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◆ ☆ 可愛い君は恋も2乗  ☆

ある朝目覚めたジェイドは何やら嫌な予感がした。
昨日はこの特訓場でレーラァと遅くまで修行をしていた。
そして疲労の為、バッタリと倒れそのままグッスリ眠ってしまったのだ。
そして今朝も気持ち良く目覚める筈だったのに・・・・・・
「・・・・。なんだか今日は嫌な予感がする・・。」
まぁ、気のせいだろう!と考えを振り切り洗面所で顔を洗う。
「お〜〜い!ジェイド!!まだ起きんのか?もう6時だぞ〜〜!」
と、キッチンからブロッケンの叫ぶ声が聞えてきた。
「レーラァ!!すぐに行きます!」
昨日の夜は深夜2時まで特訓していたのに元気な彼等である(笑)。
キッチンへ入るといつもの通り朝食の支度がしてあった。
「おはようございます、レーラァ!」
「ウム。早く食べないと遅刻するぞ。」
そう、ジェイドはHF(ヘラクレスファクトリー)の学生であった。
「はい!」
素直に返事をし、黙々と食べ始める。
すると・・・・・・
「オ〜〜〜イ!!ジェイドッ!!早くしね〜〜と先に行っちまうぞ!」
外には学友(!?)のスカーが迎えに来ていた。
「あっ・・・スカーだ!!早く行かなきゃ!(汗)」
急いで食べるとブロッケンに行って来ますの挨拶(笑)をし、早々に玄関に走る。
「スカー、おはよう!」
「オメ〜〜遅ぇぞ? もっと早く起きろよな。」
ここで簡単に説明すると、HFから近い場所に住んでいる者は通いである。
ちなみにスカーはマルスの姿ではなくてスカーフェイスの姿である(笑)。
HFの近くまで行くと、クリオネが何故かHFとは逆方向のこちらへ向ってくるではないか。
「あれ?クリオネ・・どうしたんだ?」
「キョカッ!?」 (オイ)
「????」←ジェイド
「い・・・いや、私は忘れ物をしたもので急いで取りに向っているのですが・・・
ジェイド、あなたはさっき教室に居ましたよねっ?(汗)」
「えっ!?これから初めて教室に行くんだけど?」
「・・・・・??おかしいですねぇ〜。居たと思ったんですが。私も挨拶しましたし。」
「おかしいのはテメーだろ?オレとジェイドはこれから行くんだぜ?ジェイドが教室に居るワケがねぇだろ。」
「う〜〜ん・・・ま、まぁ教室に行けば解る事だと思いますが・・・。
はっ!?早く忘れ物を取りに行かないとっ(汗)  それじゃ!」
クリオネは焦りながら逆方向へと消え去って行った。
「オレが教室に!?まさか・・・」
「勘違いに決まってんだろ。さぁ、行くぞ!」
急ぎ足で2人が教室の近くまで行くと・・・教室の中から学友が。
「おっ!?1時間目はレジェンド達と特訓するらしいぜ? 早く行かないと・・っ
て、ジェイド!?お・・お前さっきオレより先に外へ行ったよな?」
再びおかしい事を言われる。
「行って無い・・・どうなっているんだっ!?」
少々混乱し始めたジェイド。
「落ち着けよ、ジェイド。早くオレ達も準備してグランドへ向おうぜ。」
荷物だけ教室に放り投げると2人は急いでグランドへ・・・
既に他の皆は整列している。
そしていつもジェイドが立つ場所を見てみると・・・
「ゲェェェェ〜〜〜〜!?」 ←ジェイド・スカー
なんとっ!!
そこにはもう1人のジェイドが居た!!
「オッ・・・オレがもう1人!?」
余りの驚きに動揺を隠せず、もう1人のジェイドを凝視する。
「ジェイドォ!?」
スカーもやはり驚いているようだ。
「もう1人のオレもオレで、オレはオレ・・」 (オイ)
頭の中はメチャクチャのようだ(笑)
「落ち着けジェイド!!」
軽く頬をパンッ!と、叩きジェイドに自分を取り戻させる。
「スカー・・・・・オレ、本物だよな?あいつは一体?どうしたらいいんだ?」
「とにかく・・・あいつが誰だか確かめてやろうじゃねぇかっっ!!」
そしてスカーはジェイドを引連れ、ズカズカともう1人のジェイドの元へ歩いて行った・・・・。

