GS645S

フジのセミ版(フィルムサイズ6cm×4.5cm)距離計連動式カメラ。写りはとてもよく丈夫なカメラであるがデザインがちょっと・・・、などと言われることの多いカメラである。確かに実用一点張りで、どうと言うことのないデザインであるが、私は好きだ。こういう愛想のない風貌がいい。ボディはプラスチックである。かつてはプラスチックボディが嫌いだったのだが、このカメラを持ってから考えが変わった。私が嫌っていたのは、多くのプラスチックボディのカメラのその密度な低さだったのだと言うことに気が付いたのだ。最近のオートフォーカス一眼レフカメラは、手に持った瞬間「あれっ?」と思う。そういうカメラが作られるようになってから10年以上もたつというのに、私からその感覚はまだ抜けきらない。(もしかしたら、私が古い人間だからかもしれないか・・・。)カメラのボディを見たときに目が認識する重さと手に持った時の重さのギャップが大きすぎるのだ。だが、このGS645Sは違っていて、けっこうな重さがある。目と手のギャップが少なく心地よいのだ。

 ということで、このカメラのボディには概ね満足している。肝心の写りの方であるが、このカメラについているレンズFUJINON60mmf4は、これといって変わった味はないが、シャープでコントラストが高く、非常にまじめなレンズである。私のようなまじめな人間にはぴったりだ。噂によると、このカメラの後継機でオートフォーカス機のGA645についている60mmf4は、さらに描写がよいとのことであるが、知らぬが花で、今はGSのほうで満足している。

 もって歩くのに苦にならない重さで、写りがよく、頑丈なカメラでとても気に入っており、購入以来数年間私のメインのカメラである。ただ、使用頻度が高い分不満もいくつかある。一つは、このカメラ、持ちにくいのである。これは、私の持ち方が悪いのかもしれないが、シャッターの感触が重いことと併せて、気を抜くと手ブレを起こしやすい。もう一つは、シャッターの音がでかいこと。せっかくのレンズシャッターなのに、なぜこんなでかい音がするのだろう、と思う。一方GA645は、シャッターが切れたかどうかわからないぐらい音がしないそうであるが、その中間にならないものか。といって注文を付けたところで、このカメラは何年も前に製造中止になっているので、その注文が実現されることはないのだが・・・。

 このカメラは、後継機GA645が出たこともあり、中古カメラ店で非常によく見かける。私は3年前、ぼろぼろの個体を39800円で購入したが、最近はだいたい35000円〜50000円という所で、外見にこだわらなければかなり安く購入できる。このカメラから得られる画質の良さを思うと、非常にお買い得だと思う。

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