「間違いだらけの封神演義」掲示板 過去ログ(書込順) 2 ログ数:23

どっちでもかまわないんすけど 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月20日(月)17時42分


火敦脳児さま

二階堂です。別にあたしも名前が望でもかまわないんですけどねえ。なんでそんなに
こだわるのかなあ? なんか名前が望だといーことでもあるんすか?(笑)

>一般人には難しそうですが(- -;。あ、ネット上にならあるんでしょうか。<三家の注釈。

なんだ、使ってないんですか。「二十五史」とか。使い方については、『電脳中国学』と
ゆー本を参考にしてください。いまや出土資料だって引けるんですよ。

>しかしいずれにしろやはり、金文史料が出てこないことには決定的なことは
>言えないように私には思えます。

ええ、決定的ではないですよ。いずれにせよ、千年も経ってからの議論ですからねえ。でも、
あとは司馬遷をどう見るかですよ。あたしはとりあえず何か根拠があって書いていると思い
ますけど。さもなくば、殷の系統まで正しくは記せないでしょう。

ただ、一応こっちも『金文編』なども見てみましたけどねえ。あとは出土したものですな。
なんかあったら教えてください。

ありがとうございました。<(_ _)> 投稿者:火敦脳児  投稿日:1999年09月20日(月)16時09分


>二階堂先生
太公望の名前調べは続けてますので……(^^;<こだわり。
詳しい解説つきでのご回答に感謝いたします(*^^*)。

>>『史記』と三家の注釈は、併せて見なければなりません。
一般人には難しそうですが(- -;。あ、ネット上にならあるんでしょうか。<三家の注釈。
探してみまーす。
しかしいずれにしろやはり、金文史料が出てこないことには決定的なことは
言えないように私には思えます。(頑固者め)「師望」という銘が入っている
青銅器が二つほど出土しているようなのですが、これは太公望のことではない
らしいです。むむぅ(-_-)。

姜子牙 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月19日(日)11時36分


火敦脳児さま

二階堂でっす。

>ただ、安能氏も、白川博士の著作からではなくて、字面から
>思いついただけなのかも知れないな、と後から思いました(^^;。

安能さんが白川先生の本読んでますかねえ? だって「『封神演義』の論文はない」なんて
言い切った人ですよ。日本だけだってたーくさんあるのに。

>「太公望の字が子牙」というのは
>『史記』のどこに書いてあるのか、教えていただけますか?

こだわるわねえ。この問題(笑)。あたしこー書きました? だとすればそれは間違い。
字は『史記』の注釈にあります。

この論議知らない方のためにちっと解説入れないとねえ。

『封神演義』では主人公の名称は一貫して「姜子牙」です。そして「姓は姜、名は尚、字
は子牙」ということですね。

これは中国の史書の公式見解に基づいてはいます。『新唐書』などでは、

>呂侯の枝庶子孫、商周の際にあたり、或いは庶人となる。呂尚は字子牙、太公望と
>号し、斉に封ぜらる。

とあります。これが中国の常識。ところが宮城谷さんあたりが、どーも幸田露伴の説に
基づいたらしくて、「太公望の名は望」と書いています。

確かに、史書でも「呂望」とするものが結構ありますので、可能性はなくはありません。
でも『史記』見ると、

>本の姓は姜氏、其の封ぜらる姓に従い、故に呂尚という。

とあり、名は呂尚であると述べます。また号については、文王が、

>「吾が太公、子を望むこと久し」

といい、「故にこれを号して太公望という」とあります。名前が呂尚で、号が太公望
とゆーわけです。

字については、『索隱』の議論です。

>姓は姜、名は牙。炎帝の裔、(略)呂に封ぜらる。(略)故に太公望と号す。けだし
>牙はこれ字にして、尚はこれその名なり。後に武王号して師尚父となす。

とゆーわけです。だから『史記』本文には「名を呂尚、号は太公望」とあり、注で
字を「子牙」と論じています。もっとも、その前には「名が牙だ」なんて言ってま
すから、なーんとも言えない。

