アショーカ法柱獅子柱頭

 

紀元前3世紀インドを始めて統一し、大帝国を築いたアショーカ王は即位後8年カリンガ国を

攻撃した際、累々たる死体の山と嘆き悲しむ家族のあまりにも悲惨な姿を目の当たりにして

深く懺悔します。この戦争を契機に王は仏教に帰依し、人々を武力によって治めるのではな

くダルマ(真理・教え)による統治を心がけるようになります。アショーカ王はダルマを守ること

を国民に知らしめ、かつ守らせるために釈尊ゆかりの仏教聖地や領内各地に法柱をたててそ

れに法勅文をきざませました、これをアショーカ法柱といい、その高さは10メートルあまり、

柱頭には獅子などの動物の彫刻がおかれています。当山に納められた獅子柱頭の原型は

釈尊初転法輪の聖地サルナートに建てられていたものです。そのオリジナルを基に中国で彫刻

がなされ、海路日本まで運ばれてきました。インド・中国・日本と仏教伝来の道をたどって来たわ

けであります。アショーカ王が武力による征服を捨て、法による国造りを目指したその基本は人間

や他の生物に対する慈悲と尊敬であります、このことは現在や更なる未来に対する大いなる警鐘

となるでありましょう。

立正安国・世界平和を祈念して奉安いたしました