SCAR FACE SITE

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◆ 授かりもの(総受けの心得)

 ある晴れた昼下がり(ドナドナ調)オープンカフェで、お茶を飲んでいる二人の超人。
 悪目立ちする姿を、通行人の好奇の視線に晒されながらも、気にする様子はまったく
 ない。
 しかし、なぜか会話がはずんでいない。
 お見合いの後で急に二人きりにされた男女のように、ぎこちない二人は、スカーフェイスとジェイドである。
 スカーフェイスが悠然とかまえているのに対し、落ち着かないジェイド。
 スカーフェイスがいくら話しかけても、ジェイドは生返事を繰り返すばかり。
 「お前、さっきから全然人の話聞いてないな。俺といるのがそんなにつまらないのか?それとも師匠が俺と会うのを
 反対しているのか?出かける時になにか言われたのか?」
 ついに苛立ち始めたスカーフェイス。
 「ううん。レーラァはなにも・・・。あ、コーヒー飲むならカフェオレにしろって・・・、牛乳の方が多いやつ。あと、
 間食はあまりとるなって言ってた。」
 「子供かお前は。何だ、お前の師匠にしてはやけにあっさり俺と会うのを許したな。」
 「うん。」
 「じゃあ何でそんなに緊張しているんだ?(ハッ!もしかして、今夜はOKって感じ?)」
 「うーん、あの・・・、なんでだろ?(どうしよう。昨日、レーラァに教えられたことはスカーには言えない)」
 にやけるスカーフェイスと、もじもじするジェイド。かみ合わない二人の思惑はさておき
 ジェイドの回想、レーラァに(一方的に)語られちゃった昨日の出来事。
 
 レーラァは昨日仰った。
 「スカーフェイスと付き合ってもいいが、付き合う相手を一人にするのはよくないな。」
 俺は一瞬自分の耳を疑った。レーラァがそんな不謹慎なことを言うなんて信じられなかった。レーラァはこうも仰った。
 「いいかジェイド、自分の美貌を自覚しろ。顔が良いということはそれだけで注目されるということだ。言い寄ってくる者も
 大勢いるだろう。しかしお前はそいつらの中で、上手に立回らねばならない。」
 俺は全然意味がわかりません、と、答えた。でもレーラァに顔が良いと言われて嬉しかった。
 「上手に立回るというのは、言い寄る者全員に気のある素振りを見せ、かつ、押さえるべき者を厳選して付き合い、
 そして複数の者と付き合っている事を、絶対に隠しとおすということだ。」
 え?ええっ?何だかすごく不道徳なことを仰っている気がする。
 「むっ。まだ解っていないようだな。誰からも愛されると言うことは、それがどんな形であったとしても、自分にとって
 あらゆる意味で有利なことだ。その有益な愛を得るためには魅力的であることが重要だ。早い話が色仕掛けだ。これなら解るな?」
 俺は頷いた。レーラァはそれを見て少し笑った。
 「問題はその愛の形なのだ。わたしにとって父であり師であったラーメンマン。禁欲的な彼は若いうちから悟りの境地に
 行ってしまったので、わたしを愛してくれたが抱こうとしなかったし、独占しようともしなかった。ただ黙って見守ってくれていた。
 こういう形の愛は、(かなり腹立たしいが)ただ受け取っていればいい。だが肉体的なものが絡む時は、細心の注意を払わねば
 ならない。なぜなら相手には独占欲や嫉妬心というものがあるからだ。だからいつでも、お前のことが一番好き、という態度を
 とり続ける必要がある。」
 俺は、はあ、と気の抜けた返事をした。
 「世の中にいい男は大勢いる。一人に絞るのに苦労するぐらいなら、いっそ全員と付き合えばいい。そのことをお前にも
 理解させたかった。ポイントは本命、キープ、火遊び、金蔓だ。」
 レーラァは俺にポイントを復唱するよう仰った。俺はゆっくりと復唱した。でもまだ意味がわからない。
 「ようは相手を使いわけるということだ。スカーフェイス一人にかまけていたら、他を逃して惜しい思いをするぞ。
 お前は可愛いから、よりどりみどりで選び放題のはず。生意気なやつがちょっと可愛いところを見せれば、大抵のやつは
 コロっといってしまうから、後は上手に甘えていればいい。」
 俺はよりどりと言うほど二期生はいません。と答えた。それにしてもレーラァは、一体若い頃どんな人だったのだろう。
 これだけを聞けば、ただの浮気者としか思えない。
 「レジェンドがいるだろう。ロビンなんかはお勧めだぞ。あいつはリングでもベッドでもテクニシャンだし、激しいのなら
 バッファローマンとか。ああ、そういえばケビンと一期生もいたな。ところでもうスカーフェイスとはやったのか?」
 
 「やっちゃいましたレーラァ。でもあなたにそんな事いえません。」
 「何だ?いきなり。」ジェイドの突然の言葉に驚くスカーフェイス。長いこと難しい顔で黙っていたジェイドの意味不明な言葉。
 「ごめん(ここで上目づかいをしろって言ってたな)あのさ、もっと静かな所に行かないか?」ジェイドは、
 昨日師匠に教わったことをやってみようと決意した。あれから師匠に相手のハートをわしづかみにする技を伝授されたのだ。
 「!(誘ってる?誘ってるのか?)もちろ・・・いや、ここじゃ都合がわるいのか?」嬉しいくせにわざととぼける
 スカーフェイスだが、顔が半分笑っている。
 「いやならいいよ。(えっと、目をそらしてうつむくんだったな)」
 「行く、行くから顔をあげろよ。」
 「いいよ、俺、帰る。クリオネから電話がかかってくるかもしれないし。(さり気なく違うやつの名前をだす、と。
 クリオネでもよかったのかな?)」
 「なんだと!海洋生物のくせにジェイドにちょっかいだすな!こい!ジェイド、お前は俺様のものだ!」ものすごい剣幕で
 立ちあがったスカーフェイスは、カフェの店員にお茶の代金を投げつけると、ジェイドを抱き上げ走り出した。
 驚いて道を開ける通行人にかまわず、ひたすら走るスカーフェイス。一体どこに行くのかは、抱かれているジェイドにもわからない。
 ジェイドはスカーフェイスの腕の中で考える。スカーフェイスをどのポジションにつけるのか。
 本命、キープ、火遊び・・・。

これはまた楽しい・・!総受けの心得!なるほど!!(爆笑)・・しかしレーラァ、
なにをいったい教えているの・・(汗)っていうか・・レーラァ危ないです・・・。
でもそれを素直に伝授されて実行に移すジェイドと、フェロモンにやられまくってる
スカーがかわいい♪ありがとうございました!!(Noriko)


ジェイドのやつめ・・かわいいんだから・・もう。(笑)師匠にいらんことを吹き込まれた
  とはいえ・・いや・・いらんこと・・でも・・ないな・・いいかも・・(照)(スカー)