10月6日(月) 新潟県関川村

今日は一日「休足日(きゅうそくび)」だ。
8日間も走り続けて、脚に疲れがたまっているのだ。
午前中は、キャンプ場で散歩をしたり本を読んだりして過ごすことにする。

このキャンプ場をとり囲んでいる森林は実に美しい。
ケヤキやナラなどの広葉樹が生い茂り、高木と低木と下草が3つの層を作っている。
朝、この森林の中を散歩すると、木々の間からもれてきた太陽の光が昨夜の雨に濡れた
下草を照らしている。
ぶなの幹は、太陽の光に暖められてさかんに湯気をはいている。
キャンプ場の管理人さんによると、このあたりをテリトリーとするカモシカがいるとの
こと。
森の中でじっと立ち止まりカモシカを探す。
残念ながらカモシカは見つからなかったが、森の精気を吸い取って元気が出てきたよう
な気がする。

午後は、自転車で15分ぐらいのところにある「雲母温泉」に行く。
「雲母温泉」は「きらおんせん」と読む。
「雲母」と書いて「きら」か。なかなかやるなあ。
雲母温泉には共同浴場があるということなので探してみるがみつからない。
近くを歩いていた人に聞いてみると、
「ほれ、あそこ。ばあちゃんが桶もって歩いてるだろ」
「えっ。今通ってきたんだけどなあ」
と、もう一度戻ってみると、確かにあった。
看板も何もでていないのでわからないのも無理はない。
よく見ると、玄関の奥に確かに小さな字で「男湯」「女湯」と書いているのが見える。
風呂場は3畳ぐらいの広さだろうか。
湯に手をつけてみる。
「あつっっっ」
かなり温度が高い。かなり水でうめて湯につかる。
「ああ、極楽極楽」
露天風呂ではないが、窓を開け放てば立派な露天風呂だ。外からちょっとみえるが、そ
んなことは関係ない。
この風呂の料金は100円。
備え付けの箱にT00円玉をいれるだけ。なんとものどかだ。

夕方、もう一度カモシカのカモちゃんを探しに森林を散策する。
展望台のあたりを歩いていると、木々の間に白いものが・・・
「あ、いたいた。こんにちは」
やっとみつけた。白い毛のカモシカが一頭じっとこちらを見ている。
しばらくにらめっこ。おもむろにカメラを取り出し記念撮影。
にげる様子がないので少し近づいてみる。
と、下からもう一頭が顔を出す。
二頭は目をそらさず、じっとこちらを見ている。
ずっとにらめっこしていてなんとなく照れ臭いので、小さな声で歌をうたう。
カモちゃんは、じっとしたまま歌をきいていた。
本当はこわくて脚がすくんでいたのかもしれないが・・・・
あまりプレッシャーをかけてもいけないと思い、そこを立ち去った。
しばらくして同じ場所にもどるとカモちゃんたちはまだ同じ場所にいた。
わたしは、
「じゃばいばい」
といって通り過ぎ、しばらく歩いた後ふりむいたら、
二頭は重なって交尾をしていた。

今、キャンプ場の自動販売機の明かりでこの日記を打ち込んでいる。
蛍の光窓の雪みたいだ。
今夜はとても寒そうだ。
今はまだ7時前だが、すでにかなり寒い。
おっと、地べたにすわりこんでたら脚がしびれてきた・・・・・
いてて。
今日はここまで。

本日の走行距離 8.47km
宿泊地 新潟県関川村 鷹の巣キャンプ場