「侮れない街」


11月25日(火) 大分県臼杵市〜大分県別府市 くもりのち雨

臼杵市から佐賀関、大分市を経て別府市に向かう。
朝、佐賀関の手前の海岸で海を眺めていたら、背後から
「にいちゃーん、お茶飲んでいきー」。
振り返ると、おばちゃんが家の中から手を振っている。
遠慮なく、といいつつ家にあげてもらうと、
おばちゃんが、
「食べなさい、食べなさい、食べなさい」
といって、あじのすしを出してくれた。
これも遠慮なくいただく。
うまい。
少し甘めの味付けで、ごまの味が利いている。
「いやー、おいしいですね」
というと、おばちゃんは
「食べなさい、食べなさい、食べなさい」
といって、どんどん出してきてくれる。
「これは、お昼に食べなさい」
といって、残ったすしを折り詰めにしてくださった。
ごちそうさまでした。

今日は朝から雨という天気予報だったが、結局降りだしたのは夕方だった。
こういう風に予報が外れるのは大歓迎だ。
夕方、小雨が降るなかを散歩に出かける。
観海寺温泉のみゆき坂展望台のあたりから別府の夜景を見た。
派手な電飾でかざられた別府タワーがかわいらしい。
海をはさんだ向こう側には大分市のあかりが見える。海があると夜景の価値はぐっと高
まるな。
街のあちこちから温泉の湯気があがっているのが見える。
いや、なかなかいいではないか。
ただの温泉街だと思っていたが、別府はけっこう侮れない街だ。
なにやら去り難いものがある。

別府ユースで、四国の小松島ユースで会ったK君と再会する。
彼は、徳島から高松、松山、広島を経て徳山に至り、そこからフェリーで国東半島に渡
って九州に入ってきたという。
K君は少し旅に疲れているようで、旅をやめようか、などと弱気なことを言っている。
旅を始めて1カ月間、ほとんど休みなしに走り続けてきたとのことだから、疲れがたま
っているのだろう。
別府でゆっくり温泉にでもつかって、のんびりしたら、きっと力がわいてくるよ。
たぶん。

夜、ユースで、京都からきたという大学生の女の子2人に、
チーズ味の鍋をご馳走になった。
レタスやウインナーや鳥肉が入っていて、栄養満点のうえにとてもおいしかった。
ごちそうさまでした。(今日はこればっかし)
ごちそうになったついでに、京都の話や、旅の話をした。
今は大学が休みで、ユースを利用しながら2人で九州をまわっているとのこと。
「来年は就職なので、今のうちにいろんなところに行っておこうと思って」
と語る2人を見て、初々しくていいなあと、すっかりおじさんの私は思うのであった。
良い旅を、そして、よい出会いを。

夜、ユースの喫茶コーナーで、ビールや焼酎を飲みながらヘルパーさんといろいろ話し
ているうちに、一日で別府を去るのが惜しくなった。
明日は、ヘルパーさん一押しの温泉に行って、旅の疲れを癒すことにしよう。(最近癒
してばっかりだが・・・・)
別府に連泊だ!

本日の走行距離 62.47km
宿泊地 大分県別府市 別府ユースホステル