Das Treffen 「な、なんだぁ?何なんだよラーメンマン、その小僧は!」 「うむ、話すと長いが。散歩に出たらアイドル超人を倒して名を上げる目的の四次元殺法コンビに襲われてな、 返り討ちにした 直後この少年が空から降ってきたんだ。」 「あっという間じゃねえかよ。」 「で、話を聞くとお前の関係者らしいので、ここに連れてきた。」 「レ・・・レーラー師匠?ブロッケンレーラー師匠ですか?・・・うわあ、若いなあ。」 「レーラー師匠だ?俺は弟子なんかとった覚えないぜ!一体何なんだお前は!」 「信じてもらえないかもしれないけれど・・・私はブロッケンレーラー師匠に子供の頃から格闘技を教わりました。 ジェイドといいます。」 「てめぇ、そんなデタラメぬかしてどういうつもりだ!」 「まあ待て、Jr。おそらく彼は私と四次元殺法コンビの闘いに巻き込まれたんだろう。ブラックホールとペンタゴン はそれぞれ時空を操る技を使う。その辺り一帯に歪みが生じて、一種のタイムトンネルが開いても不思議はない。 ジェイド、君が弟子入りした時、Jrは何歳だったんだ?」 「ええと、レーラー師匠は45歳でした。」 「ほらな。」 「・・・じゃあ何か?こいつは未来から来たってのか?んなこと信じられるか!確かに超人てのは生身で地底でも 宇宙でもどんと来いだし、あんたがモンゴルマン時代に出した妙な道具とか使やぁ霊界だって旅行できるし、 俺も随分いい加減な生き物になっちまったよなとか思ったもんだが・・・時間を行き来できるなんて話、 聞いた事がないぜ!」 「そうか、レーラー師匠って昔から頑固だったんだな。」 「ん?するとジェイド、Jrは君に対してもこの調子だったのかね?」 「ええ、レーラー師匠には随分厳しく鍛えられました。レジェ伝説ンド超人ラーメンマン先生、貴方のこともよく 聞かされましたよ。山ごもりの修行で息抜きに作ってくれたパイコー背骨ミン麺を美味いと誉めたら、その後 一ヶ月パイコー背骨ミン麺ばかり食べさせられたとか、ある時盆栽趣味が高じて、山一つ刈り込もうって ラーメンマンとも思えん(というか、らしいというか)ことを始めて、そりゃ勝手だが、俺を巻き込むなってんだ! ・・・レーラー師匠は晩酌で酔うと、よくそう言ってました。」 「む、一ヶ月パイコー背骨ミン麺・・・と言うと、一ヶ月くらい前の山ごもりの時か。そんなに嫌なら言ってくれれば 良かったのに。」 「お、俺が知るかよそんなこと。コラ、適当な事言ってんじゃねえぞ!・・・おいガキ、まさかお前、親父の隠し子とか 言い出すんじゃねえだろうな?」 「レーラー師匠!私が生まれたのは、レーラー師匠のファーターが亡くなって20年は後なんですよ! 私は孤児だから、両親が誰なのかわかりませんけど・・・」 「てことはやっぱり、親父の隠し子の可能性大なんじゃねえか。たくあの親父はあ、我がブロッケン家は清廉潔白を 信条としているとか言ってやがったクセに・・・」 「まあ落ち着けJr。今の所仮説にすぎないのに、自分の父親のことをそんな風に言うもんじゃない。気になるのなら、 直接ブロッケンマンに聞いてみるか?」 「へ?お、おいちょっと待てよ。まさかあんた、死人と交信できるとか言い出すんじゃねえだろうな? いくら何でも・・・」 「Jr。いい機会だから教えておこう。死した超人が現世に意志を伝える方法は、主に3つある。 一つは悪魔霊術のように、この世に媒体となるもの(血や汗、当人の頭髪やコスチュームだな)を残す方法。 一つは、電波を発することができる系統の機械超人を利用すること。その手の超人は、超人墓場に存在する電波を キャッチできるんだ。(王位争奪戦でミスターVTRとかいう超人が、超人墓場をモニターしたことがあったろう?) 最後に、現世から何らかの手段で無理矢理引き戻すこと。私の場合は、中国四千年の伝統秘術を使用する。」 「フォーフォフォフォ! この超人ハンター・オメガマンのように、相手のイメージをも取り込んで変身できる 特殊能力を持っていれば、超人閻魔の定めた掟に接触することなく現世に復活することも可能だ!」 「ええええっっ!? レーラー師匠、今どこからともなく未知の超人の声がっ!」 「バル○ン星人なんざほっとけ! ・・・じゃあ、マジで親父を呼べるってんだな?」 「と言うか、もう何度か呼んでいる。Jr、お前の成長ぶりを報告していたんだ。私の義務だと思ってな。しかし 何度か呼んでいるうちに、霊体のブロッケンマンに免疫ができたらしく、勝手に現世を彷徨うようになってしまった。」 「あ、あんたなあ!