第2話 第1の殺人
朝の大阪駅はさすがに通勤客でいっぱいだ。
若い新人のような会社員から、中年のおじさんまで。
中には、帰省で田舎に帰る家族連れもいる。
峰崎は、1時間も早く駅に来たので、朝食をとり、お茶とガムをキヨスクで買ってか
らホームに立った。やはり、西崎のことが頭から離れない・・・。
8時45分、ホームにワイドビューしなの15号が滑り込んだ。
ワイドビューしなのに使われている383系は、振り子式の列車。山道の多い長野方
面には最適の車両だ。長野側の先頭車両は、パノラマグリーン車が連結されている豪
華な特急である。
しなのは8時58分発車である。ホームに車両が滑り込んでもしばらく発車しない。
峰崎は、改札近くのトイレに向かおうとした。
その時、
「キャー!」
という悲鳴が聞こえた。
峰崎が向かうと、立ち食いそば屋の近くのベンチの前に、20代の女性が倒れてい
た。ベンチには、30代の男性の射殺体が座った状態で倒れていた。弾は心臓を貫通
していた。ほぼ即死状態だろう。
峰崎はすぐに近くの警察官を呼んだ。
真っ先にやってきたのは、大阪府警の清原という警部だった。
「男性の身元と死因などを調べたら連絡します」
清原は言った。
「せっかくの休みだというのに、のっけからついてないや」
峰崎は言った。
そして、発車寸前のしなのに乗りこんだ。
定刻で、しなの15号「殺人行き」は発車し、大阪を後にした。
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