PENTAX LX

 1980年に旭光学60周年を記念して作られたマニュアルフォーカス一眼レフカメラ。20年以上作られてきたが、2001年についに製造中止になってしまった。1988年、私は、このカメラ一台を携えて世界を旅して歩こうと、防塵防滴機構を持ったこのカメラを買った。実際には、このカメラの真価が発揮されるような厳しい状況での撮影はほとんどせずに今日まできたのだが、その頑丈さ、故障の少なさは信頼に値する。最近は、いろいろなカメラに浮気することが多く、以前に比べると出動の機会は減っているが、いざというときはやはりこのカメラになる。1997年の日本縦断自転車旅行の時は、やはりこのカメラをバックに忍ばせていた。

 このカメラは、丈夫さもさることながら、そのデザインがとても美しいと思う。国産35mm一眼レフカメラの中では最高だと個人的には思っている。しかし、残念なことに現在発売されているペンタックスKマウントのオートフォーカスレンズは、つるんつるんの土管のようなデザインで、LXにはまったく似合わない。仕方がないので古いマニュアルレンズを中古で探すのだが、これが数が少なくなかなか見つからない。しかも、見つかったとしても現役のレンズよりも高価であることも多く手が出ない。仕方がないので、マウントアダプターをつけて、さらに古いスクリューマウントのレンズを探すことになる。これなら値段も手頃だ。先日は、28mmF3.5というレンズを3500円で買って使用している。外見はかなり汚いが、実用上はなんの問題もなく愛用している。さらに、ペンタックスのスクリューマウントは、M42マウントというユニバーサルマウントで、いろいろなメーカーのカメラが採用していたマウントのため、ペンタックス以外にも多くのレンズが存在する。私は、こちらの方にはあまり手を出さないようにしているだめ、ペンタックス以外のレンズはロシア製の85mm1本を所有するのみであるが、その気になれば恐ろしいほどのバリエーションのレンズが楽しむことが出来る。何年か前に、カッサロンというパンケーキレンズを発見したが、実に小さな銀色のレンズで、LXに取り付けると恐ろしくバランスが悪く、こういうミスマッチも悪くないな思ったものだ。手持ちの金がなく踏みとどまった物の、もう少しで深い深いレンズの森に迷い込むところであった。レンズの森は、実に深く怪しく広がっており、踏み込むにはそれなりの覚悟が必要だ。

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