10月12日(日) 佐渡郡相川町〜佐渡郡小木町

朝8時半、O君一家は出発。
一人で相川の町をうろつく。
土地の人の話によると、相川にはかつて10万近い人々が住んでいたという。
今は2万程度と言うから、5倍近い人が住んでいたことになる。
相川の町は、坂道と階段がとても多い。そして、道が曲がりくねっているので、歩いて
いると突然意外な景色がひらけたり、予想もしなかった方向に海が見えたりする。
さっきまで降っていた雨の露が、ときおり顔を出す太陽の光に照らされて輝き、木の葉
や苔をより美しく見せている。
細い路地へ入っていくと、その終点はたいがい寺か墓になる。
町全体が寺と墓に囲まれているのだ。
人の住んでいる空間と墓の境界があいまいで、死者の領域が生活の中にくい込んでいる

。 私はこういう風景を見ると、自分のこころの奥のほうが喜んでいるのを感じるのだ。
3時間ほど相川の町をうろつき、残念だが次の目的地に向かって出発した。

相川を出発し、小木港を目指す。
小木港までは40kmぐらいで距離はたいしたことがないのだが、200m弱のピーク
が3つある。
はなしによると、小木へ行くまでの道はトライアスロンのコースになっていて、トライ
アスロンの人も小木あたりの坂道がいちばんきついと言うらしい。
それをトライアスロンの人の100分の1の体力しかない私が、30km以上の荷物を
乗せて走るのだからつらくないわけはない。(ただし、スピードは3分の1ぐらいだと
思うが)
小木に着いた頃はさぞかしばてているだろうから、YHを予約しておこう、と思って電
話すると、
「今日は出てるから」
とよくわからない返事。どうもだめらしい。
ここのところYHは断られることが多い。ま、キャンプしろってことだな。
小木に着いたときにはやはりへなへなになっていて、キャンプする場所をさがす元気も
なく、港の近くの公園にテントを張ったのだが、周囲から丸見えでちょっとなさけなか
った。

本日の走行距離 42.92km 本日の宿泊地  新潟県小木町