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◆ 聖夜に赤い雨は降りぬ


風呂から上がったジェイドは、上気した肌に柔らかいバスローブを纏ったまま脱衣場から出かねて、
さっきからその場に立ち尽くしていた。
・・・・・ドク、ドク、ドク・・・心臓が早鐘のように激しく鼓動している。
寝室ではスカーが待っているのだ。
「まだ未成年だから」「レーラァに怒られるから」「決心がつかないから」「お腹の調子が悪いから(笑)」
等等・・・様々な理由をつけては、今までずっと拒み続けてきた。

つい3日前も、スカーの要求を「昼間、練習で腰を痛めてしまったから」と断って、さも不満げにぶうたれる
スカーの気を逸らそうと、話題を変えるつもりで
「そういえば、もうすぐクリスマスだな?スカー、クリスマスプレゼントは何がいい?」
と訊ねたジェイドに、スカーはニヤリと不敵な笑みを浮かべて言ったのである。
「ははん。物はいらねえ。オレ様が欲しいモノはただ一つ・・・お前だ。クリスマスプレゼントはオ・マ・エ。
お前をまるごと頂く♪」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
ジェイドは何も言い返せなかったのである。
そんなジェイドにスカーは今度は妙に爽やかにニッコリと微笑んで
「勿論、オレからお前にもプレゼントはやるさ。お前へのクリスマスプレゼントは・・・オレ♪」(死)
「〜〜〜〜〜〜〜。」
ジェイドは完全にノックアウトされてしまったのであった。

そんなわけで、クリスマスイヴの今宵、ジェイドは遂にスカーとヤらなければならないのだった。(オイ)
「ああ・・・どうしよう・・・・・・」
絶望的な口調で呟いて、ジェイドは両手で顔を覆った。
ーーーーーどの位そうしていただろうか? 
「オイ、ジェイド!何やってんだよ?長風呂しすぎて、のぼせてんじゃねえのか!?」
突然ドアの向こう側からスカーの怒鳴り声が・・・。
声の大きさからスカーがドアのすぐそばまで来ている事がわかる。
「だ、大丈夫だ!もう出たよ!」
ジェイドは無意識にバスローブの合わせ目をギュッと押さえながら大声で答えた。
「早く来いよ!待たされすぎて眠っちまいそうだ」
ドアの向こうでそう言って、スカーが遠ざかっていくのが気配でわかる。
・・・・ドク、ドク、ドク、ドク・・・さっきよりも激しく心臓が高鳴っている。
このまま破れてしまうのではないかと思う程に・・・。
痛みすら感じたような気がして、ジェイドは左胸を強く押さえてふと鏡に写る自分の姿を見た。
肩につく位の絹のようなプラチナブロンドの髪。陶器のような白く艶やかな肌。
そして、まるで翡翠を嵌め込んだかのような緑色の瞳。
誰もが彼の事を美少年だと言う。
鍛え上げられた筋肉の鎧を纏っていても尚、「お人形さんみたいに綺麗なコね」
(笑)なんて言われる事もしょっちゅうであった。
ジェイド自身は、自分の容姿に何の執着も自信もなかった。
こんなどこにでもいそうな男(と、彼は思っている)の身体を、何故スカーはあんなにもしつこく・・いや、
熱く求めるのだろう?
自分かスカーのどちらかが女であるならば(笑)、ジェイドにだって性的な要求の意味は解る。
だけど、自分たちは2人とも男だ。
男同士で愛し合う仲になったからこそ、肉体関係のない真実気持ちで結ばれた関係ではダメなのか・・・?
こんなクソ真面目なジェイドであるから、執拗に肉体関係を迫る(セクハラかい(笑))
スカーの気持ちにいまひとつ確信が持てないのだ。
また・・・愛だの恋だの、を語るにはジェイドはまだ余りにも幼かった。
{やっぱり、ダメだ!・・・こんな気持ちのまま、スカーを受け入れるわけにはいかん!}
この期に及んで、スカーにとっては最も酷な決意を固めるジェイド。
{・・・・・代用(笑)のクリスマスプレゼントは何か別の物を考えよう}
そう決心すると、まるでこれから戦いに臨むかのような厳しい表情で脱衣場を出て、そのままスカーの待つ寝室に向かう。

自分でも驚くほど冷静にドアを開けて、スカーを今夜も拒むべく(笑)部屋へ一歩足を踏み入れると・・・

ぐわっしい★★

「・・・・・・!!」
「へっへ〜ん♪待ってたぜ、ジェイド!」
「ス、スカー・・・!!」
いきなり後ろからガバッと抱きすくめられ、ジェイドの身体はスカーの腕の中にすっぽりと収まっていた。
「待っていたぜ、この瞬間を!ここまでオレ様をじらしたからにゃ、今後た〜〜っぷりと身体で返してもらうぜ?」
「ま、待て!・・・まだ・・・・・ダメだ・・・」
「・・・??」
一瞬呆気に取られて、上からジェイドの顔を覗き込んでいたスカーだったが
「・・・・・・・テメエ・・・オレ様をからかうのも大概にしろよ・・・?」
そう言うが早いか、ジェイドのバスローブを後ろから荒々しく剥ぎ取った!!
                                   
