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◆ グノシェンヌ(#3)

 「後悔することになるぞ。」クリオネマンは、目の前の男を見据えつつ言った。「悪行超人マルス。」
 「フン。」マルスは嘲笑を崩さない。「それは、お前の方かも知れねぇな。全力でかかってきな。」
 「その必要はないさ―――」クリオネマンは笑う。冷たい笑みだった。
 「私は、お前と"戦いに"来たわけではないのだからな―――」
 マルスは一瞬怪訝な表情を見せる。だが次の刹那、その端正な顔に冷笑が戻っていた。
 「てめぇの芸は入れ替え戦で見せてもらってるからな。俺はてめぇに取り込まれるようなヘマはしねぇぜ。された所で、
 内臓の1つも潰せばカタはつくわけだ。」
 「私の技が、ゼリーボディだけだと思っているようだな。それが敗因だと教えておいてやる。」
 クリオネマンは言い放つ。
 「ああ? 今は夜だから熱線は使えねぇなぁー。フリージングの方は、大丈夫なのかねぇ?」
 「どうかな。」
 「まぁいい。さっさと始めようぜ、軟体超人。」マルスは両手を広げる。
 「その前に、一つ聞きたいことがある。悪行超人マルス。」とクリオネマンは彼を見た。
 「貴様は、どういうつもりでジェイドを抱いたんだ。」
 マルスは、一瞬クリオネマンを見て・・・・ 不敵な笑みを浮かべた。
 「どういうつもりで、ねぇ。 てめぇに何か関係あるのか?」
 「答えろ。」氷の蒼の瞳が、冷たくマルスを見る。
 「抱きたいから抱いた。それだけのことだ。」マルスは平然と言った。
 波の音だけがさざめいている。
 「悪行超人の貴様に」静かな声。「ジェイドに触れる資格などない。」握り締められる右手。
 マルスの冷たい瞳に鋭い光が宿る。「ゴタクはいい。さっさとかかって来い。」
 波の音が、変わらず辺りに漂う中。 クリオネマンは跳躍していた。

 真下にいるマルス。 「ジェリー・フィッシュ!」空中でクリオネマンの姿は、巨大な海月に変化する。
 ニヤリと唇を歪めたマルスの背で、スワロー・テイルが動く。
 無数の触手が頭上から襲い掛かる。マルスに届くかという寸前、
 「スワロー・テイル!!」鋼鉄の帯は触手を通り抜け、クリオネマンの頭と胴が変化した本体に直進した。
 本体にめり込むスワロー・テイル。マルスは笑った。次の瞬間、触手がマルスの上半身に取り付く。
 「・・・・!」 振りほどこうとする腕を取り込んでいる無数の触手。巨大な海月が、マルスの上半身を飲み込んでいる状態になった。
 「ジェリーフィッシュ・ポイズン!」触手が一斉に蠢く。

 「・・・野郎!」マルスの中で、熱い血が逆流する。触手が緩み、次の刹那マルスの体は大気に触れていた。
 クリオネマンは飛び離れると元の姿に戻る。左肩に、僅かに切られた痕が残っていた。
 「変態が。舐めたマネしやがって・・・」マルスは踏み出そうとして・・・足が鉛のようだった。動けない。
 「な、んだと?」下半身に感覚がなく、胴体と腕が痺れている。頭も重くなっていた。
 「うぐっ・・・」体がよろめき、マルスはその場に倒れ込んだ。
 その有様を、冷たい目で見ているクリオネ。「言っただろう。私は貴様と"戦いに"来たのではないと。」
 右手を氷の剣が包んだ。「私は、貴様を殺すために来たんだよ。」クリオネマンは、一歩踏み出した。
 「害虫のような悪行超人。」一歩、一歩・・・クリオネマンは進んで行く。「それだけでも許しがたいのに。」
 ゆっくりとクリオネは、マルスまでの距離を半分ほど進んだ。「貴様はジェイドを傷つけ、踏みにじった。」
 立ち止まるとクリオネマンは、「その罪に相応しい、最低の死をくれてやる。」氷の剣を纏った右手を、宙に振り下ろす。