親父を浮遊霊にしたのかよ!」 「とにかく呼んでみよう。ロッテンピッテンサッテン・・・」 「おい、ちょっと待てえ!」 「うおりゃああ!!」 「ぐはっっ!! こ、このドロップキックは・・・お、親父!?」 「フハハハハ!70年代世界三大残虐超人の一人、ドイツの悪鬼ブロッケンマン見参!元気にしてたかドラ息子!」 「いきなりなんて挨拶しやがる、このクソ親父!」 「喧しいわ!ガキの分際でいっちょ前にガキを拵えおって! ん? しかもよく見れば伝統ある髑髏の徽章を、 勝手に変形して着けているではないか!おまけにどう見ても、18歳以上ではない! この髑髏の徽章は、18歳未満で 与えられることはないというのに! Jr!貴様という奴はブロッケン家に泥を塗るようなマネばかりしくさりおって!」 「ボケるな親父!どー見たらこいつと俺が親子になるんだ!年齢的にありえねぇだろ!てめーがどこぞで生ませた 隠し子なんだろーが!」 「レーラー師匠もレーラー師匠のファーターも止めてください!ああっ駄目だ、レジェ伝説ンド超人ラーメンマン先生、 何とか止められないでしょうか?」 「うーむ、どちらも一歩も譲らぬ気性だからな。まあそのうち落ち着いてくるだろう。」 「そんな悠長な。俺が原因の親子ゲンカなのに・・・・ ? あの、ラーメンマン先生、レーラー師匠のファーターは その、幽霊・・・なんですよね?」 「ああ。」 「なのにレーラー師匠と殴り合いの喧嘩をしてますけど・・・?」 「超人は精神力も強靭だからか、霊体になっても現世に物理的な干渉はできる。まあ私が見てきた例だと、相手を 押さえつけるのがせいぜいなんだが、ブロッケンマンの場合は何度も現世と霊界を往復したせいか、それ以上の干渉も できるようになったようだな。ある意味復活したのと大差ないかもしれん。君もそういう例は見たことがあるだろう?」 「あ、ありませんよそんなバカげたものは!なんて適当なんだ!」 「おや、はっきりものを言うな。では、君の時代はそういうことは少ないのか?」 「病院送りになる奴はいくらでもいますけど。」 「そうか、超人界も少し穏やかになったようだな。」 「そうなんだろうか・・・?」 「キョーキョキョキョ! 私は相手を血塗れにすることは本来好まないのだが、自分の能力をフル活用すれば どうしてもそうなってしまう、超人として仕方のないことなのだ。」 「こっ、今度はクリオネ!? おい、一体どこにいるんだ?」 「なにぃ?(ボカッ)三角野郎がどうしやがったぁ!(バキッ)」 「さ、さんかく・・・? レーラー師匠、何のことですか? 今のは多分、私の二期生仲間クリオネマンだと思うんですが・・・・」 「太陽は沈むもんだってこともわからねぇトンチキ超人のことだ!(ガスッ)」 「知性チームの一人、プリズマンのことを言ってるんだろうな。」 「ラーメンマン先生、そう言えばレーラー師匠に聞いたことがあります。知性チームは名前に反して知性派が殆ど 存在しなかったが、中でもただのバカとしか思えなかった超人だと・・・」 「半分恨みも混じっていそうなコメントだが、それが正解だろうとは戦った私も思っている。」 「それよりもラーメンマン先生、レーラー師匠とファーターの喧嘩を何とかして止めないと。」 「いや、こうなったら簡単には止められん。自然に収まるのを待つしかないな。時間がかかるだろうから、 その間他の問題に取り組もう。ジェイド、君もいつまでもこちらの世界に留まる訳にもいかないだろう?」 「あ、そう言えばそうですね。帰らないと向こうのレーラー師匠が心配するだろうし・・・」 「では、とりあえず四次元殺法コンビを探しに行こう。まだ同じ場所でのびていれば話は早いのだが。」 「あの、ラーメンマン先生に何とかしてもらえないんですか?」 「いや、いくら中国四千年の伝統を誇る秘術でも、流石にタイムスリップは管轄外だ。専門外の者が手を出すと まずい事態を招きかねん。」 「はぁ。」 「あるいは、既にまずい事態になっているかもな。先程から、いきなり超人の声だけが度々聞こえているが、 あれも君がタイムスリップしたのと同様、時空の歪みのせいかもしれん。」 「とすると、急いだ方がいいですね。」 「ああ。では行こうか、ジェイド。」 「わかりました。ちょっと待ってください。レーラー師匠!レーラー師匠ってば!私はラーメンマン先生と 行ってきますが、喧嘩のやり過ぎで大怪我はしないでくださいねー!」 「フン!(ゴスッ)なかなかできたこと言うガキじゃねーかJr!」 「う、うるせーな、(ガコッ)このクソ親父!」 Das Ende |