ただ。『史記』と三家の注釈は、併せて見なければなりません。これは『三国志』
でもそーでしょ? 訳本を見てるだけだとわからないかもねえ。

諸子などの文献を見ると、『荀子』『呂氏春秋』など、呂尚とするもの、呂望とす
るもの、ほぼ同じくらいですね。

でも、「名が望」としたものはあたしは見てません。となると、伝統的な「名を尚」
とする『史記』を否定できるものはないってことです。

考えられるんすけどね、「周公旦」と同列に「太公望」が並んでいるとなると、ま
るで「太公の望」ととりたくなるんですけど。『呂氏春秋』には、1例だけですけ
ど、「呂太公望」ってあるし。

もっとも、これが縮んで「呂望」になったとも言えるし、逆に「尚父」の号から、
「呂尚」が来ているとも言えるわけで。

可能性はさまざまです。このほかにも、「呂渭」だとか「呂ケン」とする説もあり
ます。清代にこの問題は論じられているよーですが、みな推量の域を出ていません
ねえ。

まー、実在したかどーかアヤシイ人物ってこともありますし、この問題は突っ込ん
でも不毛だと思ってますねえ。調べるのはおもしろいけど。

ひょえぇぇぇ! 投稿者:火敦脳児  投稿日:1999年09月18日(土)19時18分


黒麒麟じゃなくて墨麒麟が正しいんですか! うわーこれは本当に驚きました(^^A;。

>二階堂先生
>>漢字の原義は『封神演義』の作者、あんまし知らないハズ(教養がないもんね)。
この「作者」って原作者のことですよね?私は、安能氏が「申」から「雷」を連想したんじゃないか、と考えただけです。
従って、明代での「申」の意味なども関係なし、です。ただ、安能氏も、白川博士の著作からではなくて、字面から
思いついただけなのかも知れないな、と後から思いました(^^;。許由と結びつけたのも「由」と「申」の字面が似てる
(ように安能氏には思えた)からっぽいですし。(しかしなんで安能氏はあんなに申公豹が気に入りなのかしらん。)
いずれにしろ、誰が言ってることであろうと、丸々鵜呑みにはしないよう気をつけます(^^)。

で、別の話題、しかも某所掲示板での以前の話題を持ち出して恐縮なんですが、「太公望の字が子牙」というのは
『史記』のどこに書いてあるのか、教えていただけますか?私、見かけた覚えがなくて……。
底本にしたものの関係で、日本で出版されてるものにはその記述が無いのでしょうか?

初めまして 投稿者:スパイキャッチャー  投稿日:1999年09月18日(土)10時27分


こちらでは「初めまして」となるスパイキャッチャーです。失敗していたらごめんなさい。
久し振りにこちらを覗いたのですが、「墨麒麟」が話題に上っていたので、書き込みをさせてい
ただきました(これが最初で最後の書き込みかも/苦笑)。

皆様の書き込みを拝見させていただきましたが、「墨麒麟」の方が正しいのですか?!質問に答
えていただきありがとうございました。これで疑問が解けました。

王天君は、やはり「王変」でしたか。「奕」はどこから出たのでしょう?

ここの掲示板も頻繁にチェックしなくては……。

訂正: 投稿者:飯香幻@こども  投稿日:1999年09月17日(金)12時56分


・・・と、うちに帰って本見たら、「墨麒麟」だったよ!
とゆーわけで人民文学出版社も「墨麒麟」してました!いやーすんません。
それにしても思い込みって、おそろしい。

これぞ間違い中の間違い? 投稿者:飯香幻@けーきちゃん  投稿日:1999年09月16日(木)18時13分


うわ、そーいやうちの人民文学出版社版も黒麒麟だぜえ!?
それに雅虎中文で検索が効くのもK麒麟。墨麒麟では、墨を繁体字にしても検索
できましぇーん。この問題、かなり深刻と見た!

どこぞの活字本でついうっかり黒麒麟にしたばっかりに、それが延々引きずられて・・・
hakoさんとこの人民文学出版社版はどーなってるだろー。
おいらのより、版が新しいはず。なおってるかなあ。

墨麒麟(自己批判) 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月16日(木)13時47分


二階堂です。

これは自己批判になりますねえ(爆)。

以前、スパイキャッチャーさんのご質問がとなりでありましたが、あまり気にとめて
ませんでした。今回、申公豹の件でちっと明版を確かめたら、自分がエライ間違いし
ているのに気がつきました。

