「気のゆるみ」


11月15日(土) 徳島県日和佐町〜徳島県宍喰町

朝、7時半ごろ、恵比寿浜キャンプ場を出発する。
小さな峠を越えて3kmほど走って日和佐町に到着。
日和佐は海亀の産卵で有名なところで、海亀の形の電話ボックスの写真を撮ったりして
いたのだが、そのうちに大事なことに気がついた。
水のボトルがない。
キャンプ場のトイレに忘れてきた。
うーむ。あのボトルはそれほど高いものではないが、フレームに取り付けるような形に
なっているので、このあたりでは代わりが手に入りそうにない。
しかたないので取りにもどる。
自転車に乗るものにとって、来た道を引き返すのはとてもつらいことだ。
たとえ3kmでも・・・
しかし最近忘れ物が多い。
先日は父の墓参りに行ってかばんをまるごと墓に置き忘れて来てしまった。
タクシーでとりに戻ったのだが、運転手さんに
「こんな大きなもん忘れますか」
と言われてしまった。
妻は、にこりともせず前を向いていた。
あれから1週間もたっていないのに・・・
まだ若いのにこんなことでいいのか。
ついでに、今日は宍喰の道の駅で転倒した。
駐車場を出ようとゆっくりと自転車をこいでいるときに、前方に車が入ってきたのでよ
けようとして方向を変えたところ、後輪が車止めにあたってバランスをくずしたのだ。
足を固定しているトィークリップが外れず、
そのままゆっくりと自転車と共に転倒した。
自転車を買って間もないころに同じように転倒したことがあるのだが、このときは膝を
思いきり擦りむいて、しばらくはペダルをこぐたびに傷口が開いて痛みが走ったが、今
回はかすりきず一つなかった。受け身がうまくなったのだ。というのはうそで、今回は
前後両方のキャリアに大きな荷物がついていたので、体がその間にはいる形になって地
面に衝突せずにすんだのだ。
でも気をつけなければ。慣れた頃に事故が起きるというから。

宍喰町は、ゴルフの尾崎兄弟と日本ハムの上田監督を生んだ町だという。
なかなかすごいではないか。
今日は、この宍喰町の竹が島というところにキャンプをはったのだが、このキャンプ場
はとてもわかりにくいところにあり、たどりつくまでに3人の人に場所を聞かなければ
ならなかった。
家がぎっしり並んでいるせまい路地を通らなければならないのだが、
案内もでていない。
小さな島だが、自力でたどりつくのはまず不可能だろう。
しかしこのキャンプ場には先客がいた。
神奈川から来たというおじさんだ。
巨大な4人用テントの横にママチャリが置いてあるのがなんとなくアンバランスだ。
聞いてみると、自転車はこの宍喰に来てから買ったと言う。
そのほか、テントや寝袋や食料、すべてこちらで購入したとのこと。
で、道具がそろったところで動こうと思ったところが、荷物が多すぎて動けなくなって
しまい、ここに20日もいついているという。
しかし、長くここにいるおかげで宍喰の自転車屋さんや電気屋さんと知り合いになり、
結構楽しい生活をしておられるようだ。私も本来はこういう定着型の旅が好きだ。なん
となくうらやましい。
しかし、これから荷物をどうするつもりなのだろう・・・・

本日の走行距離 53.87km
宿泊地 徳島県宍喰町 竹が島キャンプ場