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第13回  谷 孝一 編   インタビュー実施日2003/1/7


ミコさんから紹介をいただいた谷孝一です。デビューは2002年6月で他の匠達に比べると新参者
ですが、よろしくお願いします。
エクセルで主にゲーム作りをしています。2003年はエクセルゲームの年になると信じます。

1 初めてエクセルに触れた時期は?

94年ぐらいだと思います。

それまでMSDOSでマルチプランを使っていたんですが、会社がWindows3.1を導入したので
エクセルを使いはじめました。
今まで黒地に白文字だったのが急に白地に黒文字になったので「見にくいなぁ」と思ったのを
おぼえてます。また、マウスのカーソルが「邪魔だなどうやったら消えるんだろう」と先輩にきいた
こともあります。

2 初めてVBAコードを書いた時期は?

エクセルを触り初めて半年くらいたったころです。

エクセルをいじっているうちに偶然マクロ自動記録のボタンを押したのがきっかけです。
最初マクロとは記録したことをもう一度繰り返す機能だと思いました。
当時のエクセルは自動記録をするとシートの横にモジュールシートが現れたので見てみると
なんと!コードができあがっている。
それからVBAの勉強をして、今までのマルチプランのデータを自動的にエクセルに変換する
「換え太郎」なるソフトをつくりました。これが最初の作品です。
私のプログラムはVBAで始まり、浮気もしていないのでほかのコードは書けません。

それ以来、統計解析やデータベース、工程管理などをすべてVBAで作りました。
意外かも知れませんが私のソフト開発はバリバリ業務系でした。

3 VBAコードを書く時間を無理やり1日平均にすると?

ゲームを作ろうとするとき、類似ゲームでどのようなゲームがうけているかデータを集めたり、
実際に遊んだりしています。その時間を合わせると1日2時間ぐらいです。
コードを書くのはそのうち半分ぐらいです。

4 思い入れのある作品とその理由は?

私はゲームを作るとき「これを最後の作品にしよう」と思いながらつくります。
つまり私の場合、最新作品が最終作品であり、すなわち最高作品であり代表作品です。
現在サイクロトロンがそれにあたります。
以前から丸いフォームのゲームを作りたかったんですが、丸さを活かせるゲームが思いつき
ませんでした。それがブロック崩し競作プロジェクト・近田さんの360°ゲームの紹介 等多くの
偶然が重なってサイクロトロンの完成に到りました。あのデザインのゲームはもう2度と作れません。

5 これからVBAを覚えようとういう方々へのアドバイスを!


私の場合これからゲームをつくろうという方々への私の考えを書いてみます。
私はゲーム作りの基本は大事な順に操作性・ゲームバランス・アイデアだとだと考えます。

1)操作性

第一に操作が簡単であること。これは必要以上のステップを踏まずにゲームが実行できることと
ヘルプを使わなくても操作が理解できるようにつくることです。
第二にユーザーのイメージ通りに動くこと。反応が鈍かったり慌てると理不尽な誤操作をするよう
ではゲームの楽しさを損ねます。(例えば前後左右に動かせるものなら斜めにも動かせるように
したり、キーの操作を有名なゲームに合わせる心遣いを)。
また、遊んでいるうちに上達が実感できるようにつくるのも大事なことだと思います。
第三にユーザーの行動を考えてつくること。例えばスタートボタンをマウスで押してゲームは
キーボードで操作とというのはなるべく避けたいですね。また、そうする場合はゲーム開始まで
インターバルをとるなどしたほうが親切です。休憩なしにあまり長時間プレイしなければいけない
のもつらいです。視線の動きも重要で縦型より横型のほうが疲れにくいですし、スコアボードや
タイマーの配置にも気を配りたいです。
つまり操作性とはユーザーに対する親切さだと思います。

2)ゲームバランス
ゲームバランスとはもちろん難易度と達成感のバランスのことですが、私の場合それにゲームの
ルールも含めて考えます。
野球が面白いのは野球のルールが面白いからです。3アウトチェンジ 三振 9回制 塁間距離 
ストライクゾーンの大きさ 等々が野球を最もスリリングにするように演出してます。
しかし、これらのルールははじめから完成されていたわけではなく、長年の試行錯誤の結果です。
ゲームの場合も何度も試してみてみて、最も楽しくなるゲーム中のルールを決めて行くべきだと思い
ます。ゲームバランスはゲーム作りの最終段階でとるものですが最適なバランスがとれないのなら
ゲーム自体を1から作り直すことも必要かと思います。
地味で退屈な作業ですがゲームバランスとはゲームに対する勤勉さだと思います

3)アイデア
ゲーム作りはまずアイデアから入ります。しかし、それを3番目に持ってきたのはアイデアが
先行するとユーザーが置き去りになり、凄いけど面白くないゲームになりがちだからです。
どんなに画期的なアイデアでもゲームにマイナスになるなるなら思い切って捨てる勇気も必要です。
アイデアとはユーザーを驚かしてやろうというイタズラ心だと思います。

親切さ勤勉さイタズラ心がゲームの基本と私は考えます。

6 初心者時代の作品を「匠達のセル道」でアップさせていただけませんか?

色々HDから出てきたので3つまとめてアップします。

1.乱数 これはVBAの乱数を使った実験をしたものです。97年くらいに作ったものですが
当時のマシンはCPU160で今動かすと速すぎるのでスピードだけ調整してアップします。
そのころループの抜け方がわからなかったのでイベントを利用した「なんちゃって恒常ループ」
のスロットマシンが入っています。

2.ブラインドタッチ 98年くらいに作ったものです。会社の女子に「タイピングを練習したいんだけど
いいソフトを教えて」と言われたので「そんなんおっちゃんが作ったるは」ということで作りました。
ちょっと手直しをしてアップします。

3.BTサッカー タイピングサッカーの試作品です。2002年の作品です。見た目はタイピングサッカーに
似ていますが当時APIを使えなかったのでコードは現在のものと全く違います。


7 VBA作成時こころがけていること、宣伝、直リン、何でも結構、最後に一言!

現在ブロック崩し競作プロジェクトを行っています。ふとしたことから始まった企画ですが、作者間の
作戦、牽制、意地とプライドがぶつかり合いで予想をはるかに上回る秀作揃いです。
現時点でのVBAゲームの最先端が見られます。一度のぞいてみてください。


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