プロローグ  悲しみの唄
時は平安 貴族が政治を握る時代。
ゆったりと流れる時間の中には醜い権力争いもあった。
桜の花びらが舞い散る夜の事。
暗闇の庭園には何本もの夜桜が立ち並び
己の存在さえも忘れ、見蕩れてしまう程の美しさだ。
その庭園を男の名を呼びながら裸足で走り抜ける女の姿があった。
「寿穂…っ、寿穂っ…。何処に居るの………」
寿穂と言う名の男を探す女の顔は只ならぬ気配を催した。
絶えまず探し周っていると、道端に楼玉ときらめく髪飾りが落ちていた。
「是は…寿穂の楼玉と…鈴湾の髪飾り…。何故此所に?」
愛おしい男の楼玉と、歪みあっている女の髪飾り…。
其れを両手に持ち、じっと見つめていると背後に人の気配を感じた。
「寿穂?」
思わず笑顔に成り、後ろを向くと思った通り、恋い焦がれている寿穂の姿があった。
しかし寿穂は何も言わず只、悲しげな顔をしていた。
「どうしたの。寿穂?」
「別れだ。伶潤。」
寿穂はそう言うと、後ろに隠していた刃物を思いきり伶潤の身体に突き刺した。
「……っ!」
伶潤は何か言いたげな顔をしながらその場にうずくまった。
「何故刺されたのだか判るか、伶潤。」
その時桜の木に隠れていた髪飾りの持ち主、鈴湾が現れた。
「判る訳無いわ、寿穂。
  この女、あたしと寿穂が愛し合ってるのさえも気づかないんだから。」
「……?」
伶潤はうずくまりながら、鈴湾の方を不思議そうに見た。
「まだわからないの?あたしと寿穂は、貴女と寿穂が会う前から
   お互い好き合っていたの。ただ…想いを言えなかっただけ。そうよね?寿穂。」
「あぁ…。私が鈴湾に想いを伝える前に、お前…伶潤が私を求めて来ただろう。
 私はどうすれば良いとか迷った。だが…受け入れる事にした。
 お前の族は昔からの貴族で、何でも通りいかならなければ力尽くでも手にいれる。
 私が受け入れなければ、お前にとって邪魔な鈴湾を殺すと考えたからだ。
 だから仕方なく…」
その続きは伶潤を刺した寿穂でも言えなかった。余りにも酷いと思ったからだ。
 「騙したの…二人で…。」
呻き声ともとれる声で伶潤は言った。
 「最初から騙すつもりで…」
 「騙すも何も、貴女が気づかないのが悪いのよ。その嫉妬深い性格もね。」
鈴湾はせせら笑い、また寿穂に話しかけた。
 「ねぇ、寿穂。さっきの伶潤を刺した刃物あたしに貸してくれる?
         人を刺すのって中々出来ないでしょ?お願い。」
寿穂は最初鈴湾の言葉を聞き、驚いたが何も言わず伶潤の血がついた刃物を手渡した。
 「有難う。」
そう鈴湾は言い、うずくまっていた伶潤を乱暴に立たせ、
寿穂が刺した身体の箇所をもっと奥深く刺し込んだ。
 「………うっ…。」
伶潤は微かな呻き声をあげ、その場に倒れた。
花びらと共に血が夜を舞った。

その場にしばらくの沈黙が流れた。
 「鈴湾。本当に是で良かったのか…。他に方法は…」
 「何言ってるの。もうやってしまった物はしょうがないの。
  邪魔な者は消えたのよ。さぁ、行きましょう。此所に居たら怪しまれるわ。」
寿穂は黙って頷きその場を去ろうとした。
…が、微かに何処からか声がする。
 「鈴湾。声…声がしないか。あの暗闇から…」
 「声…?」
二人は声をする方を見つめていると、先程、殺したばかりの伶潤の姿があった。
 
         覚えときなさい…いつか…何百年もの経た時
    貴方達二人の生まれ変わりを死よりも深い悲しみに合わせてあげるから…。
              覚えときなさい…

 「−−っ!!!」
鈴湾は声に成らない悲鳴をあげ寿穂は立ち尽くした。
 「何…。何故…。」
寿穂は呻く様に其処に立って居る伶潤に言った。
しかし伶潤は二人を睨むとまた暗闇に消えて行った。
 「っ!きゃああぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」

美しい桜の咲く夜の事であった。


+++++++今後のあらすじ及び、作者のごたごた。
はい。どォも。チャットで時々顔出す華月でぃ。
やー…。ゴメンなさい。。。意味不明な文で始まって。。。
ふしぎ遊戯と全然関係ないし。筋通ってないし。(だって資料が無い。)
ほとんど↑のはあたしの趣味です。。ありがちだー。。。
それでは。



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