封神演義事典

《《 人物 あ 》》

悪来 あくらい

略歴

 商の文官。中大夫。周の軍勢が臨潼関まで迫ったという欧陽淳の上奏文を文書房で受け取り、微子に手渡す(85)。梅山七怪が朝歌にきた時には、顕慶殿で紂王と将棋をさしていた(87)。
 紂王が周軍に敗れ、負傷して帰ってくると、飛廉とともに慰めた。その後、飛廉が万策尽きたことを嘆くと、「いっそ周に帰順しよう」と提案する。飛廉が伝国の璽符を武王への手みやげにすることを思いつくと、「それはいい」と賛成してみせた(96)。武王が商を滅ぼし、西岐城に戻ると、玉符金冊を献上して中大夫に任ぜられた(98)。
 封神の翌日、文武百官が封神台に集まると、突然姜子牙に捕らえられて斬首を命じられる(99)。旗門官により轅門の外に連れ出され、首をはねられた。そしてその場で姜子牙により、冰銷瓦解之神に封神された(100)。

注釈1

 『史記』殷本紀には費中が政に失敗したため悪来が起用されたが、「悪来はよく人の悪口を言ったので、諸侯はいよいよ紂から遠ざかった(小竹文夫・武夫/訳 ちくま学芸文庫)」とある。また秦本紀には「蜚廉の子を悪来といった。悪来は力が強く、…これらの技能で殷の紂王に仕えた。周の武王が紂王を伐った時、悪来も同時に殺された(同)」とある。

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