聞仲の乗っているのですが・・・。「墨麒麟(ぼくきりん)」が正しいんすね。

いやー、うかつにもあたしも気がつきませんでした。だって台湾系の版とかはみーん
んな「黒麒麟」なんすよ。ところが、四雪草堂系、明版、それに曲本など、信用でき
る系統のやつは全部「墨麒麟」・・・(涙)。

すみません。あたしも勘違いしてました。これは『封神の世界』もそーなっているん
で、編集さんに電話して、次の版からは直すよーにしました。もっとも次の版が出る
とも思えないけど(爆)。

王天君は明版でも王変ですけどね。

人のことはあんましいえないなー。反省とお詫びを申し上げます。まだまだ結構思い
こみで間違いしているところ多そうだなあ(涙)。

ヤバイ 投稿者:飯香幻@葡萄酒  投稿日:1999年09月15日(水)19時52分


>ただ、聞いた感じでは「ルォチャァ」「ヌォチャァ」って感じすかねえ。このため、
>「羅車太子」とも書かれます。となると、入声じゃなさそーな・・・。(二階堂先生)
南方の諸方言、なかんずく福建系のコトバでこれですからねえ。
ナタクがあかん、ちゅーのはここからでもハッキリしますねえ。
じゃあダタクはどこから・・・・謎?

>しかし、劉氏の言うことは当てにならないのですね。ふむふむ。(火敦脳兒さま)
>ただ、丸飲みするのもおかしな話です。(二階堂先生)
知らないコトって、ちっと耳に入ると「そ、そーだったのかあ」になりがちですね。
劉枝萬さんに限らず、どーんなビッグネームの言及でも、とりあえずは「話半分に」しないとヤバイっすね。
今回だって現地音を聞いた経験のある方が身近にいらしたから、こーして明らかにされたけど。

羅車 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月15日(水)16時44分


二階堂です。

>火敦脳児さま
>「なた」の漢字は、本では正しい字になってました。「咤」ではなく。
>しかし、劉氏の言うことは当てにならないのですね。ふむふむ。
>レクチャーされたのではないということは、安能氏は独学なのでしょうか?

あたしもビン南語の正確なところは分かりません。ムズカシイんすよ、発音が。

ただ、聞いた感じでは「ルォチャァ」「ヌォチャァ」って感じすかねえ。このため、
「羅車太子」とも書かれます。となると、入声じゃなさそーな・・・。

劉枝萬先生の学識はすごいですよ。ただ、丸飲みするのもおかしな話です。あたしは
先生とは何度も会ってます。

安能さんは・・・・、独学といえばそーですけど、学ぶ必要はない・・・。うーん。

漢字の原義は『封神演義』の作者、あんまし知らないハズ(教養がないもんね)。だ
から、白川先生の本見ても、ほとんど参考になりませんよ。もっとも、白川先生もと
きどき変なこと書くので、とにかく丸飲みはやめましょー。

二度目まして。 投稿者:火敦脳児  投稿日:1999年09月14日(火)19時19分


こんにちは。
hako様、歓迎メッセージありがとうございました♪
二階堂先生、飯香幻様、お久しぶりです。私、中国語はからっきしなので、
お二方のレスは大変勉強になりました。ありがとうございます♪

「なた」の漢字は、本では正しい字になってました。「咤」ではなく。
しかし、劉氏の言うことは当てにならないのですね。ふむふむ。
レクチャーされたのではないということは、安能氏は独学なのでしょうか?
それでは私と同じだわ(笑)。独学だと、とんでもない思い込みをすることが
往々にしてあるのですよね(^^A;。そうならないように、こちらで勉強させて
いただきます。よろしくお願いいたします。m(_ _)m

おもしろいじゃん 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月13日(月)21時46分
二階堂です。確かにつながらないねえ。あちら側。

>奈良町さま
>小生が大分前に考えてた説なんですけど、太公望が姜姓の呂国の一族で有ることから、申公豹は
>その隣国であり姜姓である申国の一族だと思うんですよ、

を、結構おもしろいじゃん。少なくともその辺の作家より、よっぽど根拠があるわよ。

しかし、「申公」となるとお殿様になっちゃうのよね。少なくとも諸侯クラスでない
となんとも言えないわねえ。

お殿様が国捨てて出家したとゆー前提なら、成り立つかもねえ。でも、ちっと違うん
じゃない?

