商の文官。上大夫。
商容・趙啓とともに、紂王を帝乙の後継者に推薦した(1)。
紂王は初めは名君だったが、妲己を後宮に迎えると政務を見なくなった。梅伯は不満に思って、商容と比干に諫言するよう相談した(5)。
杜元銑が紂王に上奏文を差し出し、かえって殺されるという事件が起こると、梅伯は憤怒して寿仙宮に向かい、紂王を「昏君(フンチュン、こんくん)」と罵った。紂王は金爪で叩き殺せと命じたが、妲己がそこで「炮烙」という刑具を入れ知恵する。
群臣の面前に引き出されると、衣をはぎ取られ、手足を鎖で繋がれ、赤く焼かれた銅柱に抱きつかされた。梅伯はあっという間に灰となり、皮膚のただれた臭いが九間殿に広がったという(6)。炮烙の被害者第一号であった。
姜子牙により、群星正神天徳星に封神された(99)。
『史記』や『書経』には名前はみえない。『呂氏春秋』恃君覧には
「紂が非道を働き、梅伯を殺してその肉を醢(かい。塩辛のこと)とし、…諸侯を集めて祭りを行った」
とあり、また同貴直論には
「(紂王が)梅伯を殺し死体を醢にして文王に送りつけた…文王は表向き受け取ったが、(その非道を)諸侯に告げた」とある。
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