 「グ・・・フフフ・・・」全身が鉛のように地面に沈み、痺れて感覚がないまま、マルスは擦れた笑いを搾り出す。
 「・・・お友達思いなヤローだぜ・・・・随分と、入れ込んでやがるな・・・」唇も、同時に歪められる。
 「黙れ。」クリオネは立ち止まったままで言う。「一つ教えてやる。"ジェリーフィッシュ・ポイズン"は処刑専用の技だ。
 特殊な毒薬を、相手の皮膚に浸透させる。口から飲ませれば即死させることができるのだが、"正義超人"として、毒殺はまずいだろう?」
 唇で笑みを形作る。 マルスは軽蔑の眼差しを浮かべた。
 「第一の効果は、今お前が体験しているとおりだ。全身が痺れ、動けなくなる。第二の効果は、これから体験することになる。」
 クリオネは、目の前に氷の剣を突き出し、眺めた。
 「麻酔と逆の効果があってね・・・・"痛み"に対して、敏感になるんだよ。 ・・・だからこの技は、処刑専用と言うより、拷問兼用と
 言った方が正しいかな。今からお前は、地獄のような最大級の苦痛を味わえるわけさ。」クリオネマンは笑った。どことなく、
 涼しさを感じさせる笑みだった。
 「・・・ハッ・・・・ 呆れたもんだ・・・それで正義を語るたぁな・・・。」マルスは窮地の只中にありながら、不敵に笑いクリオネに言葉を
 投げつける。「dMpの・・・死魔王と麒麟男・・・ヤツらは、てめぇをスカウトすべきだったぜ・・・・・グフ、フ・・・」
 「その減らず口も直に叩けなくなる。貴様は何か勘違いをしているようだが、正義とは元々苛烈なものだ。悪は絶対に許さず、
 断固として叩き潰す。妥協の道はない。それが正義ということなのさ。貴様のような害虫は・・・」剣を振り下ろすクリオネマン。
 「即刻叩き潰さねばならない。まずは、その目と腕だな。」 「・・・チッ・・・」マルスはクリオネを睨む。「両目を抉り抜いてから、
 両腕を切断する。貴様がジェイドに与えた苦痛を、倍にして返してやる。」 (・・・かなり、ヤバい状況だな。)
 また一歩踏み出したクリオネを目で捉えながら思案するマルス。(自称正義のサド超人が。どんどん近付いてきな。射程内に入ったら、
 スワロー・テイルでズタズタにしてやる。・・・いい気になって警戒してやがらねぇようだが、体は動かせなくてもスワロー・テイルは
 動かせるんだぜ。)
 砂を踏みしめるクリオネの脚が止まった。「・・・だが、念には念を入れた方がいいな。貴様は油断がならん。」
 「・・・」マルスはクリオネを見据える。クリオネの右手の剣が変化した。まるで銃砲のような形に。
 「スターダスト・フロウ。」クリオネは、微笑と言える表情で笑った。「発射数には制限があるが、これで何発か氷の弾丸が飛ばせる。
 一斉発射すれば、超人と言えども相当なダメージだ。貴様の自慢の小賢しいスワロー・テイルも、使う余地がなくなるだろうな。」 
 (・・・読んでやがったか。)
 クリオネマンは、氷の銃砲をマルスの体に合わせた。「貴様に罰を与えるのはその後だ。」
 (・・・・絶体絶命、か。)マルスは自嘲気味に目を伏せる。(とんだ誤算だったぜ。ここまで何でもアリの野郎だったたぁな。
 殺られるワケにゃいかねぇってのに。)クリオネは続ける。「貴様の悪行の中でも最大の悪行・・・ジェイドにした仕打ちへの罰はな!」 
 (・・・こいつ、ジェイドにもこれと同じ真似をやりかねん。もしあいつが、てめぇの意に添わないとなりゃあよ。)
 氷の銃砲から、清らかな音が響いてくる。氷を打ち合わせているような、涼やかな音。