でもまー、古代の説話と『封神演義』の話って全然つながらないのよね。漢字の原義
もあんまし意味ないわよ。明の人の漢字の使い方って、われわれに近いですもんね。

初めまして 投稿者:hako  投稿日:1999年09月13日(月)06時38分


>火敦脳児さま
初めまして。当サイト管理人のhako-と申します。
本題にはレスする知識も時間もないので、管理人としての役目だけ(^^;)

>>こちらのサイトはちょっと前からROMしてます。
ありがとうございます(^^)

>>どうしてそういう間違いが起こったのかを推理するのも一興かなー
>>と……。場違いなカキコだったらすみません。(逃亡)
いや、全く問題ないと思いますよ。
というか、掲示板の性格づけ自体あまり厳密にはしていませんので、
よほど脱線しない限りは大丈夫の筈です(^^;)
これからも何かネタがありましたら、是非カキコして下さいませ(^^)

http://www02.u-page.so-net.ne.jp/tb3/s-hamabe/

申公豹物語(偽) 投稿者:奈良町⊂((〃´д`〃)⊃  投稿日:1999年09月12日(日)00時25分
小生が大分前に考えてた説なんですけど、太公望が姜姓の呂国の一族で有ることから、申公豹は
その隣国であり姜姓である申国の一族だと思うんですよ、
確か殷王朝の開祖である湯王が呂で苦しめられたとゆう表記があったんですよ、ですから..
殷王朝が呂及び申などの姜姓族を恨み、お国取り壊し

申、呂などの一族、放浪生活
     ↓
姜姓の有タイ氏、太姜、古公亶父に嫁ぐ
     ↓
申、呂などの一族、太姜を頼って西へ
(多分、このへんで太公望、申公豹などが崑崙へ)
なんちゅーこと考えてたんですけど、どうですかね?駄目ですか?

なるほどねえ 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月11日(土)22時44分


二階堂です。

>火敦脳児さま

'76おや、お久しぶりですね。

>泉州の董伯華が八仙に「雷公石」を授かった、その石で掌に丸い輪を
>一つ書いて握り、開くと雷が鳴った(以下略)、というものがあります。

雷公にまつわる話はたくさんありますけど、なるほど石ねえ。それは考えてません
でしたわ。

>さらに白川静博士によると、「申」は雷光が走る様を象った字形であり、

これはあまり関連はないでしょね。

申公豹って名前ですけど、これは崇侯虎からの類推なんでしょね。本来は
どこぞの諸侯であるべきなんでしょーけど。作者は例によって何も考えて
ないから(笑)。

>「なた」には「ナァタク」と

それも「咤」の字じゃないすかねえ? あたし台湾はかなりいたけど、ちと
違うよーな? まあ、劉先生ですからねえ(笑)。

>安能氏に中国語や中国文化をレクチャーした人がその辺りの出身だった
>のではないでしょうか?

いや、そーじゃないんすよ。レクチャーされたんじゃないんす。詳しくはいえ
ないけど。

雷公鞭ですけど、まず雷公となると、ホントは聞仲こそが持っているべきなん
すよね。彼は普化天尊なんだから。んで、普化天尊は鞭がアイテムです。

ただ、雷公となると、くちばしの尖った、普通はトウ天君とされる神の方が
それにあたります。

『封神』だと雷公にあたるのが、聞仲・トウ天君・雷震子といろいろ分裂し
ちゃってて、ちと定めにくいんですよね。でも、ホントに雷公鞭なるものを
出すのなら、この3名のどれかに持たせるべきですねえ。

申公豹はやはり宝剣ですよ。彼の登場シーンの詩だってそれがバーンと書か
れているんだから。挿絵みてもそーですね。なーにが最強宝貝だかねえ?

とりあえず情報どーも。

入声ですか 投稿者:飯香幻@つっぱり  投稿日:1999年09月11日(土)22時38分


おお! 火敦脳児(ほとんのーる)さまじゃないですかー。ほんに久しぶりですぅ♪
雷公石の話、すげー興味深いです。
でも、もちっと興味を引かれたのが、あの「ナァタク」。
ビン南語でそーいうですか。ううむ。あの字が入声の字なのかも知れない、と。

同じく現代でも入声(語尾につく、韻母を伴わない声母)を有する広東語ではどーなのかって
いうと、これが「なあちゃあ」なんですね。もっとも「なあ」は「らあ」っぽく聞こえます(NとLが近い)。いずれにせよ「ナタ」の「タ」に相当する字は、広東語では入声を用いる字
ではないわけです。

