「やぎとココアと基地」


11月23日(日) 高知県宿毛市 晴れ

今日は朝8時半の船で九州にわたるつもりだったが、ユースのペアレントさんの話を聞
いているうちにもう少しユースの周辺を回ってみたくなった。
ユースにもう一泊といいたいところだけど、お金がきびしいので、ユースのすぐ近くの
キャンプ場でキャンプをはることにした。

朝、ペアレントさんが、
「やぎの散歩に行くけど、一緒に行かない?」
という。
やぎ?散歩?
行きます行きます、というわけで一緒に出かけた。
ユースから100mぐらい離れたところにやぎの小屋がある。 ここに、やぎの「しろ(おす)」と「もも(めす)」が住んでいる。
1才ということだったので、小さいやぎを想像していたのだが、 思っていたより2回りくらいでかい。
小屋から出してやると、どどどっと走り出す。喜んでいるのだが、
むかってこられるとちょっと怖い。
2頭は藪の中をひょいひょいと走っていき、河原に出る。ここで、しろとももは草をむ
しゃむしゃ食べたり、思い出したようにペアレントさんや私の方に走ってきたりする。
けっこう人懐こくて、かわいいやつらだ。
ペアレントさんは、
「やぎを泳がせてみたい」
と言う。やぎは、水を恐れるそうであるが、果たして夢はかなうのだろうか・・・・
一度やぎが川を渡るところを見てみたい。

自転車で「げんじゅうやぶ」というところへ行く。
「げんじゅうやぶ」というのは地名で、かつて平家の落人が住んだところだという。
松田川の支流に沿って10kmぐらい山の中に入ったところにあるという。
「途中ぜんぜん家がなくて、えっ、こんなところに家が?と思うようなところに集落が
あるから」
とペアレントさんが言うので、楽しみにしてでかけた。
「げんじゅうやぶ」に至る道中は、確かに家がなかった。川に沿ったなだらかな登り坂
を延々と登っていく。川の両側の木々が美しい。
7kmぐらい走ったところで家が3軒ほどあった。
しかし、その後まったく家がなく、4kmぐらい走ったところで集落があらわれた。
「これか」
川原で昼食をとり、カメラを持って歩き回っていると、子どもを連れた家族に出会い、
道で少し立ち話をした。
「ちょっとお茶でもどうですか」
ということになり、遠慮なくおじゃますることにした。
今回の旅行の中で、家にあげていただくのははじめてだ。
おいしいココアをごちそうになり、旅の話、家族の話等をして楽しい時間を過ごした。
どうもありがとうございました。

3時半頃、キャンプ場に着いてテントはろうと思ったら、
2人の男の子がこちらにやってきた。
「ここにテントはるん?手伝わして」
というので、テントをはるのを手伝ってもらった。
テントをはり終わると、
「おにいちゃん、基地作るから手伝って」
と言われた。
基地?なつかしいなあ。昔作ったな。おもしろそうなので手伝うことにした。
ちょうどキャンプ場に畳の大きさの合板がたくさんあったので、それを組み合わせて、
ちゃんと屋根のあるけっこうりっぱな基地ができあがった。
記念写真を撮ろ、といってカメラを出すと、2人とも大喜びでカメラをとっかえひっか
えして、あっという間にフィルムを1本使いきってしまった。
「あ、高いフィルムやのに」
と思ったが、せこいと思われるとしゃくなので、だまっていた。
2人は結局晩飯を作るまでいて、わたしの牛丼をつまみぐいして帰っていった。
帰りぎわに1人が、
「基地、こわれたら直しといてな」
と言い残していった。なんでやねん・・・・
でも、基地作りおもろかったわ。
写真送るからな。待っとけよ。

<旅の家計簿>
ぱんと牛乳(昼食用)  310円
今日使ったお金はこれだけ。朝食はユースで食べたし、夕食は買い置きの牛丼。
なかなか優秀な成績といえるだろう。

本日の走行距離 24.56km
本日の宿泊地 高知県宿毛市