 「指定方向外、進行禁止!!」突如響いた甲高い声にクリオネが顔を向けると、踊り出てきた細長い影の頭部に青く丸い標識。
 描かれている、二方向に分かれた矢印。「ライト・アンド・ストレート(右折と直進)!!」デッドシグナルは顔面をまずクリオネに、
 振り向いてマルスに向けた。
 「な!」クリオネの体は、無理矢理右に向きを変えられる。「ありゃ?こいつは反応しねぇな。」
 デッドは倒れたままのマルスを見て言う。「デッドシグナル!貴様!」クリオネの怒号。「ホラ、もう一遍右だ!」顔をクリオネに
 向けると、先程と同じ事が繰り返された。
 「ま、とにかく落ち着けや。」「邪魔をするな!」「あのな。オレ様は何が起きたか理解できてねーんだから、説明くらいしたって
 バチは当たらんだろーが。」「後でしてやる!そこの悪行超人を始末するのが先だ!!」
 クリオネは再び、氷の銃砲をマルスに向ける。 「ダメだな、こりゃ。」軽く頭を振ってからデッドは、別なカードを取り出した。
 「トラフィックサイン、侵入禁止!!」頭部は、赤く丸い、白線が中央に引かれた標識に変わる。「スターダスト・フロウ!」
 氷の弾丸が発射される。デッドシグナルがその前に進み出た。
 「何!?」目を見張るクリオネの前で、氷の弾丸はデッドシグナルに激突する前に弾かれる。
 「・・・・」呆然となるクリオネマン。「侵入禁止。一定時間、如何なるものもこの標識をくぐることはできん!要するに、バリアとか
 結界とかいう類だな!」クリオネマンの前で、デッドシグナルに庇われた形のマルスが、僅かに呻き、少しずつ身を起こした。
 「ついでに、ちょっとした浄化作用もある。いくら何でも薬はヤバいだろ、クリオネ。」「デッド、貴様・・・!新世代超人二期生で
 ありながら、悪行超人を庇う気か!?」歯噛みしてクリオネマンはデッドシグナルを睨みつけた。カードを外し、いつもの標識の
 頭部に戻るデッドシグナル。
 「冗談言うな。こんなヤツ助ける気なんか毛頭ねぇ。」 「今庇ったではないか!」怒鳴りつけるクリオネ。
 「コイツのことなんかどーでもいいが、」デッドは顔を横に向ける。「ジェイドは止めて欲しいみてぇだし。」
 「!!」クリオネは、デッドが向けた方に顔を向ける。その目に飛び込んできた、月明かりに映る金の髪、翡翠の衣服から覗く白い肌。
 よろめきながら、ジェイドは仲間達の元へと歩いてくる。
 「・・・・ジェイド・・・・」クリオネマンは、ジェイドを凝視して呟く。

 喘ぎながら、歩み寄って来るジェイド。凝視しているクリオネマン。ふと目を落とすと、膝の傷が見えた。紅く開いた傷口。
 それを見た途端、何が起きたのかをクリオネは理解した。
 「何故・・・・」言葉が出てこなかった。 ジェイドは、クリオネの前まで来ると言った。「も、う・・・もう止めろ、クリオネ・・・スカーを、
 殺そうとするのは・・・」喘ぎつつクリオネに掛けられた言葉。苦しさと戦いながら、クリオネに向けられた瞳に宿っているのは、
 (・・・いつもと同じ清らかな光なのに。何故。)
 「・・・・・ジェイド。何故なんだ。奴を庇う必要が、どこにあると言うんだ。奴はお前の仇だ。そして、悪行超人なんだぞ。」 
 「わ、かっている・・・」ジェイドは切れ切れに言う。「悪行超人を庇うなどという事は・・・正義超人として許されない行いなんだぞ!
 お前はファクトリーで誰よりも、正義を守ろうとしていたというのに・・・!」ジェイドの瞳は、強い光を宿していた。
 「わかって、る。」切れ切れながらも、はっきりとした響き。「お前の、言っていることが、正しいと・・・俺も、わかってる。でも、
 それでも俺は、」クリオネマンの目を見据えジェイドは言った。「俺は、スカーが好きだ。悪行超人でも、スカーが好きだ。
 だから・・・だから、傷つけてほしくない。」 クリオネマンの、一切の動きが止まった。
 ゆっくりと、ジェイドに伸ばされる腕。
 ジェイドの体に回された腕が、ジェイドを包む。抱き寄せられるジェイドは、呆然としながら微かに喘いでいた。抱き締めた体から、
 伝わってくる鼓動。
 「ジェイド」彼を抱き締めていた右腕が動く。「お前は奴と出会って、」
 クリオネは、ジェイドの金髪に埋めるように顔を付けていた。
 「穢れてしまったんだな。」
 瞬間。ジェイドの体が抱かれたまま跳ね上がる。