でも、だからといってビン南語でも入声をつけないとは限りませんね。このあたり、
詳しいヒトの御教授があれば、めちゃ有り難いっすよお!
入声が絡むなら、例の「だたく」読みの謎にも繋がりますかねえ。
しかし「スース」は国語(普通話)の南方なまりでしょうから、安能さん、ビン南語系と
国語を故意にチャンポンにしちゃっていることにもなりかねませんが・・・

雷公鞭の元ネタ 投稿者:火敦脳児  投稿日:1999年09月11日(土)18時49分


はじめまして(でない方もいらっしゃるけど)。こんにちは。
こちらのサイトはちょっと前からROMしてます。
雷公鞭について二階堂先生が下で触れてらっしゃったので、
おこがましいと思いつつ、しゃしゃり出てまいりました(^^)。

『台湾の道教と民間信仰』(劉枝萬・風響社)第一部第二章
「雷神信仰と雷法の展開」によりますと、「掌心雷法」といって、
五雷法と同義とも、また別法ともみなされる(『天皇至道太清玉冊』
三巻二七葉)雷法があり、この雷法の最も有名な伝説が福建省南部一帯に
分布する董仙売雷の話なんだそうです。大筋は同じで細部が異なる
パターンの話がいくつか伝わっていて、そのうちの一つに、明代に
泉州の董伯華が八仙に「雷公石」を授かった、その石で掌に丸い輪を
一つ書いて握り、開くと雷が鳴った(以下略)、というものがあります。
(王世禎編『中国神話』事迹篇、泉州雷公石、民国七〇年、台北)
これが雷公鞭(の名称)の元ネタではないかと思われるのですが、
どうでしょう? 「石」が「鞭」になったのは、打神鞭や金鞭からの
発想かな?
さらに白川静博士によると、「申」は雷光が走る様を象った字形であり、
「稲妻」という字義があります。(白川静『字統』『字通』)
ということは、安能氏は道教に拘らず(安能氏は研究者ではなく小説家
ですし)自由に連想を働かせて、申公豹の宝貝を創作したんではないかな、
と思います。

ついでに、上述の『台湾の道教と民間信仰』は、ふりがなで日本語読み、
フリガナで台湾語(ビン南系。「ビン」はもんがまえに虫。ビン南は
福建省南部)読みを表記してあるんですが、「なた」には「ナァタク」と
振ってありました。(ちなみに「ようせん」にはフリガナ無し。残念。)
某所で二階堂先生が「スース」は南方なまりと指摘なさってましたが、
安能氏に中国語や中国文化をレクチャーした人がその辺りの出身だった
のではないでしょうか?

いや、間違いを指摘するのがこの掲示板の主旨なのは知ってますが、
どうしてそういう間違いが起こったのかを推理するのも一興かなー
と……。場違いなカキコだったらすみません。(逃亡)

自分で判断 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月10日(金)17時39分


飯香幻さま

二階堂です。

>「安能さんと二階堂さんとどっちが正しいの?」とゆー疑問を持つこと自体はすごくいーこ
>とだと思うなー。自分の眼を信じて納得するまで調べるのならね。

そう、自分で判断すればいーんですよ。でも、それにはちゃんと証拠を示さない
とね。「感想」だけで言っているはダメダメですよ。

でも、「ナタク」もそーですけど、安能版の間違いはもー定着しちゃってますね
え。まー、マトモに読んでいる人とそーでない人のバロメーターになっているか
ら、それはそれでいーけどさあ。

1某所の感想 投稿者:飯香幻@  投稿日:1999年09月10日(金)12時41分


某所、見てきましたー。ふふふっ
「安能さんと二階堂さんとどっちが正しいの?」とゆー疑問を持つこと自体はすごくいーこと
だと思うなー。自分の眼を信じて納得するまで調べるのならね。

でも、「正しい版本の存在なんて詮索するコト自体無意味」って調べもせずに
斜に構えるのは危険だと思うですー。え?そーゆーコトなら某所に直接書け??
へへへっ まあそーなんですけどねー。

某所ではどーも 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月10日(金)10時11分


hakoさま

二階堂です。某所ではどーも(笑)。

>某掲示板で突っ込みカキコしちゃいましたけど…大丈夫かなぁ?

