第3話 米原近くの殺意


大阪以降の停車駅は次のようになる。

新大阪 9時2分発

米原  10時4分着

米原  10時5分発

岐阜  10時38分発

名古屋 10時58分着

名古屋 11時0分発


8時58分に大阪を発車して約2時間、

列車は米原に到着しようとしている。

ここは1分停車である。

峰崎は、さっきの騒ぎで行けなかったトイレに、行っておこうと、トイレに向かった。

トイレには鍵がかかっている。

トン、トン ノックしたが応答がない。

そこへ、バンダナをつけた20代の男がやって来た。

「そのトイレ、僕が20分ほど前から鍵がかかりっぱなしなんですよ。トイレの使用

中ランプもつきっぱなしですし」

その男は、山本というフリーターである。友達に会いに長野へ行くらしい。

「なるほど。何かおかしいな・・・」

峰崎は、車掌を呼んだ。

「何でしょうか?」

車掌は、松下という40代の車掌だった。

「ここのトイレ、20分ほど前から閉まりっぱなしなんですけど」

山本が説明すると、松下は、合い鍵を取ってきて、ドアを開けた。

その時、「ひゃっ!」と叫び声をあげて、松下は床に倒れこんだ。

峰崎が見ると、そこには50代の男が頭から血を流して倒れていた。

峰崎は男の手首に指を当てた。脈がない。

「死んでいる・・・・・・」

峰崎が言うと、今度は山本が倒れこんで言った。

「こんな・・・・・・」

「とにかく、米原で遺体を降ろそう。米原署と連絡をとるから」

峰崎は携帯をだして、米原署捜査1課に連絡した。

米原 10時4分到着

出発して2駅なだけに、降りる客はいない。

乗車する人もぽつりぽつりだ。

峰崎は、遺体を米原署捜査1課に渡し、司法解剖をして死因の特定をしてくれと頼んだ。

「わかったら、わたしがあなたに連絡します」

米原署捜査1課の西田という警部が言った。

(まさか、今回の旅でこんなに人が殺されるとは・・・)

不安げな峰崎を乗せて、しなの15号は、2分遅れで米原を後にした。

以後出発時刻は以下の通り。

岐阜  10時40分

名古屋 11時02分


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