物語のあらすじ

中国古代・商《しょう》王朝の二十八代目の王は、紂王《ちゅうおう》といった。彼ははじめ国をよく治めていたが、蘇護《そご》の娘である妲己《だっき》−実は千年狐の仮の姿−に魅入られてからは、忠臣を次々に殺すなど、暴君と化した。

その時仙人たちの住まう仙界では、「封神榜《ほうしんぼう》」が策定されていた。「封神榜」とは、きたるべき商と新興の周《しゅう》との戦いで戦死し、雷部や星官といった神に封じられる(つまり、“封神”)べき人物のリストである。この「封神」を遂行する天命を受けていたのは、闡教《せんきょう》の道士である姜子牙《きょうしが》という人物であった。

姜子牙は周を補佐するべく下山し、紆余曲折をへて周の文王《ぶんのう》に仕えた。しかし文王がほどなく病没したため、子の武王《ぶおう》を擁立して商に対抗することになった。


商の太師《たいし》・聞仲《ぶんちゅう》は、この反乱に対して討伐軍を送った。両軍は激しい戦いをくり広げるが、決着はつかない。聞仲は戦局を打開するため、かつて自らが属していた截教《せつきょう》の仙人を味方とした。また姜子牙は、それに対して闡教の仙人に加勢をもとめた。かくして周と商の戦いは、闡教と截教の代理戦争の様相を呈した。

この戦いは次第にエスカレートし、ついには万仙陣での、闡・截教主同士の決戦になった。この戦いに勝利をおさめたのは闡教で、対する截教の仙人はあらかた戦死した。周の軍は商の都・朝歌《ちょうか》にせまり、紂王は敗北し自殺。姜子牙は封神台でこれまでの戦いの戦死者を神に封じ、封神を完了させた。また武王は諸侯を各国に封じ、かくして世界は平和を取りもどしたのである。

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