 「なん・・・!」目を見張るマルスと、驚愕するデッドシグナル。クリオネの左腕に、しっかりと抱き締められたジェイドの背から、
 クリオネマンの右手の、アイスソードが突き抜けていた。

 ジェイドの目が見開かれ、顎が仰け反る。口唇が開かれ、鮮血が噴き出した。
 その光景を凝視していたマルス。
 「クリオネマン」低められた声が、「テメェえっ!!」次の瞬間爆発した。
 「ちょ、待てっ!血が・・・」デッドシグナルの声。だが誰の耳にも届いていない。
 正に電光石火の動きでマルスの腕が伸びる。全ての力が込められた拳がクリオネマンの頭部へ。
 「かかったな」 
 クリオネマンが呟く。マルスの腹部に、アイスソードが埋め込まれていった。

 みるみるうちに噴き出す鮮血が、ジェイドの背を濡らしていく。「が・・・ぁ・・・」マルスは、己の腹部に突き刺さっている
 アイスソードを掴んだ。
 「グギゴ・・・」凝視していたデッドシグナル。「やっぱり・・・ フェイントだったワケか・・・ジェイドを突き抜けてたってのに、
 ソードに血がついてねぇ・・・妙だと思ったんだ・・・。」
 「ご明察だ。」冷たい声でクリオネは言い放った。「なかなか目の付け所がいいな、デッド。」
 「グギ・・・・一体、どーゆー理屈だってんだ・・・・?」 「逆捕食さ。」 「逆・・・?」
 クリオネは、ジェイドを掴んでいた左腕の力を緩めた。「知ってのとおり、私はあらゆる海洋生物を体内に取り込める。もしくは、
 海水を浴びたあらゆるものを、だ。」ジェイドの肩に手を置く。
 「それと逆に」そのまま突き放す。「私は、私の体液を帯びたものを・・・"突き抜ける"ことができるんだ。全くダメージを与えずにな。」
 ジェイドの体は、クリオネマンから離れた。膝をつくジェイド。
 「た・・・体液だ!?」 「今の今まで、何の役に立つのかと思っていたが・・・他のどんな能力より、役立ってくれたよ。」
 呟くクリオネマン。「ち・・・ちょっと待たんかい! 体液ってのはどういう意味だ!? てめーのゼリーボディ内の海水じゃねーんだろ?」
 「ああ。粘液だからな。とりあえず、成分的には女性器の粘膜に最も近い。」 「グゴ・・・!」一瞬、絶句するデッドシグナル。
 「って・・・てめー、一体ジェイドに何をやった!?」 「この悪行超人マルスに強姦された裂傷のヒーリングだ。結果的に、性行為と
 似たことになってしまったがな。」 言葉が出てこないらしいデッドシグナル。
 「少しは思い知っただろう。悪行超人。」目の前の、腹部を貫かれたマルスに、クリオネマンは冷たく声をかける。
 「ジェイドが受けた痛みを。」

 クリオネに抱き締められ、声をかけられた次の瞬間。ジェイドは腹部に、強烈な当身を食らって吐血した。次の刹那、腹部を
 突き抜けていった形容しがたい違和感。耳に届いた、スカーの叫び声。そして・・・・背中一面に感じた、生暖かい感触。
 突き放され、膝をついたジェイドが振り向くと。目に飛び込んできたのは。大量の血に・・・腹部から溢れる血に、濡れているマルスの
 姿。腹部に突き刺さっている剣は、クリオネマンに繋がっている。
 頭の中が空白になった。思考も、感情も消え失せた中に、切れ切れに浮かんでくる。言葉。風景。
 『・・・まえら・・・じんと・・・・・・そうだな・・・・・』
 『・・・・・・には・・・・・んだけ・・・・・いいんだ・・・・・』
 『ちょう・・・・な・・・・かいやがっ・・・・・』
 あいつらが逃げたあと、目茶目茶になった部屋で、おじさんとおばさんが、血塗れになって。
 『うああああ!!』俺は、叫んでいた。俺を今まで支えていた世界の全てが崩れ去ったあの時。
 『レーラァ・・・・信じていたのにっ!!』
 あの時も、今も。 俺は何も出来ずに。大切なものが崩れていくのを。大事な人を守る事もできずに。
 また、守れなかった。俺は。 俺は、大切なものを。