                            ★柊 コウ


平然とした様子で、本来ジェイドが居るべき場所に整列しているもう1人のジェイド・・・。
混乱の余り泣きそうになっているジェイドの手をどさくさまぎれに(笑)しっかりと握ったスカーは、
ズカズカと偽物(?)のジェイドに向って歩きながら考えていた。
{グフフ・・・・♪ なんだかよくわからねぇが、このハプニングはオレ様にとってはもっけの幸いだぜ! 
ジェイドは今、不安と混乱でパニック状態だ。そこをオレがかっこ良くさばいて解決してみせれば・・・・
ジェイドはもうオレ様にイチコロだぜ!! グフ♪   
なんせ・・・今のオレはこのゴリラ着ぐるみ(?)だからな〜〜(汗)
ルックスで落とすのは、ちとキツイってもんよ。 ジェイドの奴・・・純情ぶってる割りには面喰いだからな。 
あ”〜〜〜、でも本来のオレ様はイイ男なのにっっ。 素顔を見せられねぇのはツライぜ。 
まぁ・・・・・いずれ、その内に・・・な。 とにかくここは、カッコ良く大人に決めてみようじゃねぇか! }
・・・・難だか不純な動機ではあるが、この奇妙な状況を解決しようとスカーは大張り切りなのであった。
ズン!と偽ジェイドの傍らに仁王立ちになったゴリラスカー(オイ)は、
「オイ!!テメエッ!! ナメた真似してんじゃねぇよ、朝っぱらから。ジェイドの着ぐるみなんか被りやがって・・・
テメエは誰だっ!?」
そう言って、黒めのない目で睨み付ける。(どうやって?)
しかし、スカーに凄まれても偽ジェイドは平然としたまま立っていて、スカー達の方へ顔も向け様としない。
その横柄な態度に、スカーはあっさりキレた。
「聞いてんのかっ、こんガキャァァァァ〜〜(怒)!!」
そう怒鳴ると、偽ジェイドの肩をガッシと掴んで、強引に自分の方へと振り向かせた。
「・・・・・・!?」
そこで初めて、本当にスカー達の存在に気付いたといったカンジで、偽ジェイドが驚いたような表情でスカーを見上げた。
そのキュートな顔立ちは、正しくジェイドでどんな精巧に出来たマスクでもここまで可愛らしくはならないだろう。
その透けるような白い肌の水々しさといい・・・どう見ても‘ 生身 ’であった。
「ウッ・・・・・・!?」
至近距離で見てしまった、偽ジェイドの美貌に不覚にもスカーはドキリとしてしまった。
偽ジェイドの肩に大きな手を置いたまま、偽ジェイドと見詰め合うゴリラスカー。本当のジェイド(笑)も、
間近で見た「もう1人の自分」を呆気に取られて見つめている。
ーーーーどれくらいの間そうしていただろう・・・・?
その凍てついたような沈黙を破ったのは、偽ジェイドだった。
「・・・・・・・おや・・・ワイルドなお方♪ 僕の好み♪ 君・・・名前は何て言うの?僕はジェイド♪」
真ジェイドと全く同じ声だった。
だが・・・・・その口調といい、スカーを見つめる目付きといい・・・
全てがセックスアピールそのモノだ!!
真ジェイドにはない(笑)、お色気の固まりのような偽ジェイド。
スカーと真ジェイドは元より、その場に居た他の生徒達も、突然現れたこのセックス
シンボル(笑)に呆然と魅入っている。 中には内股になってモジモジしてる奴もいた(笑)。
そんな雰囲気を知ってか知らずか、お色気ムンムンのジェイドは・・
「皆、どうしたの?もっと若い男らしくワイルドに僕を歓迎して欲しいな〜♪
僕はね、そこにいる色気の無いボーヤの影でずっと心の奥底に閉じ込められていたんだよ。
そのボーヤの中に潜む色気が僕だよ。僕はこれから本体(?)とは別に、恋多き人生を楽しむために、
分裂してやってきたのだから!!」

                         ★森永 メロン

        
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