知死期
「ちしご」



千年以上も前に陰陽師が作った、文字通り「死期(息を引き取る時刻)を知る」表のことです。宇宙の法則に基づいて作られているのです。まず1ヶ月を上旬・中旬・下旬とに分けます。


知死期の早見表

知死期
上旬 中旬 下旬
1日

2日

9日

10日
3日

4日

5日
6日

7日

8日
11日

12日

19日

20日
13日

14日

15日
16日

17日

18日
21日

22日

29日

30日

31日
23日

24日

25日

26日

27日

28日

0時

6時

12時

18時

2時

8時

14時

20時
4時

10時

16時

22時
2時

8時

14時

20時

4時

10時

16時

22時

0時

6時

12時

18時
4時

10時

16時

22時
0時

6時

12時

18時

2時

8時

14時

20時



通常はこの表の通りに日付と時刻の組み合わせで亡くなるのです。

例えば5日に亡くなるとしたら息を引き取るのは2時・8時・14時・20時の4回の時刻のどれかと言うことになります。実際に医学の発達した現代においても臨終の患者を抱える医師はこの時刻を気にします。

この表は月の出入りと潮の満ち引きから割り出しているのです。昔から人が生まれるのは満潮の時で死ぬのは引き潮の時だと言われています。

潮の満ち引きが月の満月と新月によって起こることは誰でも知っていますが人間の生死に深い関係があることは意外に知られていないようです。月の自転の周期は28日なのです。女性の生理周期と同じなのです。

潮のリズムと呼吸のリズムは同じであり、人間の体液の成分は海水の成分とほぼ同じなのです。私たちは宇宙と言う法則の中で宇宙という生命に包まれて生きているのです。

宇宙に向かって息を吐けば宇宙がその息を吸い、きれいな酸素として吐き出し人間がそれを吸う。この様にして宇宙に生かされているのです。

真言密教ではこの宇宙そのものが無始無終の宇宙仏こと大日如来の真のお姿なのです。それが密教の宇宙観であり密教の根源なのです。

だがこのような宇宙の法則の中にも突然変異ということがあります。知死期の突然変異とは「畏(い)」と「厭(おう)」と「溺(でき)」だと言います。

「畏(い)」と言うのは自殺で亡くなること。「厭(おう)」と言うのは押し潰されて死ぬことつまり圧死のことです。「溺(でき)」と言うのは水死のことです。

この3つの死に方は変死です。変死という突然変異は知死期の法則があてはまりません。潮の満ち引きに関係なく死が訪れるからです。知死期の法則に反して亡くなっている為に成仏できず不成仏霊に成り易いのです。

弔いの時は通常は光明真言を唱えますが「畏(い)」と「厭(おう)」で亡くなった方には十一面観音の御真言「おん・まか・きゃろにきゃ・そわか」  「溺」で亡くなった方は水天の御真言「おん・ばろだや・そわか」と唱えてご冥福をお祈りして下さい。