  ★森永 メロン

「・・・・・・!?スカー!!待ってくれ!」
ジェイドは必死にバスローブを奪い返そうとした。
生まれたままの姿を他人に見られたのは初めてなのだ。
羞恥からか頬をピンク色に染め、バスローブ奪還に努めながらも下を一生懸命隠すジェイド。(笑)
しかし、スカーとのこの体格差、身長差からして、誰が見てもジェイドは不利な状況であった。
そんな可愛いジェイドを見てニヤつくスカー。
最初は条件反射でジェイドの攻撃(?)をかわしていたスカーであったが・・・

パシッ!!

腕を振り上げたジェイドの隙をついてその手首を捕えると、思い切り自分の方へ引き寄せた。
「あっ・・・・・・!!」
「グフフフ・・・お前は本当に可愛い奴だ♪そうやってオレ様を誘っているんだろう・・・?」
「なっ・・・!?違う!スカーが・・・オレのバスローブを奪ったから・・・・」
「照れるなよ。(違うぞ(笑))今まで我慢してきた分楽しませてもらうぜ・・・。最高のクリスマスプレゼントだ!」
そう言って、スカーはジェイドを抱き上げるとキングサイズのベッドへと放り投げた。
広いベッドの上に全裸で横たわるジェイド。
部屋の照明はベッド脇のスタンドのみにおさえられていて室内は薄暗かったが、今そこには
大きなクリスマスツリーが飾り立てられている。
1週間前にジェイドがはしゃぎながら飾りつけたものである。
ツリーのイルミネーションがチカチカと点滅を繰り返す、一見のどかな聖夜の風景なのだが・・・
今、ジェイドは大ピンチ(笑)であった。
スカーは暫しベッドの傍らに立ち、じっとジェイドの身体を食い入るように見つめていた。
まるで彫刻のような美しいジェイドの肉体。
普通の男では考えられないが、なんとも言えないフェロモンがその身体からは出ているのである。
スカーは堪らず、思いきりジェイドの上へ覆い被さった。
「・・・・・・!!やっ・・・・やめ・・・」
ジェイドの可愛い唇を、スカーは容赦なく塞いだ。
前々からじらされていたスカーは、それまで抑えられていた欲望を全て吐き出そうとでもいうかのように、
メチャメチャにジェイドの唇を犯した。
ジェイドはろくに息も出来ないようなこの激しいキスとスカーの情熱に翻弄されつつあった。
いつしか彼もスカーの激しいキスに応えていた。
そんな意外なジェイドの反応は、スカーにとっては嬉しい誤算(?)だ。
「・・・・・・いいんだな?」
今更止めろと言われても止める気など毛頭ないが(笑)、一応確認するスカー。
時折見せる、こんな気遣い(なのか・・・?)がジェイドの心に触れるのだ。
スカーはきっと自分を本気で愛してくれている・・・だからこそ身体も欲するのだ。
でも・・・・なにも無理に今日でなくてもいいのではないだろうか・・・。(笑)
もう少し気持ちの整理をつけてからでないと、安心して身も心も任せられない!
愛してくれているのだから、きっともう少し待ってくれるさ・・・。
「・・・・スカー・・・・やっぱり・・・まだ・・・」
さすがに言い辛そうに、普段とは違う覇気のない声で答えるジェイド。
「何ィ〜〜??この期に及んでまだオレ様を待たせる気かッ!?・・・・いい加減にしろよ?」
スカーもまた、ジェイドの繊細な悩みを思いやるには余りにも若すぎた。
強張ったスカーの表情に怯えたジェイドは、反射的にベッドから立とうと半身を起こしたが・・・

ガバーーーーッ!!(笑)

「・・・・あっ!?」
スカーはジェイドをうつ伏せにさせると、ジェイドの両腕を思いきり押さえつけた。
更に、身動きが取れないように自分の体重をかけて押さえ込んだ。
                                   
 ★柊 コウ
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