こちらに何か言ってくると思ったんですけどね。フジリュー版の
ファンも内情知らないですからね。

それにしても、安能版の害毒はヒドイものがあるなあ。しかも、
『封神の世界』も読まれてませんから、ひたすら誤解だけが広ま
っていくんですね。

別に、その程度でとどまっている人はかまいませんけどね。ただ、
ちゃんと理解したい人には、あの論争もひとつのきっかけになっ
てくれると思いますよ、

大丈夫かな? 投稿者:hako  投稿日:1999年09月10日(金)04時57分


某掲示板で突っ込みカキコしちゃいましたけど…大丈夫かなぁ?

>間違いだらけ掲示板
消えるかと思っていたら、教主のおかげで復活したようです。
一応予備の掲示板は作っておいたんですけどねぇ。
あれは、一体どうやって使いましょうか…。

http://www02.u-page.so-net.ne.jp/tb3/s-hamabe/

第二回 投稿者:二階堂善弘  投稿日:1999年09月09日(木)20時46分


二階堂です。第二回でっす(笑)。

ここものっけから変ですねえ。

>下界の政治一般を、遠隔操作している。

>火雲宮の三聖がいわゆる天帝であるが、

>そのときの、いわば連絡将校が、女カ宮の女カ御前であった。

「んなわきゃないだろーがっ!!」

だいたい、天帝といえば玉皇大帝でして、それはナタの時も龍王が訴え
に行く場所がそーでしょよ。『封神』では天帝の地位が曖昧ではあるけ
れど、この三聖ではないことは確かですわ。

じゃないと、龍吉公主の設定がおかしくなるでしょが。あったく何も考
えてないで書いているわねえ。安能さん。

んで、次のところで申公豹が女カを叱りつけている。

「んなわきゃないだろーがっ!!!!」

女カは「聖」クラスなんですぜ。だから伏羲や神農と同じ。元始天尊ク
ラスでやっと対等の口がきけるでしょう。それをたかが元始天尊の弟子
にすぎない申公豹が無礼を働こうもんなら、たちまち百たたきくらいに
はあうハズ。

ここで初めて出てきますねえ。例の「雷公鞭」ですが。

「こんな宝貝は、原作にはありません(爆)」

だいたい、原作の申公豹はいつも剣がアイテムと決まってますわね。し
かもこの雷公鞭って名前、だっせーの。もっと考えてよね安能さん。道
教らしくないんだよねえ。もし雷公に関わるものなら、当然十天君が持
ってないとおかしいわよ。

ちなみに、トウ天君こそが雷公ですよ。

>「申公豹は許由である」

大ウソです。これは原作ではありません。申公豹ってのは、元始天尊の
弟子、つまり姜子牙とは兄弟弟子に当たります。しかし、姜子牙といさ
かいを起こしたことから、ことごとく截教の味方をします。

単なる悪役よ。それももっと魅力ある悪役に書いてくれればよかったの
にねえ。なんか変な設定になっちゃった。

弟弟子なんすよね。できのいい兄弟子を憎む、なーんかいい設定になり
そーなのに・・・。

>黒点虎

これも変ですね。原作では白額虎です。それに霊獣は口はききません。

ちょっと前書きに戻るけど、安能さんが言っている「三大怪奇小説」と
かいうのも間違いです。そもそも、なんで『三国志演義』が入るのよ?

普通は、「明の四大奇書」という言い方をします。これは『三国志演義』
『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』で、別に怪奇小説の意味じゃない。

明の有名な怪奇小説を選ぶとしたら、『封神演義』は入るでしょうよ。
どんな文学史の本だって入ります。誰も「抹殺」なんかしてないって。

いや、とあるHPで見たもんすからねえ。「三大怪奇小説」って。これ
ってすげー意味ない記述だわよ。分かってやっているならいーけどさ。

気を取り直して、明の三大怪奇小説、ということなら、

『西遊記』『封神演義』『平妖伝』

で決まりですね。フツーそーでしょよ。あったくもー。

業務連絡 投稿者:hako  投稿日:1999年09月02日(木)07時03分


「間違いだらけの封神演義」掲示板の、話題別の過去ログを追加しました。

http://www02.u-page.so-net.ne.jp/tb3/s-hamabe/