」
そんな声が聞こえたかと思うと・・・
「キョキカーーーーーーッ!!」
奇声と共に、クリオネマン登場!!
                                      
      ★森永 メロン 


イキナリの奇声にビビりまくるペンギン2匹と超人3人。
「なんだ〜??な、なんでオメエが此処にいんだよッ!?」
「キョッ!?いいじゃないですか!私だって水族館は大好きだからな!故郷を思い出すんだ・・・」
「はわわわ〜〜っ!!・・・・ば、化け物ッ!!」
「け・・・・警察を呼べ〜〜〜ッ!!」
2匹のペンギンは恐怖に慄いている。
化け物扱いされたクリオネは・・・・
「キョカーーーッ!!私は怪しい者ではありません〜〜ッ!!」

ドカッ!!(オイ)

そう言いながら、2匹のペンギンを思わずどついた。
着ぐるみとはいえ(笑)、相手は人間である。
超人に軽くどつかれただけでも、あっさり気絶してしまった。
「あ〜あ・・・なにやってんだよ、クリオネ。折角これからジェイドと楽しい時を過ごすんだから、騒ぎを起こしてくれるなよ」
呆れ顔でクリオネに文句を言うスカー。
と、その時ジェイドが
「あっ!!早くしないとイルカショー始まっちゃうかも!急ごう!!」
とスカー達を促した。
「あ・・・おお!」
「私もご一緒しよう!」
「ああ!?テメエはお呼びじゃねえよ!どっか行きな」
冷たく言い放つスカー。
「キョカッ!?いいじゃないですか!!・・・いいでしょう、ケビンマスク?」
すかさずケビンに同意を求めるクリオネ。
「ダメだ!・・・・邪魔すんな」
ケビンにも冷たく突き放されてしまった・・・。
「グッ・・・皆、なんて冷たいんだ!?ジ、ジェイドはどうですか?まさかお前までそんな冷たい事は言わないだろうな?・・・グス(泣)」
「ク、クリオネ!泣くなよ〜!!勿論一緒でも構わないさ!!」
やはりジェイドは優しかった。
「ありがとう!!ジェイド〜〜〜ッ!!」
嬉しさの余り、勢いよくジェイドに抱きつくクリオネ。
しかも、さり気なく可愛いホッペにキスまでした!!
「ゲエエエエエ〜〜〜〜ッ!!??」←スカー&ケビン(笑)
まさかのクリオネの行動に、スカーとケビンは怒りに身を震わせた。
「こっ・・・この野郎!!クリオネ〜〜〜ッ!!!」
凄まじい殺気がクリオネに迫る!!
「・・・ヒエッ!?な、なんですか・・・二人とも・・・」
思わず、2〜3歩後ずさりするクリオネであった。
「なあ〜・・・もうショーが始まっちゃうよ!早く会場に行こうよ!!」←そればっか(笑)
ジェイドは3人の男達の様子にはまるで気付かずに、頭の中は既にイルカショーの事
だけであった。(笑)そして、セイウチも早く見たくて堪らなかった。そんなジェイドは無邪気に一人、
会場へ向かって走っていってしまった。(笑)
クリオネも、すかさずその後を追おうと一歩足を踏み出したところで・・・
グワシッ!!
スカーとケビンに首根っこ(笑)をガッシリと掴まれてしまった・・・。

「あれ・・・??」
会場の入り口まで来たところで、漸くジェイドは三人がいない事に気が付いた。
「3人ともどうしたんだろう?まさか・・・迷子になってるのか?・・・・ま、いっか!」←ヒドイ
平日のせいか、このイルカショーの会場も空いているのでジェイドはすかさず一番前の席を陣取った。
「あ・・・なにかお菓子でも買ってくりゃよかったな。・・・まだ時間あるし・・買ってくるか」
と、ジェイドが立ち上がろうとした瞬間・・・自分の両隣の席がスッとふさがった。
スカーとケビンだった。
「ホラ、ジェイド!イルカ型のキャンディー(笑)だ」
「そら、ネクター(笑)だ」
スカーはキャンディー、ケビンはジュースをジェイドの為に買ってきてくれたのだ。
「わ〜♪ありがとう、二人とも!・・・コレ買ってて遅くなったのか?サンキューな♪・・・・あれ?クリオネは・・・??」
なぜか、スカーもケビンもその問いかけには答えなかった。
ジェイドが不思議そうに小首を傾げていると・・・・遠くの方から人々の叫び声が聞こえた。
「・・・・???・・・・なんかあったのかな?」
騒ぎの声をよく聞いてみると・・・
「オイ、見たか?なんだか、クリオネの水槽に巨大なクリオネが浮いてたらしいぜ!!突然変異かもしれねえって」
「ヘエ〜〜〜!!オレも見てこようっと!」
・・・・・・そう、それは正しくスカーとケビンの仕業であった。(笑)
しかし、ジェイドはというと・・・
「ふ〜ん・・・妙な事もあるもんだな」
まったく気が付いていない。(笑)
さあ、邪魔者は消えた!!
またもスカーとケビンの間に火花が散る!!
                                  
 ★柊 コウ

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