 ジェイドは絶叫していた。瞬時に立ち上がる。眩暈も、傷の痛みも、ジェイドから消え失せていた。
 燃え上がる右手、鋭利なる刃。ジェイドは、クリオネマン目掛けて突進していた。振り下ろされる刃。
 それは、鉄に衝突した。
 「頼むから」デッドシグナルが、腕に取り付けられた標識で『ベルリンの赤い雨』を受け止めていた。
 「頼むから、落ち着けってジェイド。」 ジェイドの全身が戦慄いている。
 標識が、真っ二つに割れ落ちた。
 その時。頭を落としていたマルスが、クリオネの右手を掴んでいた手に力を込める。
 「グ・・・グギャッ!?」思わず奇声をあげるクリオネマン。骨の砕ける鈍い音が響いた。

 絶叫と共にクリオネマンは、その場に蹲る。血塗れのマルスは、血塗れの唇でニヤリと笑った。「・・・・ざまァ・・・」
 巨体が崩れるように倒れる。ジェイドは駆け寄った。デッドシグナルは、クリオネの元に向う。
 「グギッ」潰された右手を見たデッド。指の骨が、透明な皮膚を破って突き出ていた。

 「・・・なんでまた、こーゆう・・・」デッドはクリオネマンを支えて、横たわるマルスとジェイドの所へ歩いて行く。ジェイドは上着を
 破って、マルスの傷に巻いていた。涙が、その両頬から止め処なく流れ落ちている。
 「・・・・その悪行超人も・・・・」デッドは言う。「ジェイドにナニしたってのか?理性とか秩序とかがねーのか、てめーらは!! 
 だから嫌なんだよな!生身の超人は生臭くてよ!!」
 「・・・るせぇよ、道路標識・・・・」喘ぎ、血を吐き出しながらも、マルスはニヤリとして言い返す。
 「てめぇこそ、鉄錆の匂いがするぜ・・・」 「海にぶち込むぞ、悪行超人が!」デッドはマルスの首筋に手を伸ばす。「・・・・!」
 涙に濡れた、怒りに溢れた目をジェイドはデッドシグナルに向けた。
 デッドシグナルは、右手でマルスを抱え起こし、左手でクリオネマンの腕を取る。
 「ジェイドは、さっきみてーにオレ様の肩に跨ってろ!もう一遍、最大時速で飛ばすからな!」
 ジェイドはデッドシグナルを見る。
 「てめーら、このオレ様にこんな重たい思いをさせやがって!あとでキッチリ返してもらうぞ!」その時シグナルはクリオネの方に
 顔を向けて言った。
 「てめーも、そこの悪行超人もなー・・・ジェイドが一番悲しむコトしたんだぜ。わかってんのか、たく。」

 この上なく、長い時が流れたようにジェイドは感じていた。だが、月はまだ海を、柔らかな光で照らしていた。
                                       END
                                       NEXT・・・?

あ〜やだやだ、どうもオレの周りの奴らってば、うっとおしいやつばっかりだね〜。こりゃ
オレがまとめて面倒見てやらなきゃいけないな!キチッと!(ちょっと嬉しそうなデッド)

存在自体がギャグのクセに・・なに言ってやがる。電源切るぞ!(←??)(スカー)

え?俺、ジェイドを悲しませた?悲しませてないよな〜?な?(クリオネ)

俺をめぐって2人の男が対決・・・ふふふ俺、なんか悲劇のヒロイン(もといヒーロー)って感じ!?
・・・そんな怒るなよ・・・冗談に決まってるだろ(ちょっと本気だったジェイド)